派遣先の上司にセクハラをされたとしたら、どうしたら良いのでしょうか。

たとえば、性的な質問をされたり、強引に食事に誘われたりした時には、嫌だと訴えた方が良いのでしょうか。
それとも、黙って耐えるべきでしょうか。

そこで、派遣先で上司からセクハラやパワハラなど、なにかしらのトラブルに遭ったときの対処法について解説します。

弱い立場の派遣社員だからこそ色々なトラブルもある


派遣社員がセクハラやパワハラを受けやすい理由は、その雇用形態にあります。

社外から派遣されてきているというイメージが強いため、派遣先の上司は、いつでも派遣社員の契約を切ることができるという気持ちから、派遣社員を軽視する傾向にあるのです。

そして、派遣社員の方も、その立場の弱さから、上司からセクハラやパワハラをされても抗議ができない心理状態になりやすい傾向にあります。

年齢的に若い女性は、異性関係を聞かれたり、卑猥な言葉を言われるなどしてセクハラの被害に遭いやすかったり、ミスをする度に、契約を切ると脅されるなど、パワハラを受けることもあるようです。

また、セクハラ以外では仕事を教えてもらえないというのも、派遣社員が遭いやすいトラブルです。

上司や社員からすると短期間しかいないイメージが強く、仕事を教える時間すらもったいないと考えている人もいます。

派遣社員がコミュニケーションをとろうとしても、あからさまに無視をするなど、精神的に追い詰められる人も中にはいるようです。

理不尽ですが今の職場で穏便に仕事を続けたいなら無視がベスト

なんで被害者の自分が我慢しなくちゃいけないの?
そんなのおかしい!!!

きっとこのように感じている人がたくさん居る事でしょう。

それは当たり前の感情ですし、ごもっともなご意見です。

ですが、解決したいと考えても、直接派遣先の上司や社員に文句を言うことが、なかなかできません。

法的に訴えることも、できれば避けたいところです。

法的に訴えれば、解決することができるかもしれませんが、物事が大きくなればなるほど立場が弱くなってしまい、派遣先を辞めなくてはいけない雰囲気になってしまうこともあります。

派遣を切られることを避けるためには、多少のセクハラやパワハラは我慢するしかありません。
たとえ理不尽だと感じても、その言動にいちいち反応を示さず無視をすることも大切です。

何を言っても反応を示さなければ、相手が飽きてしまうかもしれませんし、次第にセクハラやパワハラに関する発言が気にならなくなる可能性もあります。

もしあなたが今の派遣先で働き続けたい場合の派遣先での理不尽なトラブルに対しては、理不尽ではありますがグッと我慢をすることがベストになっているのが現状でもあります。

決してあなたは悪くありませんが、問題を解決したいと思うなら仕事を辞めるという方法もあるでしょう。

派遣元担当者でも中々解決できない実情


派遣先で、セクハラやパワハラを受けた場合、派遣元の担当者に相談するという人もいます。

多くの派遣会社の規定にもハラスメントを受けたら派遣元の担当者に相談するようにと明記されているでしょうから。

ですが、相談したからといって、必ずしもトラブルが解決できるわけではありません。

なぜなら、派遣元は派遣先の会社に対して、強く出ることができない実情があるからなのです。

派遣業の仕組みを知ると、なぜ強く出られないのかがわかります。
派遣元は、派遣先の企業と派遣契約を結ぶことで仕事を得ています。つまり、派遣元にとっては、大切なお客様でもあるのです。

派遣社員がセクハラやパワハラを受けたと訴えたときに、派遣元はまず契約先との関係悪化を懸念します。

そのため、派遣先の会社でセクハラやパワハラなどトラブルがあったと訴えられても、派遣先へ強く抗議したりすることができないのです。

また、派遣先でのトラブルは、派遣元にとっては風評被害になる可能性もあります。そうなることを恐れて、あえて取り扱わない可能性もあります。

しかし、昨今は深刻な人手不足が問題にもなっており、『派遣元』、『派遣先』、『労働者』間のパワーバランスが崩れつつあるのも事実で、それなりに大きい派遣会社であれば労働者保護を最優先にしてくれる会社もありますが、担当者によって対応も疎らになる事もあり、労働者の重要性が見直されている今の時代であっても確実に派遣元が解決してくれると言い切れないという現実もあります。

無理だと思ったら我慢せず辞めてしまおう


あまりにも理不尽なセクハラやパワハラなどを受け、仕事を続けることが難しいと感じたら、無理をせずに派遣元を辞めるという方法もあります。

この場合、まずは担当者に退職する前提で、これまでにあったセクハラやパワハラについて相談するといいでしょう。

このときに、担当者がすぐに納得してくれれば問題はありません。

ですが、無理に引き留めようとしてきた場合には、退職することが難しくなる可能性があります。

引き留められたときのことも考えて、事前に派遣先でされたセクハラやパワハラの証拠を集めておくようにすることが大切です。

このときに証拠となるのは、音声の録音や動画、またはメールです。

また、セクハラをされたときの日記やメモなども証拠になるので、すべて集めておくことも大切です。

更に、退職代行サービスを利用するという方法もあります。

退職代行サービスとは、本人に代わり代行業者が、会社に退職の意思を伝えてくれるサービスで、利用することで、即日に退職することも可能になります。

無理に引き留めようとした場合には、頼んでみるのもいい方法です。

退職を決意したら準備しておきたい事


セクハラやパワハラなどといったトラブルから、派遣会社を退職する決意をしたときには、スムーズに退職するためにも、事前に準備することも大切です。

ここでは、派遣を退職する時に必要なものや、退職後にハローワークで必要になる物について解説します。

事前に知っておくことで、退職するときに慌てることがありません。

まずは、退職するときに準備しておきたいことについて解説します。

退職する前に準備しておきたいのは主に8つあります。

  • 契約更新の約一ヶ月前に派遣元へ連絡
  • 業務の引き継ぎ
  • 貸与物の返却
  • 派遣先への挨拶
  • 離職票
  • 雇用保険被保険者証
  • 身元確認書類、個人番号確認書類
  • 通帳・キャッシュカード

契約更新の約一ヶ月前に派遣元へ連絡

派遣社員が退職を決めたときには、契約更新の約一ヶ月前には退職する意思を派遣元へ伝えるようにしましょう。

その一ヶ月の間に、派遣元は派遣先と打ち合わせをして、代わりの社員を探しておくのです。

契約更新前を選ぶ事で、派遣元にも派遣先にも迷惑をかけることはありません。

ただ、明らかに派遣先に過失(上記で説明していたセクハラやパワハラ)がある場合はこの限りではありません。

担当者にすぐに辞めたいと伝え最短の退職日を設定してもらいましょう。

業務の引き継ぎ

新しい派遣社員が決まったときに、引き継ぎの準備をしておきましょう。

退職する直前まで携わっていた仕事がないかをチェックして、伝え忘れがないかどうかを確認します。

貸与物の返却

退職する前に、会社から借りている制服や社員証、または健康保険被保険者証などを会社へ返却について確認しておきましょう。

そして、退職する日はなにかと忙しくなる可能性があるので、ロッカーや机の中を整理して、できるだけ荷物にならないようにしておきます。

派遣先への挨拶

退職する意思は、派遣元へ伝えれば済むのですが、やはり派遣先への挨拶も行っておく事を心がけましょう。

お世話になった人や、親しかった人にお礼の言葉を述べることは、社会人としてのマナーです。

もし、直接会う事が難しいときには、メールでもいいので、必ず伝えるようにします。

離職票

退職したときに、会社からハローワークへと発行してもらう書類です。
失業保険の手当てのときなどに必要になります。

発行されるまでには一定の時間を必要とするので、退職のときに会社に確認しておくようにしましょう。

雇用保険被保険者証

退職時に交付されるものになります。

紛失したときには、すぐに申し出ることが大切です。

身元確認書類、個人番号確認書類

身元を証明する事ができる運転免許証や被保険者証、年金手帳などと、マイナンバーカードが必要になります。

マイナンバーカードが無い場合はマイナンバー通知カードでも代用が可能です。

通帳・キャッシュカード

失業保険の振り込みを行うときに使います。

ネットバンクなど通帳が無い銀行を使われている場合はキャッシュカードだけで大丈夫です。

派遣先でセクハラやパワハラを受けたら


派遣先で、上司からセクハラやパワハラを受けたというときには、我慢はせずに信頼できる人に相談してみることも大切です。

もしも我慢できないときには、セクハラやパワハラを立証することができるように、音声テープやメールなど証拠となる物を集めておくといいでしょう。

セクハラやパワハラは、法律的にも許されるものではなく我慢をすることはないのです。