派遣労働に従事する人が抱える問題として契約更新があります。

派遣労働は基本的に一定期間ごとに契約を更新する仕組みですが、必ずしも更新されるとは限りません。

派遣社員は、派遣会社や契約先の会社の都合で、更新不可になってしまう可能性もあるのです。

派遣の契約更新ができない場合の注意点や転職のコツについて考えてみましょう。

派遣社員の雇い止めは派遣先の会社の自由裁量


派遣社員として働く人に起こるトラブルとして契約更新の拒否があります。

俗に雇い止めと呼ばれる処置で、契約期間が満了してもその後の更新が行われない状態です。

尚、これは契約期間中に一方的に契約が切られたというものではないので違法ではありません。

派遣社員にとって雇い止めは生活に直結する重大な問題であり、派遣会社や契約先の会社に契約更新を求めるケースも少なくありません。

しかし、派遣社員の申し出が受け入れられることは非常に稀であり、ほぼ実現不可能と言っても過言ではありません。

これは雇い止めに違法性がなく、派遣会社と派遣先の会社との間の契約内容に則った行為であるためです。

契約期間中の解雇は当事者の重大な過失などの理由が必要ですが、契約期間満了後の扱いについては規制がありません。

派遣労働は派遣会社に登録した社員を契約先の会社で働かせるシステムです。必要な労働力を一定期間貸与する形であり、契約更新の有無はあくまでも派遣会社と派遣先の会社の都合で決まります。

特に派遣先の会社は労働力が不要になったらそれ以降の契約更新を行う義務はありません。

繁忙期の人手不足を補う目的で派遣会社と契約を結び、派遣会社もその条件を受け入れて人員を提供しているためです。

この契約において労働の当事者である派遣社員には何ら発言権はなく、雇い止めの状態になってもそれを拒否することはできません。

雇い止めが判明する時期と対処法について


雇い止めが明らかになる時期は会社によって異なるため派遣社員の契約更新の有無が判明する時期は一概には断言できません。

特に雇い止めについては派遣先の会社の都合が優先される事柄なので、派遣社員が正確な時期を判断するのは少々難しいです。

しかしある程度の規模がある派遣会社であれば1ヵ月前から更新の確認を行う会社が一般的で、規模の小さい会社であっても契約期間が満了する直前になって雇い止めを行うケースは非常に稀であり、多くの会社では1ヵ月ほど前から情報を提示します。

どんなに遅くても二週間ほど前には契約更新の有無が判明することが多く契約期間の満了日が近づいたら派遣会社に確認するのが確実な方法です。

だた、満了日が近ずいても派遣会社から更新に関する話が来ないような労働者に不利な派遣会社はあまりオススメできず契約更新の有無がわかるのがあまりにも遅いようなら1ヵ月前には開示するような派遣会社へ移ってしまってもいいと思います。

他の派遣会社に登録するか転職先を探すのが賢明

雇い止めになることが判明した場合、長く働くことを希望するなら速やかに他の派遣会社に登録するか、あるいは転職先を探すのが正しい対処法です。

契約期間が満了しても、その派遣会社が即座に次の仕事を紹介してくれるとは限りません。

また、日時や給料などの条件が合わない可能性があるので、納得して働くためにも選択肢を増やすのは必然と言えます。

他の派遣会社に登録する場合、現在登録している派遣会社とは得意分野が異なる会社にも積極的に登録を行うのが好条件の仕事を見つけるコツです。

当然現在と同じ業種の派遣先を探して今までの実務経験を生かし時給単価を上げ、他の派遣会社で提示されている金額を今の派遣会社にも持ち込み時給の交渉に使う方法も取れますし、未知の分野の仕事でも自分に向いている仕事に出会える可能性があるので、未経験でもためらわずに登録しておきましょう。

契約更新を拒否された場合の注意点

契約が打ち切られることも決まってやる気もでないし、バックれちゃおっかな。。。

自分が雇い止めの対象になり、不満を覚えたとしても仕事を無断で休んではいけません。

自分では不当な扱いに対する抗議のつもりでも、派遣先や派遣元からしたらただの迷惑行為に過ぎません。

仕事をサボるのは雇用契約を一方的に破る行為であり、社会的な信用を大きく失墜させる原因にもなります。

雇い止めに不満を抱いたとしても仕事をサボるのは自分自身の評判を下げるだけなので、なぜ自分が雇い止めの対象になったのか、雇用契約が満了したらすぐに他の仕事が紹介されるのかなどを確認するのが賢明な対処法です。

特に他の仕事の紹介については自分自身の生活がかかっているので決して後回しにしてはいけません。

悪評は複数の派遣会社や派遣先の会社に伝わる可能性もないとは言えない

仕事をサボるのは登録している派遣会社だけではなく、派遣先の会社にも多大な迷惑をかけます。

また、派遣会社は同業者同士の強いつながりがあるわけではありませんが、派遣先などから悪評が広まらないと断言することはできません。

雇用契約を守らずに仕事をサボる悪質な労働者という悪評が広まると、田舎であればその地域で働くことや派遣社員として登録することが非常に困難になる可能性も否定できません。

働くには遠い他所の地域を選ぶ以外に選択肢がなくなってしまうので、仕事をサボるのだけは避けるのが賢明と言えます。

仕事を長く続けるには行動力が重要


派遣社員にありがちな失敗として、現在登録している派遣会社にこだわり過ぎる姿勢が挙げられます。

派遣社員はあくまでもその派遣会社に登録されているだけであり、長期間の安定した仕事を約束されているわけではありません。

また、派遣会社に登録しても必ず仕事に従事できるとは限らないことも理解する必要があります。

派遣会社の営業力が仕事の有無を左右すると言っても過言ではありません。

また、得意な業種も派遣会社ごとに異なるので、より好条件の仕事に従事するなら複数の派遣会社に登録するのが正しい対処法と言えます。

紹介された仕事を受けるかどうかは個人の自由なので、条件に合わなければ拒否することも可能です。

なるべく視野を広く保つために今働いている派遣会社以外にも登録してどのような案件があるのか、今の自分を一番評価してくれる会社はどこなのかしっかりと検討してみましょう。

担当者との入念な話し合いが条件に合う仕事に従事するコツ

派遣社員として長く働くには単に紹介された仕事を比較するのではなく、自分から条件を提示して仕事を紹介してもらうことが重要です。

派遣会社の担当者は登録している派遣社員ごとに仕事を割り当てるので、自分がどのような条件の仕事を求めているのかを明らかにする必要があります。

特に雇用期間や日時などの条件は時期によって変わることも多いので、その点も踏まえて話し合うことを忘れてはいけません。

担当者も派遣社員の希望を正しく知っておかないと適切な仕事を紹介できないためです。

生活環境の変化で働くための条件も変わることから、担当者とはこまめに連絡を取り合うのが派遣元と良い関係を築く方法といえるでしょう。

雇い止めに遭っても前向きに仕事探しを行うことが大切


派遣社員にとって契約更新の拒否は生活に直結する重大な問題ですが、拒否の撤回を求めるよりは新しい仕事を探す方が賢明です。

多くの場合、派遣社員は繁忙期限定の労働力なので通年で働く可能性は決して高くはないことを把握する必要があります。

仕事を探す際は他の派遣会社に登録するか、会社に直接雇用されるかを決めたうえで活動することを心がけましょう。