でもこれから看護師を目指して専門学校に行くなんてできないし。。。
何か医療業界未経験でも就業しやすい仕事ってないかな?
派遣やアルバイトでも医療系の仕事ができる職種をご存じでしょうか。
調剤薬局事務は医療事務の一種で、派遣スタッフも多く活躍しています。
医療系の仕事経験がない場合は敷居が高いと感じるかもしれませんが、調剤薬局事務は、安定してやりがいのある仕事です。
ライフスタイルに合わせた働き方がしやすいことから、女性に人気の職種です。
調剤薬局事務の具体的な仕事内容と魅力をご紹介します。
調剤薬局事務とは
調剤薬局事務の仕事は、調剤薬局での事務作業全般です。
医療事務の一種ですが、「医療事務」が主に病院や診療所で診療行為事務をすべて扱うのに対して、「調剤薬局事務」は、薬局で薬に関することのみを扱います。
正社員としての月収は全国平均でおよそ15万円から18万円ほどです。
月収3か月分程度のボーナスを含めての年収は、およそ平均で250万円前後となります。
調剤薬局事務の仕事では、年齢が上がるにつれ給与額もあがることが多くなっている年功序列色の強い仕事の1つです。
一方、パートやアルバイトの場合の平均時給は800円から1000円前後です。
派遣社員の場合は1000円から1700円前後と、給与額には幅があります。
心や高級住宅地界隈では比較的時給が高く、地方や未経験応募可能な案件は比較的時給が低い傾向があります。
調剤薬局事務の具体的な仕事内容
調剤薬局事務の業務は多岐にわたります。
来局した患者の受付対応、処方箋の受付と処理、会計業務、レセプト作成業務が主な業務となります。
調剤補助作業、在庫の発注作業、備品管理をすることもあります。
細かな仕事内容は勤務する薬局によって異なります。
受付業務
来局した患者から処方箋、お薬手帳、保険証を受け取り、処方箋の有効期限や保険証情報の確認などを行います。
患者がお薬手帳を持っていない場合は発行します。お薬手帳に貼るための、薬の情報が記載されたシールの準備や、薬袋の準備も業務のひとつです。
受付業務には電話での問い合わせ対応なども含まれます。
処方箋の入力
患者から受け取った処方箋の内容をパソコン上に入力します。
入力された情報は患者の調剤の記録として保存されるので、正確な入力が必要です。
近年では、処方箋についているバーコードで入力処理ができるなど、効率化も進んできています。
会計業務
患者の加入している保険で決められた割合により、患者の自己負担金額を算出して請求する業務です。
患者からお金を受け取って、領収証を発行します。
レセプトの作成
レセプトとは、調剤報酬の明細書です。
薬の費用と手数料から、患者の自己負担金額を除いた残りの金額が、国民健康保険や保険組合の負担となります。
月に一回、この金額を算出し、レセプトを作成して、該当の健康保険組合に請求します。
薬剤師の補助
薬剤師の監督のもと、調剤の一部作業を補助的に手伝います。
シロップを混ぜる程度の簡単なものに限られますが、必ず薬剤師の指導のもとで行う必要があります。
消費した薬の発注と、発注に関する伝票処理も補助作業のひとつです。
注文した薬が届いたら、内容の確認と点検を行い、所定の場所に入庫します。
また、倉庫の片づけ、清掃などの作業も手伝うことがあります。
調剤薬局事務って未経験でもできるの?
調剤薬局事務には、特別な資格は必要ありません。
無資格者や未経験者可の求人も実際にあります。
研修制度を整えている薬局もあり、仕事をしながら業務を覚えていくこともできます。
専門的な資格が必要になる職種の多い医療業界において、特別な位置づけであると言えるでしょう。
ただし、処方箋の処理やレセプトの作成、また時には薬剤師の補助など、ある程度の専門知識は必要になってきます。
調剤薬局事務に応募したいけれど自信がない、という場合は、資格を取るのも一つの手です。
資格があれば採用担当者へのアピールポイントになりますし、応募できる職場が増えたり、条件のいい職場に採用される可能性もあがります。
調剤薬局事務として働きたい人にお勧めの資格をご紹介します。
なお、今回紹介する資格は下記の5つです。
- 調剤薬局事務検定試験
- 調剤事務管理士技能認定試験
- 調剤報酬請求事務専門士
- 調査委報酬請求事務技能認定試験
- 医療事務技能審査試験
調剤薬局事務検定試験
日本医療事務協会が認定する、調剤報酬事務に関する資格試験です。
自宅受験、会場受験が選べ、試験は毎月実施しています。
マークシート方式の学科試験と、レセプト作成などの実技試験があります。
テキストや資料の持ち込みが可能で、合格率は90%前後です。
調剤事務管理士技能認定試験
株式会社技能認定振興協会(JSMA)が認定する資格です。
在宅受験で、年に6回実施されています。
マークシート方式の学科試験と、レセプト作成などの実技試験があります。
合格率は60%前後です。
調剤報酬請求事務専門士
調剤報酬請求事務専門士検定協会が実施する資格です。
レベル別に1級から3級まであり、1級が最上級、3級が入門レベルです。
試験は年に2回で、マークシート方式の学科試験と、レセプト作成などの実技試験があります。
資格を取得した後にも2年に1度の更新が必要です。
調査委報酬請求事務技能認定試験
日本医療教育財団が認定する資格です。
指定の教育機関でのカリキュラムを修了し、かつ試験に合格しなければなりません。
在宅受験で、毎月の実施があります。
資料の持ち込み可能で、学科試験と、レセプト作成などの実技試験があります。
学科、実技ともに90%以上の得点が必要です。
医療事務技能審査試験
最後に医療事務技能審査試験は日本医療教育財団が認定する資格で今まで紹介してきた調剤薬局事務の資格ではなく医療事務の資格です。
医療事務の資格があり、調剤薬局の実務経験が大きな病院が出している高時給の案件に就業することもできキャリアの選択肢を増やす意味で調剤事務の就業後取得すると良い資格といえます。
調剤薬局事務なら派遣でも
日本中にはたくさんの調剤薬局があります。調剤薬局事務は正社員だけではなく、パート、アルバイト、派遣と雇用形態も様々です。
正社員になりたいけれどなかなか希望条件に合う薬局に採用されない場合や、ある程度の時間は働きたいけれど介護や子育てなどの都合でフルタイムは難しい、資格試験のために最初は仕事時間を調整したい、などの希望がある場合には、派遣登録を検討してみましょう。
『調剤薬局事務とは』の章で説明しましたが、パートやアルバイトの場合の平均時給は800円から1000円前後で、派遣社員の場合は1000円から1700円前後と、給与額において非正規であるならば派遣の方が圧倒的に時給が高く効率よく仕事をすることが可能です。
場合によっては正社員より稼ぐことも難しくありません。
派遣会社が間に入るのでサービス残業など労働者に不利な違法行為も行われる心配もなく安心して働くことが可能です。
更に、転職活動をする時も条件に合った募集の紹介をタイムリーにしてもらえたり、資格を取った後に条件のいい薬局に応募できる可能性が高くなります。
また、調剤薬局事務は全国どこでも仕事があるのが強みの一つです。
いったん離職してブランクがあっても、派遣会社を通じて実績が残っていれば、復職もよりしやすくなります。
調剤薬局事務は未経験から始められる安定した医療系の仕事
調剤薬局事務は、未経験、無資格からでも始められる医療系の仕事です。
勤務形態も様々で、結婚、出産、介護、転勤といったライフスタイルの変化にも適応できるポテンシャルをもつ、安定した職種です。
更に派遣での就業であれば同業種の正社員より安定はしていないかもしれませんが、給料も高く短時間で大きく稼ぐことができ契約が終わっても他の派遣先に安定的に就業することができるので派遣社員として調剤薬局事務の仕事をすることは非常にオススメできる働き方の1つと言えます。
資格を取ったり、経験を積むことで、より希望に近い条件の職場にステップアップしていけるのも大きな魅力の一つと言えそうです。