明らかに平均時給より高い条件の良い求人ばかりあるんだけどこれって大丈夫なのかな???

派遣の求人を探す時に注意したいのが釣り求人、釣り案件といわれるものです。

好条件に惹かれて応募したものの、事実を知って後でガッカリする事も少なくありません。

今回はそもそも釣り求人・釣り案件とは何なのか、企業は何のために釣り求人を出すのか、また釣り求人とそうでない求人の見分け方や傾向についてご紹介します。

釣り求人・釣り案件とは?


釣り求人や釣り案件とは、名前の通り『人を釣るための求人』です。

派遣会社の求人によくみられるもので、実際は採用する意思がないにも関わらず、人気の企業や職種の求人情報を掲載して人を集めていきます。

もちろん架空の求人なので派遣会社に登録して応募しても何か理由をつけてその案件へ派遣される事はありません。

また実際の待遇面はそれほど魅力的でもない、むしろ悪条件であるにもかかわらず、誰もが働きたくなるような条件で求職者を誘う釣り求人も見受けられます。

どちらのパターンにしても真面目に仕事を探している人にとっては、無駄な手間や時間を費やす事になることでしょう。

詐欺とも捉えかねない案件ですが、法律に違反しているとして摘発する事は難しいのが現状です。

訴えてみたところで、

  • 募集に関して途中で変更があった
  • 派遣できるスキルが無かった
  • 他の人に決まってしまった

など理由をつけて反論されると、求人自体が虚偽であったのかがハッキリと判断できないのです。

さらに時給の高い求人というのは求めている人材のハードルが高いのも事実で、本当にあった求人であっても派遣会社の社内選考を突破できないという事が非常に多くあるため本当にその求人があったという事も多々あります。

釣り求人とそうでない求人の見分け方について


釣り求人と普通に安心して応募できる求人の違いですが、いくつかのチェックポイントが挙げられます。

仕事内容に見合わない時給の高さ

派遣社員として働く人は、効率良くお金を稼ぎたいと考える人が多いです。そのため求人を見る際は、まず時給に目が行きがちです。専門性の高い難しい仕事なら、誰もが働ける訳ではないので時給が高い求人でもおかしくはありません。

ただ『誰でもできる』、『簡単な作業』と仕事が楽である事を強調しているにも関わらず、時給が高く設定されているのは不自然です。

同様に未経験可で高時給の案件も疑う必要があります。

長期間掲載されている求人

通常、求人情報は1ヶ月程度で掲載が終了するものです。

一方で何ヶ月も掲載されている求人は釣り求人の可能性が高くなります。

もちろん普通の求人でも仕事が激務で賃金が安いといった条件なら求職者から人気がなく、いつまでも残っている事が考えられます。

もし条件がそれほど悪くない求人であるにもかかわらず、不自然に長く掲載されている場合は、企業側の何らかの事情によって掲載がやめられない事を意味します。

特に会社情報が明らかになっていないような無名の企業は要注意です。

一度に大量募集している求人

新規事業立ち上げにつき、オープニングメンバーを集める場合は大量募集してもおかしくありません。

しかし特に理由も見当たらず、また企業規模に見合わない人数を募集しているケースでは、何か裏があると疑う余地はあります。

普通に考えても、新しく人材を受け入れる場合はきちんと教育して、企業の戦力になって貰わなければいけません。

社員数が元々多くない企業が、一気に数十人単位を受け入れて仕事を教えていくのは物理的に無理があるのです。

釣り求人が多いのはなぜ?会社側のメリットについて


釣り求人を出すのは派遣会社にとって様々なメリットがあるからです。

主なメリットは3つで

  • 多くの人材が確保できる
  • 不人気な求人を早く片付けられる
  • 優秀な人材を捕まえられる

などがあげられるでしょう。

多くの人材が確保できる

派遣登録者を増やし、多くの企業に派遣できるようになれば、それだけ派遣会社も報酬が貰える事になりますし、派遣登録者の多さは信用にも繋がります。

例えばある企業と繋がりが出来たとしても、その後再び「人材を提供して欲しい」と言われた時に誰も派遣できる人がいなければ、この会社は使えないという烙印を押されてしまう可能性があります。

逆に企業が必要と感じた時にすぐに人材を紹介できれば、信用度も高まり、その次のタイミングでも使われる可能性が高まる訳です。

不人気な求人を早く片付けられる

すぐに応募が殺到するような求人もあれば、なかなか人が集まらない求人もあります。

激務で時給が安いなど様々な理由が考えられますが、長く残っている求人は求職者も『何か理由がある』と敬遠しがちです。

ただ派遣会社にとっては、どのような求人でも依頼された以上は人を紹介していかなければいけません。

そこで釣り求人を出して人を寄せ集め、人気のない求人を紹介していくのです。

魅力的な求人に惹かれて派遣会社に登録した人も、「募集は終わった」「既に派遣される人が決まっている」と言われたら了承せざるを得ません。

そのタイミングを見計らって、本来の目的であった求人が紹介される事になりますが、担当者が勧めてくれるなら良い求人だろうと素直に受け止める人もいれば、不本意ながらも断るのが悪いと派遣会社の意向を受け入れる人もいます。

優秀な人材を捕まえられる

派遣会社は優秀な派遣社員を企業に提供できれば、それだけで価値も上げられます。

しかし優秀な人材を捕まえるには、他のライバル社に勝たなければならず、そのためには好条件の求人を用意しなければいけないのです。

とりあえず条件の釣り求人を出しておけば、たくさんの人を集められますが、その中にはどこに派遣されても即戦力として働けるような優秀な人が含まれているかもしれません。

稼ぎ頭を確保しておくためにも釣り求人は手段の一つになるのです。

人手不足のこの時代は釣り求人も仕方ない


実際問題として普通の求人なのか、または釣り求人なのかを見分けるのは難しいものです。

希望していた求人が実は釣り求人だったと知った時は腹立たしい気持ちになるものですが、人手不足のこの時代では釣り求人が出るのも仕方のない事なのです。

昨今は正社員にこだわる人が少なくなり、代わって自由気ままに自分らしく働きたいと派遣社員を選ぶ人が増えてきました。

それに伴って、派遣会社の事業所数も年々増加傾向にあります。
つまり派遣会社が多くなるほど、人材確保が難しくなってしまうのです。

既に認知度の高い大手の派遣会社なら人も集まりますが、名前の知られていない派遣会社はあの手この手を使って人を集めなければいけません。
その方法の一つが釣り求人となります。

もし派遣で求人を探している時に好条件の求人を見つけた場合は、あれこれ悩まず派遣会社へ登録を済ませてしまった方が良いかもしれません。

登録すれば担当者に求人の詳細について聞き出す事ができ、その時点で釣り求人なのかそうでないのかが判明します。

派遣会社側からすると、他の求人を勧めたいといった狙いがあるかもしれませんが、その言葉に流されず、本当に自分が納得出来る求人のみ応募していけば、派遣先で不満に感じる事も少なくなります。

勝手に自己判断すると損する可能性もあり、例えば条件が良すぎるため釣り求人かもしれないと応募を躊躇したものの、実は本当に条件の良い求人だったという事もあり得ます。

気になる求人がある場合は、自分の知りたい情報を全て知っているはずの派遣会社に登録し、担当者にどんどん問い合わせていく姿勢が大切です。

良い求人に巡り会うために派遣会社の情報も入手しておこう

派遣会社の数が増えてきた事もあり、釣り求人が出るのも当然と思って活動した方が気楽かもしれません。

本当に良い求人を見つけ出せるかは、求職者の積極性にもかかってきます。

釣り求人に惑わされないコツは、求人情報だけ注目するのではなく、派遣会社の口コミ情報をチェックする事、また複数の派遣会社に登録する事が大切です。

派遣会社の情報も把握しておけば、信頼できるか否かもおのずと見極められるのです。