女性に人気の仕事だと言われている医療事務ですが、興味があっても専門知識や資格が必要だと思って諦めてしまう人もいるのではないでしょうか。
実は医療事務は医療関係の職業としては珍しく、必須の資格はありません。
未経験でもチャレンジでき、時給も高い傾向にあり安定して就業することができる為キャリアチェンジにもおすすめのお仕事です。
この記事では医療事務の仕事内容や、あれば有利に働く資格について紹介します。
医療事務は病院の事務や経理担当!給与はどれくらい?
医療事務の仕事は簡単にまとめると、病院で医療関係の事務や経理を行う仕事です。
けがや病気で病院に行ったときに最初に受付をしますが、受付業務も医療事務が担っています。
パソコンに向かって一日中仕事をするのではなく、病院を訪れた患者さんを案内したり、質問に答えたりとコミュニケーション能力も求められる仕事です。
ではそんな医療事務の給与はどのくらいなのでしょうか。
勤務地によって異なりますが、医療事務で働く人の平均年収は250~350万円になります。
一般的には、規模の大きな病院や大学病院のほうが給与は高くなる傾向にあります。
さらに、正職員なのか、パートやアルバイトなのかという勤務形態によっても給与は変わります。
正社員の場合は月給15万4千円~23万円程度ですが、派遣だと時給1,000~1,800円でフルタイムの月収だと16万円〜28万円、パートになると時給900~1,400円程度でフルタイムの月収だと14万円〜22万円が相場となります。
給与だけで考えると医療事務の中では派遣社員が一番待遇の良い仕事と言えます。
医療事務の主な仕事内容を紹介
医療事務の仕事内容は、主に
- レセプト業務
- 受付・会計業務
- クラーク業務
の3つを挙げることができます。それぞれどんな業務なのか具体的に紹介します。
医療事務で最も重要なレセプト業務
医療事務は、医師が作成したカルテを元に医療保健制度に従って医療費を計算し、患者と保険者(国民健康保険団体連合会や社会保険診療報酬支払基金)に請求します。
その時に作成する明細書をレセプトといい、保険者への請求をレセプト業務といいます。
病院やクリニックの収入のほとんどは、医療事務が期限内に正確にレセプト業務を行うことで得られています。
レセプト業務を通じて、医療機関の経営が健全に行われるようサポートするのも医療事務の重要な仕事です。
病院の印象を決める受付・会計業務
医療事務は病院やクリニックの受付も行います。
主な受付業務は保険証や診察券の確認と、保険証や問診票の内容を医事コンピュータに入力してカルテを準備することです。
診察室への案内も行います。最初に患者さんを迎える医療事務は、病院の印象を決める顔とも言える役割を担っていると言えるでしょう。
患者が診察を終えたら、会計も医療事務が担います。
カルテの内容を医事コンピュータに入力すると、必要な費用が計算されます。
その後医療保険制度に従って、患者に請求する医療費と保険者への請求額をそれぞれ計算して会計を行い、その後次回の診察予約の手続きや、処方箋を渡して薬局の案内をすることもあります。
大規模な病院で医療スタッフと患者の架け橋になるクラーク業務
クラーク業務は大規模な病院で、医師や看護師と患者の架け橋になるとても重要な業務です。
主に病棟クラークと外来クラークに分かれており、他の医療スタッフや患者とコミュニケーションを取りながら円滑な診療ができるよう手助けします。
まず病棟クラークは、ナースステーションや事務室で入院患者の食事やカルテ、検査伝票の管理を行います。
入退院時は書類手続きや、説明を行うことも。
さらに手術や検査のスケジュール管理といった、医師や看護師の秘書的な役割も担います。
外来クラークは、診療科が複数ある大規模病院で活躍します。初診・再診の受付ではなく、診療科ごとの受付を担当します。
カルテの準備や診察室、検査室への案内、次回の診察予約の手続きまで医療事務が行います。
医療事務は未経験でもできる!就職に有利なおすすめ資格4つ
医療事務の仕事は、高い専門性が求められる仕事ではありますが、採用時に経験や資格は問われません。
なので、未経験で資格がなくてもチャレンジできる仕事です。
特に、業務上様々な患者とコミュニケーションを取る必要があることから、接客・販売業の経験者を歓迎している病院も多くあります。
ただ、医療事務は人気の職種。
確実に医療事務になるために、他の求職者と差をつけたいなら資格を取っておくのがおすすめです。
何より求職者自身が

と思うものです。
そこで今回は医療事務の仕事に活かせるおすすめの資格を4つ紹介します。
- 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
- 医療事務管理士技能認定試験
- 診療報酬請求事務能力認定試験
- 医療事務認定実務者
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
医療事務技能審査試験は、受験者が多く医療事務資格の中でも最もメジャーな資格で40年もの長い歴史を持っています。
試験では、診療報酬請求事務業務や窓口業務といった、医療事務として求められる能力が備わっているかがチェックされます。
合格者は「メディカルクラーク」の称号が与えられ、病院業務における事務能力の高さの証明になります。
医療事務管理士技能認定試験
医療事務管理士技能認定試験は「技能認定振興協会(JSMA)」が実施する、日本で最初の医療事務の資格として知られています。
試験には医科・歯科の2つの試験があり、試験ではそれぞれ保険制度に関する知識や医療費の算定・請求に関する知識、事務処理能力が審査されます。
診療報酬請求事務能力認定試験
診療報酬請求事務能力認定試験は、平成6年に厚生労働省が唯一認定した資格試験で、診療報酬請求事務に携わる人材の資質の向上を図るための試験です。
合格率およそ3割とかなり難関な試験で、医療事務の資格として最高峰とされています。
この資格に合格すれば、就職に有利なだけではなく、未経験でも経験者と同じ待遇で仕事ができたり、資格給が与えられることもあります。
医療事務認定実務者
全国医療福祉教育協会が主催している医療事務認定実務者試験は、2016年に始まったばかりの新しい資格試験です。
始まってから2年後の2018年には受験者が15,000人を超え、注目を集めている資格といえます。
試験内容は接遇やマナー、医療機関における制度など医療事務に必要な知識が幅広く出題されます。
実技試験では、レセプト作成についても出題されるので、合格すればレセプト作成の知識や技能がしっかりと身につきますよ。
未経験で派遣で医療事務に挑戦するメリット4つ
医療事務にチャレンジしたいけど、結婚や出産を経てフルタイムで働くのは難しいという人や、正社員の医療事務の面接に行っても、未経験でなかなか受からない人も少なくありません。
そんな場合は、派遣社員として医療事務にチャレンジするのがおすすめです。
派遣社員として医療事務の仕事を始める4つのメリットをお伝えします。
派遣社員なら残業や休日出勤なしで医療事務になれる
正社員の場合、レセプト業務の締め切り前は残業や休日出勤も多くあります。
でも、派遣社員の場合は勤務時間を含めた就労条件が選べるので、自分の都合の良い時間まで仕事をして残業もなく帰ることができます。
もちろん休日出勤のない職場を選べば、お休みの日も気兼ねなく休めますよ。
また、正社員は部署の異動がありますが、派遣社員の場合異動はありません。
異動がないということは、仕事内容も変わらないので安心して仕事をすることができます。
自分に合った職場で働ける
勤務形態や勤務地そして給与について、自分で求人を探すと希望に合う職場はなかなか見つかりませんよね。
でも派遣なら派遣会社に自分の希望をしっかり伝えておけば、条件に合った病院やクリニックを探してくれます。
特に給与については、パートで時給900~1,400円というところ、派遣社員だと時給1,000~1,700円と有利です。
短時間でパートとして働くなら、同じ時間を派遣社員として働いた方が稼げます。
また、派遣会社は人材と派遣先の相性を大切にしているので、もしも派遣先が合わなかったとしても柔軟に対処してくれます。
大きな派遣会社に登録していれば、その分複数の病院が派遣先として契約しているので、本当に自分に合った職場を見つけることもできます。
派遣社員として働くことで医療事務の経験を積める
派遣社員として医療事務の仕事をすれば、もし短期間だったとしても「未経験」ではなくなります。
次に就職活動をする際に、経験者優遇の求人について未経験者よりも好条件で応募することが可能です。
また、派遣期間が終了しても次の派遣先を紹介してもらえるので、様々な病院で幅広い経験が積めるのもメリットです。
紹介予定派遣なら将来的に正社員として働ける可能性も
紹介予定派遣とは、派遣社員として一定期間勤務した後、いずれ直接雇用として雇用される前提で勤務する雇用形態です。
この場合、最長6ヶ月は派遣社員として病院で医療事務の仕事に従事します。
その後、病院と派遣社員双方の意思確認をして、正社員になります。
もしも自分に合う職場があれば、いつか正社員で働きたいと考えている人におすすめです。
未経験でも医療事務に挑戦しよう!派遣なら条件に合う職場で経験も積める
医療事務は未経験でも挑戦できるやりがいのある仕事です。
実際に他業種での経験を活かして、医療事務に転職した人は多くいます。
とはいえ、医療事務は人気の職業。
他の求職者に差をつけたいなら医療事務に関連する資格を取っておくのも一つの手です。
また派遣社員として自分に合った職場で医療事務の経験を積むのもおすすめです。
憧れの医療事務として充実した毎日を過ごしましょう。