
派遣社員なの?
大丈夫?
世間的には、派遣社員と聞くと給与や待遇が悪く、かつて行われた「派遣切り」のイメージも強いためかネガティブな印象を持たれがちです。
やはりフルタイムで働くならば正社員以外ありえないと考えている人も多い事でしょう。
ですが、そんなことはもう昔の話です。
現在派遣社員の待遇は徐々に改善されつつあり、あえて派遣社員として働くことを選ぶという考え方を持つ人も増えてきているのです。
そこで今回は、派遣社員という働き方の魅力について徹底的にご紹介します。
終身雇用が崩壊した今、考える働き方とは
近年における日本の経済は非常に不安定で、かつてのように一度就職すれば定年まで同じ会社で働く事ができる終身雇用という考え方も、変化しつつあります。
今現在正社員として、あるいは無期雇用社員として雇用期限のない働き方を選んでいても、会社の業績が悪化すれば、リストラや倒産によって職を失うリスクは覚悟しなければなりませんし、震災、大雨、台風などによる災害や新型コロナウイルスといったイレギュラーな事態がきっかけで倒産を余儀なくされる中小企業も増えています。
近年黒字の大手企業でも40代以上の世代を対象に大量の早期・希望退職者を募っているニュースも話題となっています。
そんな中、注目を集めているのが派遣社員としての働き方です。
終身雇用という考え方が古くなりつつある今、正社員よりも自由な働き方ができる派遣社員として働く人が増えてきています。
かつては、正社員との賃金の差や待遇の違いなどによって敬遠されることもありましたが、政府の推し進める働き方改革により、2020年から正社員と同じ業務をこなす派遣社員に対し、正社員と同じ賃金を支払うべきとする同一労働同一賃金という新たな取組みが始まったこともあり、雇用期間の決められた派遣社員という働き方をポジティブに捉える声も増えつつあります。
未だに終身雇用を意識している企業は年功序列の傾向が強く、終身雇用を約束できもしないのに若い従業員のお給料が非常に低く、逆に都合よく使えるという企業側のイメージから平均時給が上がってきている派遣社員を魅力的に感じている若者も一部で多いのが実情です。
例えば大学新卒の平均年収は200万円~250万円程が一般的でIT技術職でも300万ほどと余程良い大学を出て良い企業にそれなりのポジションとして迎えてもらえなければこれ以上のお給料を稼ぐことができません。
しかし、派遣ならどうでしょう?
例えば日本三大都市圏の平均時給は1704円で年収にすると320万円を超えます。
引用元:ジョブズリサーチセンター
更に派遣の場合は半年から1年程の実務経験のある同業種への案件変更であれば100円〜200円ほどの時給アップは容易な為、計画的に転職を行えば年収360万円を超えるのもそこまで難しくないのが現状です。
当然派遣の場合サービス残業もなく毎日定時で帰宅することを想定してこの金額ですから正社員では一般的な残業時間の毎月15時間ほど残業することがあれば年収は更に10%程上昇することになり年功序列で低い給料しかもらえていない若者にとっては大きなメリットがあるのです。
パートや契約社員ではなく何故、派遣社員なのか
正社員のように会社に直接雇用され、かつ期間の定められていない正規雇用という働き方に対して、アルバイトやパートタイム、契約社員や派遣社員といった雇用形態のことを非正規雇用と呼ぶことがあります。
一見するとこれらの働き方ひとつひとつに対する違いは曖昧で、

と疑問に思う人もいるかもしれません。
ですが、ひとえに非正規雇用といっても、派遣社員として働く事には大きなメリットがあるのです。
派遣社員は、他の非正規雇用の働き方と比較すると賃金が高い傾向にあります。
時給1,000円以下の求人も少なくないパートやアルバイトに比べ、派遣社員は時給1,500円以上、また自身の持っているスキルによって時給3,000円以上の仕事を得ることもできます。
また、派遣社員は専門的な業務に就く事が多く、自身の持っている専門知識やスキルを生かした仕事を集中して行うことができる上、日々の仕事を通じて技能を磨くことができ、将来さらなるキャリアアップを目指すときに役立てることができます。
その他、転職先を探す際も、雇用期間があらかじめ決められている分、そこから逆算してスケジュールを組み、計画的かつスムーズに転職活動を進めることもできます。
スキルを磨けば20代の派遣社員でも年収400万円以上も
派遣社員と聞くと、正社員に比べ給与が低いというイメージが先行しがちですが、資格のない派遣社員でも自身のスキル次第では正社員よりも多くの給与を得ることは十分に可能です。
派遣社員なので当然学歴は収入に結び付かず経験とスキルだけでそれなりの所得をえられるというのは大きなメリットと言えます。
ここでは、派遣社員でも高収入を狙える職業を4つ紹介します。
今回紹介する職業はこちら↓
- システムエンジニア
- ウェブデザイナー
- ヘルプデスク
- 英文事務
システムエンジニア
IT社会において最も重要な作業を担っているといってもいいのがシステムエンジニアという職業です。
クライアントの要望を聞きながらそれに答えられるシステムの設計図を作り、プログラマーとともにシステムを作り上げるというのが主な仕事です。
それ以外にも予算管理や納品までのスケジュール管理など、細かな業務もこなさなければならない大変な仕事ですが、システムエンジニアは今後さらなる活躍が期待されており、社会の需要の高まりとともに給与アップが期待できる職業の一つです。
ウェブデザイナー
ウェブデザイナーはその名の通り、さまざまな用途で使われるウェブサイトをデザインする仕事です。
どうすればストレスなく求めている情報にたどり着けるか、どうすれば購買意欲をかき立てられるか、などウェブサイトを使う側の目線を意識しながらデザインを考え、その上でプログラマーなどとともにウェブサイトを作り上げます。
近年では店舗だけでなくインターネット上で商品を販売しさらなる顧客を確保しようとする企業の動きも相まって、ECサイトの作成などを中心に需要が高まっています。
ヘルプデスク
ヘルプデスクとは、顧客や社員から寄せられた商品(主にパソコン)に関する問い合わせに対応する仕事です。
ヘルプデスクと聞いてすぐに思い浮かぶのは、顧客からのクレームの対応をするコールセンターでの業務かもしれませんが、ヘルプデスクでは、そういった社外への対応だけではなく、企業の中で働く社員から寄せられた問い合わせに答えたり、社員たちがスムーズに業務を進められるようパソコンの設置や、使用する際のマニュアルの作成、作業効率を上げるための新たなシステムの導入なども行います。
顧客への対応を行う業務を「社外ヘルプデスク」、社員への対応を行う業務を「社内ヘルプ」と分けて呼ぶのが一般的です。
この業務を行うにはやはりある程度の専門知識や経験が必要となってくるため、給与も高くなる傾向にあります。
英文事務
英文事務は、英語を使った事務作業一般(電話やメール対応、書類の作成、翻訳や通訳)のことを指します。
海外の企業と仕事をする上で欠かせない業務な上、一般的な英語の知識だけではなく、ビジネスに精通した幅広い知識が必要となるため、高い英語のスキルを活かしたいと考えている人には魅力的な職業ではないでしょうか。
英語を話せる人が少ない日本において英語ができるというのは事情に重要なスキルです。
正社員で年功序列の会社に入ってしまえばこういったスキルに対する評価は給料に反映させませんが、派遣社員であればこういったスキルも給料へダイレクトに影響を与える為非常に嬉しいですよね。
これからの時代ライフワークバランスも気にしよう
一昔前まで、給与が低く待遇も良くない派遣社員という働き方は、世間からあまり支持されていませんでした。
しかし、日本経済を不安定さや働き方の多様化が進んだ近年では、派遣社員のイメージも良くなりつつあります。
正社員とは違い、企業に直接雇用されていないため長時間労働やサービス残業などする必要がない事や、派遣社員だからこそできる時短労働などによって、仕事ばかりに追われないライフスタイルを選びたいと考える人に支持されることも多くなりました。
また高齢化社会により働き手が減った今、働き方改革を筆頭に労働者の声を積極的に聞き改善を図る動きも徐々に強まっており、賃金格差やパワハラやセクハラといった社員への対応もかつてよりスピーディーに対応されるようになっているなど、労働環境も良い方向に変化してきています。
仕事と生活、そのどちらも尊重した生き方が求められる現代で、派遣社員という働き方は今後も広まっていくことになるのではないでしょうか。
派遣という働き方
かつては、一度就職すれば定年まで安定して働くことができた日本ですが、経済が不安定になり企業の倒産やリストラなどが相次ぐ現代では終身雇用という考え方は、過去のものになりつつあります。
安定した雇用が望めないなかで、どのように働いて、どのように暮らしていきたいかを考えなくてはいけません。
何が一番今の自分にとってメリットがあるのか様々な働き方について知って、自分でその判断をする必要があります。
今回紹介した派遣社員という働き方はその様々な働き方の1つとして新たな選択肢の一つとなるのではないでしょうか。