いざ転職しようと思った時にもっとも気になるのが『いつ次の仕事に就けるのか』という問題でしょう。
転職に躊躇う理由はいくつかありますが、その中でもよく上がるのが
- 無職中の生活費に対する不安
- 次の仕事がいつ来るのかという不安
の2つであることからも無職の期間が長くなることを不安に思うのは仕方のないことでしょう。
この記事ではエン派遣さんが実施した『仕事の探し方(2020年5月調査)』を元に他の人が派遣の転職にどのぐらいの時間をかけているのか、どうやって転職活動をしたのか、反省点はどのように感じていたのかを参考に転職について考察していきます。
転職者はどのぐらいの時間で転職するつもりでいるのか
さて派遣の転職活動をしている人は実際にどのくらいの時間を使っているのでしょうか?
今回エン派遣さんが実施したアンケートでは1日にトータルで何時間転職活動をしているのか、転職期間はどのくらいを想定しているのかという質問がありその結果は下記のようになったそうです。
引用元:エン派遣
その結果、1日のトータル時間が30分〜1時間で転職期間は1ヶ月ほどという最も多い回答となったようです。
次点が1日15分〜30分で転職期間は2週間という人が多い結果となっていました。
やはり派遣社員の転職活動は比較的短い傾向にあるようです。
派遣社員として転職活動する場合、基本的には下記のような形で転職活動を行います。
- 派遣会社へ登録する
- 担当者から案件の提案を受ける
- 派遣会社の求人サイトで気になった案件を問い合わせる
派遣会社は派遣スタッフに働いてもらって初めて利益を得ることができ、長く勤めて貰えればそれだけ安定した収益を上げる事ができるので、あなたの希望に沿った案件を積極的に提案してくれるため、余りこちらから積極的に転職活動をしなくてもそれなりの案件に出会う事が可能です。
基本的には数社派遣会社に登録して1日30分から1時間程度片手間で求人情報を探しつつ、後は担当者から良い案件の提案を受けるという転職活動が一般的なためここまで短時間で転職活動ができるのだろうと推測できます。
どうすれば短期間で理想の求人に出会うことができるのか
さてここまでのアンケート結果で派遣社員の転職期間は2週間から1ヶ月ほどと想定している人が半分以上いるという事がわかりましたが、ここからさらに転職期間を縮めるにはどのようにしたら良いでしょうか?
エン派遣さんの『派遣のお仕事を探す際のコツは何だと思いますか?』というアンケートに対する結果が以下です。
引用元:エン派遣
このアンケート結果はあくまで『派遣で仕事を探す際のコツ』なので必ずしも転職期間を短縮させる為の項目ではありませんが、実はこの中にも転職活動を短縮させる為のコツが含まれていました。
それが
- 希望条件を明確にする
- 良いお仕事があればすぐに応募する
- 複数の派遣会社に登録して選択肢を増やす
- マイプロフィールの充実で書類選考に通りやすくする
の4つです。
何も意識しないで転職活動をするよりこの4つの項目を意識することで転職期間を短くする事も不可能ではありません。
希望条件を明確にする
まずは希望条件を明確にするために自分がどんな条件で働きたいかどこかに書き出してみましょう。
一般的に気にされる項目は以下のようなものがあります。
- 時給
- 時短勤務は可能か?フルタイムか
- 勤務期間
- 勤務場所
- 職種
- 服装
- 派遣先企業のネームバリュー
当然これは一般的に転職時に気にされる事の多い項目というだけでこれ以外にも例えば通勤時間や業務で身につくスキルなど気にされる方もいるためここに書いてある項目だけではなく自分の素直な希望を書き出してみてください。
ただし全ての希望を叶えるのは非常に難しいため、絶対に外せない項目だけに絞って要件出しをすることをお勧めします。
その次にあったら嬉しいなという項目をサブとして準備しておき、派遣会社には絶対に外せない項目だけを伝えて案件を探してもらうようにしましょう。
派遣会社は大きいところだと数千〜1万件以上の案件を扱っており派遣スタッフさんの希望が明確になっていないとどの仕事を紹介すれば良いかわからずあなたの希望に沿った案件を紹介できなかったり、最悪案件の提案を後回しにされてしまうこともあるため可能な限り明確な希望を担当者には伝える必要があります。
派遣会社があなたにあった案件を短時間で的確に多く提案する事ができればあなたの転職活動も捗る事間違いなしです。
良いお仕事があればすぐに応募する
お仕事との出会いは一期一会な事が多々あります。
複数人募集している案件もあれば一人しかスタッフを募集していない案件もあります。
少しでも気になるという案件があればひとまず応募してしまいましょう。
安心してください、応募したと言っても社内選考が通っても強制的に派遣されるわけではありませんし職場見学をしてから働くかどうかの返事をすることも可能です。
当然社内選考が通過したのを蹴ってもお金がかかることもありません。
応募をしたところであなたに一切のデメリットはありませんからとにかく良い仕事があったら迷わず応募しましょう。
例え仕事を探している派遣会社以外の求人だったとしても気になったのなら直ぐに応募してしまう事が大切です。
尚、エン派遣さんのアンケートには『うまく進まなかった/進んでいない理由を教えてください。』というものもありそのアンケート結果は以下のようになっていました。
引用元:エン派遣
実は『採用に至らなかった』と答えた人は32%で申し込みをしていれば3人に2人は通過する計算になります。
申し込んでしまえば社内選考を通過する確率としては非常に高い数字となっているので採用にならなかった時のことは考えず、まずは気になった案件を片っ端から応募していき母数を増やすことも転職期間を縮めるため有効な手段と言えます。
複数の派遣会社に登録して選択肢を増やす
これは『良いお仕事があればすぐに応募する』に通ずるところがありますが、転職活動ではとにかく母数を増やす事が重要です。
しかし、基本的に派遣会社にはそれぞれ得意な業界があったり担当者さんにも提案する時の癖や特徴があります。
より多くの会社に登録する事でそう言った派遣会社の得意分野や担当者の癖に影響される事なく案件の提案を受ける事ができます。
何より登録している派遣会社の数を増やすということは自分の為に案件を探してくれる担当者を増やすということです。
自分の為に動いてくれる人が増えればその分楽に、そして早く転職活動をする事が可能となります。
マイプロフィールの充実で書類選考に通りやすくする
派遣会社の担当者が案件の提案をする際に求職者の希望の物を探すのは勿論ですが、求職者のスキルや経歴を見て
希望の業種とは違うけどなかなか条件良いし提案してみよう!
というような形で経歴や人柄を見て仕事の提案をしてくれる事も多々あります。
そう言った場合提案される案件は貴方が考えていなかったが意外といい出会いとなる案件な場合があります。
そう言ったいい意味で想定していなかった提案を貰う為には担当者さんに選択肢を与えてあげる必要がありその為に貴方のプロフィールや職務経歴書の充実具合は非常に重要な役割を果たします。
少しめんどくさいですが、複数の派遣会社で使いまわす事もできるので派遣会社のプロフィールや提出する職務経歴書は可能な限り充実させたものにすると思わぬ出会いが待っているなんて事もあって意外と転職活動が早く終わってしまう事もあるかもしれません。
仕事探しをするには条件にあった探し方をする必要がある
さてここまではエン派遣さんのアンケート結果を元に転職について解説してきましたが、この章では筆者がオススメとするお仕事の探し方を紹介しましょう。
筆者のオススメとする転職方法はズバリ『公開されている市場情報から転職する業界を絞り込む』というやり方です。
どの様に行うかというと、まず自分が転職活動をするにおいて何が重要なのかを明確にします。
そしてその条件を満たせる業界をインターネット上に公開されている資料から探し出すのです。
例えば貴方の転職における重要な要素がお給料だった場合、エン派遣の様な求人情報サイトや厚生労働省が公開している調査結果から自分の求めている賃金以上の平均賃金をしている業界に絞って求人の応募をしたり、その業界専門の派遣会社へ片っ端から登録していきます。
今貴方の見ているこのサイトにも過去に平均時給の高い業界について紹介している記事があるのでこう言った記事を参考にするのも良いでしょう。
また、お給料以外にも調べることは可能です。
もし貴方の転職時に求める重要な要素が転職期間の短縮化だった場合はどうでしょう?
この場合も同じで厚生労働省や各種転職情報サイトや転職メディアに記載されている有効求人倍率などを参考にして人を多く欲している業界に絞って転職活動をします。
この様に貴方の求める要素からインターネットを駆使して市場動向を調査し転職活動する事でより確実に貴方の希望を満たした転職に近づく事ができる事でしょう。
条件の明確化で例えば多少給料を犠牲にしても早く就職したいというのであれば有効求人倍率の高くスキルが必要のない業界から探したり、給料が高い方がいいのであれば平均時給業界で仕事を探す必要がある。
正社員の転職活動はもっと大変
さてここまで派遣の転職活動に関して、転職情報掲載サイトのエン派遣さんのアンケートを参考に特に転職期間などにフォーカスしてご紹介してきました。
この記事を見た人の中には転職にかける1日の時間が1時間以下で転職期間が2週間から1ヶ月程というのは短くて驚いたという方もいるかもしれません。
それもそのはずで実は正社員の転職をする際はさらに時間がかかるのが一般的です。
正社員転職の場合最低でも3ヶ月から6ヶ月は掛かるのが一般的で、更に基本的には転職者側が積極的に応募をする形で転職活動をするのが未だ主流のため、お仕事の提案をしてくれる派遣会社の担当者の存在は転職活動をする上で非常に重要と言えます。
しかし、
派遣って非正規でしょ?
フルタイムで働くなら正社員じゃなきゃ意味ないじゃん!
とお考えの人も少なくないのも事実です。
しかし、終身雇用が崩壊し契約期間のない雇用の意味は薄れつつあり、同一労働同一賃金により正規と非正規の待遇差は日々埋まってきていますし現在の非正規労働者の数を考えると今後もこの傾向は続くと予想されます。
更に新卒一括採用を行い正社員として長期的に教育していき務めた年月に応じてお給料を上げていくやり方では企業が負債を多く抱え込まなくてはいけなくなってしまい現代社会に向いていないというのは周知の事実となってきており今後こう言った雇用はどんどん減っていく傾向にあるでしょう。
当然先のことはわかりませんが、もしかしたら未来の日本では雇用契約による違いは殆どないなんて事も十分にありえるのかもしれません。
大手の正社員としてそれなりのポジションについて働ければそれが一番良いのですが、そう言った人はほんの一握りなのが現実問題です。
是非、非正規だからという理由で初めから選択肢から除外するのではなく条件に応じて派遣という働き方もご自身の選択肢に入れて頂ければ幸いです。