
就職や転職活動をしている人の中には、派遣社員として働きたいと考えている方もいるでしょう。
その中には、残業をしたくないという理由で派遣で働こうと考えている方もいるのではないでしょうか?
しかし、派遣社員であれば、残業を断ることが可能なのでしょうか?
今回は残業をしたくないと考えている方に向けて、派遣社員は残業拒否ができるのか、残業せずに働くためにはどうすればよいかなどを紹介していきます。
残業せずに派遣で働くことはできる?
派遣なら残業しなくてもいいというイメージを持っている方もいるかもしれませんが、派遣社員であれば必ずしも残業拒否できるというわけではありません。
残業せずに働きたいのであれば、契約の段階で残業しないことを伝えておく必要があります。
派遣社員は派遣会社と雇用契約を結び、派遣先の会社から業務の指示を与えられて働く仕事です。
そのため、残業しないということを、前もって派遣会社と派遣先の会社、両方に周知しておく必要があります。
労働契約を結ぶ時に、一日の最大労働時間や残業時間などを細かく決めます。
もし、労働契約や就業規則で残業することが前提となっていれば、何の理由もなく残業拒否することはできません。
逆に、労働契約で残業はしないという取り決めをしておけば、残業する必要はなくなります。
仮に、労働契約や就業規則で残業なしと決められているにも関わらず、残業を強制させられるのは契約違反です。
残業せずに派遣で働く場合は、契約を結ぶ段階で労働契約や就業規則で残業しないと取り決めておきましょう。
とはいえ派遣社員は派遣先の社員ではないためサービスなどへの責任は低く残業代が嵩む傾向にもあるため余り残業をしなくても良い可能性が高い場合が多いです。
派遣社員はどのくらい残業してる?残業の少ない業種は?
日本人材派遣協会が2019年9月24日~2019年11月22日の間に行った、派遣社員を対象としたWEBアンケート調査によると、6割程度の人が残業なしと回答しています。
残業があった人でも、1週間あたりの平均残業時間のデータで20時間以上が5.3%、6~19時間程度が5.1%、4~5時間程度が4.5%、2~3時間程度が9.6%、1時間程度が15%と、残業時間3時間以内が半数以上を占めています。
先ほどは残業の拒否は残業のない契約をしていないといけないと紹介しましたが、派遣社員自体がそもそも残業が少ない傾向にはあるということがこのデータからわかると思います。
また、業種によっても残業時間は変わりますが、残業が少ない業種の1つが事務職です。
事務職は社外の人とやり取りすることが少なく、ほとんどが社内の人間とのやり取りとなるため、時間に追われることがあまりありません。
また、PCスキルが高ければ仕事効率も良くなり、時間内に業務を終わらせやすいため残業が少ない業種となっています。
他にも、受付やオペレーターなども、残業が少ない傾向にあり可能な限り残業をしたくないと考えている人にはオススメの職種といえます。
定時で帰る印象と対策
残業があまりなく、社員全員が定時で帰れるような雰囲気の会社ならいいですが、そうではない会社で残業を拒否すると反感を買う可能性があります。


など、悪い印象を持つ社員も出てくるかもしれません。
そういった悪い印象を与えないためには、まず自分に与えられた仕事をきちんとこなすことが大切です。
与えられた仕事ができていない、ミスばっかりして仕事をするのが遅い、そのような状態で定時に帰ろうとすると反感を買います。
逆に、就業時間内にしっかり与えられた業務をこなしていれば、残業をしなくても文句は言われなくなるでしょう。
自分がしっかり業務をこなせていることが周囲に伝わらなければ意味がないため、自己管理ができていることはしっかりアピールしましょう。
今与えられている仕事の進み具合や、どのようなスケジュールを立てて仕事をしているかなど、上司にこまめに報告しておけば順調に仕事が進んでいることが周囲に伝わります。
普段から他の社員と頻繁にコミュニケーションをとっておくことも、定時に帰る時に反感を買わないポイントです。
普段全く関わりのない人よりも、よく話したりやり取りしたりしてコミュニケーションを取っている人のほうが、好意を抱きやすくなります。
好意を持ってもらえれば、定時に帰ったとしてもそれほど嫌な印象を与えることはないでしょう。
また、定時に帰る時は一言周りに声をかけておくことも大切です。
何も言わずに定時に帰ると、自分勝手な印象を持たれてしまう可能性があります。
「今日は用事があるのでこれで失礼します」など、一声かけるだけでも印象はだいぶ変わります。
定時に帰りにくい雰囲気の職場なら「何か手伝うことはないか」他の社員に声をかけるのも効果的です。
周りを気遣っていることが伝われば自分勝手な印象は持たれないですし、もしその時は残業することになっても印象が良くなり次からは定時で帰りやすくなります。
また、反感を買わないためには周りから信頼されることが大切なので、定時に帰る権利があるからといってあまり強気になりすぎるのも良くありません。
周りにもしっかり気遣いをして、信頼を得た上で気持ちよく定時に帰れるような環境を作ってみましょう。
残業を引き受けたほうがいいケース
派遣社員であっても、残業を引き受けたほうがいいケースがあります。
それは、36協定が締結されていて、契約書にも残業に関する記載がされている場合です。
36協定というのは、企業が従業員に対して法定労働時間を超えた労働を命じる際に必要になるものです。
労働基準法では、1日8時間、1週間で40時間以内の労働しか認められていません。
しかし、業務によってはこれ以上の時間働かなければならないケースもあります。
その時に届出をしなければならないのが36協定です。
36協定を締結すれば、月45時間、年間360時間までの時間外労働が認められます。
派遣の契約をする際、36協定が締結されていて契約書にも時間外労働を行う記載があれば、残業に同意したことになります。
だからといって絶対に残業拒否してはいけないわけではないですが、拒否すると「扱いにくい人」として自分を不利にしてしまう可能性があるので注意してください。
残業に同意して契約したにも関わらず、残業の申し出を断ってばかりいると印象が悪くなり、派遣の契約更新ができなくなるケースもあります。
派遣の契約をする時は、36協定が締結されているか、契約書に時間外労働について何か書かれていないか、しっかりチェックしておくようにしましょう。
派遣契約する時は残業に関する取り決めをしっかり行っておこう!
派遣社員は契約内容によって、残業拒否できるかどうかが変わります。
36協定が締結され残業することが契約内容に記載されていれば、残業も業務命令になります。
その場合、残業を断ると自分が不利になってしまうこともあるので注意が必要です。
残業したくないと考えているなら、派遣契約する時に残業に関する取り決めをしっかり行っておきましょう。