高校生や大学生、専門学生にもなるとお小遣い稼ぎや生活費の足しにとアルバイトをする人も増えてくるのではないでしょうか?
しかし、今まで社会に出た経験のない学生が何の知識も無くいきなり働くのは危険なことも実は多いです。
昨今はSNSでもブラックバイトなどが話題になって居て、知らず識らずのうちに不当な労働環境で働いていたなんてことも学生にはよくあります。
今回は労働基準法に詳しくない学生に是非知って欲しいアルバイトの有給休暇について詳しく解説していきます。
是非参考にしてみてください。
そもそも有給給与ってなに?
有給とは労働基準法第39条で定められた労働者の権利でお給料の出る休みのことを言います。
労働基準法には下記のように記載されています。
(年次有給休暇)第三十九条 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
引用:労働基準法
尚、有給で支給される金額ですが、算出方法には3つのの方式があります。
- 平均賃金
- 通常の賃金
- 標準報酬月額を日額にした金額
上記以外のその会社独自の方法で金額を算出することはできませんが上記の3つであれば好きな方法で算出することが可能なので有給の金額が少ないと感じたら会社側にどう言った方法で金額を算出しているのか確認してみると良いでしょう。
平均賃金の場合は有給を取得した日から遡って直近3ヶ月に支払われた給与の総額を休日も含む日数で割って算出した金額が有給の金額になります。
普通の金額に場合は下記のような形で有給の金額が算出されます。
- 時給の場合:時給×1日の所定労働時間
- 日給の場合:日給分をそのまま
- 週給の場合:週給÷その週の所定労働日数
- 月給の場合:月給÷その月の所定労働日数
標準報酬月額を日額にした金額の場合は、健康保険の標準報酬月額を30で割って算出します。
標準報酬月額は4月、5月、6月の報酬の平均値から算出された金額でこちらの表から確認することができます。
アルバイトにも有給給与があるって本当?
と考えている方もいるのではないでしょうか?
しかしその考えは間違えで、実は短時間勤務の学生アルバイトでも条件を満たせば有給が発生します。
有給の発生条件は2つで
- 半年以上の継続勤務
- 所定労働日の8割以上出勤している
この条件を満たしていればアルバイトでも有給が発生します。
ただし勤務する時間や日数などによって発生する有給の日数に違いがあります。
有給ってどのぐらい貰えるの
では実際にどのくらい働けば何日有給が出るのでしょうか?
一例ですが、勤務年数と有給発生日数を表にしてみました。
労働日数 | 継続勤務年数 | ||
---|---|---|---|
0.5年 | 1.5年 | 2.5年 | |
週5 | 10日 | 11日 | 12日 |
週4 | 7日 | 8日 | 9日 |
週3 | 5日 | 6日 | 6日 |
週2 | 3日 | 4日 | 4日 |
週1 | 1日 | 2日 | 2日 |
フルタイムじゃなくても出勤率8割の条件を満たしているのであれば有給が付与されるので仮に職場の人に

と言われた場合は職場に相談したうえで改善の見込みがなさそうなら労働基準監督署に相談してみるといいでしょう。
尚まれに

というような事をいう職場があるようですが、これに関しては明らかに違法行為になります。
明らかに話し合いが通じないようであれば職場に言わず直接労働基準監督署へ相談に行ってしまっても良いかもしれません。
学生でも有給って貰えるの?
稀に、学生のアルバイトだから有給が発生しないという人もいるようですが、学生であっても上で紹介した表の有給が発生します。
最近は無知な高校生や大学生をターゲットにしたブラックバイトが多いようですからしっかり知識を身に着け自分の権利は主張して行きましょう。
尚、少し脱線しますが、自腹を強要するようなノルマや罰金なども違法行為となりますのでこういった行為が行われている職場に入ってしまったら即労働基準監督署へ相談に行くことをお勧めします。
有給があるのに取らせてもらえない
会社側に有給を拒否する権利はありません。
なので、基本的には申請した有給は希望通りとれるのが一般的です。
しかし一点だけ注意しなくてはいけません。
それが時季変更権というもので労働基準法には下記のように書かれています。
使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
引用:労働基準法
簡単に言い換えると、
『有給取得日が繁忙期や納期前で抜けられると正常な運営が出来ない時に有給取得日をずらすことができる。』
というものです。
では事業の正常な運営を妨げる場合とはどのような場合でしょうか?
具体的には
- その労働者にしかできない業務で尚且つ期日が迫っているなどの事情がある
- 繁忙期や決算期など今の時期に休暇を取られると業務に多大な支障が出る
こういった状況であれば会社側は労働者の有給の取得日をずらすことができます。
なので、希望日に取らせてもらえなかったといった場合でも一概に違法というわけではありません。
ただ上記のようなやむを得ない事情以外では時期をずらすことはできませんし、当然拒否することもできないので明らかにおかしいなという時は警戒する必要もあるでしょう。
まとめ:学生のアルバイトでもしっかり労働者の権利を使って仕事も充実させよう
いかがだったでしょうか?
学生時代のアルバイト先は大きな法人ばかりではなく個人事業主のコンビニなども多く労働基準法をしっかり守っていないような職場で働いてしまうことが多々あります。
実際に私も学生時代週3日固定でシフトを入れて1年以上働いていましたが有給は貰えず、それが普通とまで思っていました。
この記事を読んでいる皆さんは私のように有給が貰えると知らずに損をする事の無いようにアルバイトの面接時にしっかり有給についても確認する事をお勧めします。
有給は働かなくてもお給料が発生する労働者にとってメリットしかない制度です。
是非皆さんの持っている権利を最大限生かして有意義なワークライフを送ってみてはどうでしょうか?