派遣で働いたがいいもの…

能力不足を感じ解雇クビになるのではないか?」
「自分より能力がある社員と交代させられるのではないか?」

などなど不安に感じてる人は多いと思います。

そもそも、能力不足と言っても、実は

  • 成績不良
  • 怪我や病気によっての場合

と2つありますが、

今回は一般的な成績不良の為に起こりうる解雇について説明していこうと思います。

能力不足を理由にする解雇は意外とハードルが高くて難しい

実は能力不足と聞いて私達が思う基準と、裁判所が判断する基準は異なります。

私たちの思う
「経営者が能力不足と考える労働者」
は、会社が求める水準に達していない労働者のことです。

同じ給料を払うならもっと良く働いてくれる人が他にいるかもしれない、この人を辞めさせて能力が高い人を雇いたい

と経営者は考えるのではないでしょうか?。

一方で裁判所が解雇を認めるところの能力不足の労働者とは、「著しく成績が不良なため、もはや活用の仕様がなく、辞めてもらうより他に方法がなさそうな労働者」のことです。

実際にあった裁判(セガ・エンタープライゼス事件 H11.10.15)を例にあげます。(労働者勝訴)

能力不足、成績不良、勤務態度不良、適格性欠如とC会社に判断され、解雇を言われたAさん。

セガ・エンタープライゼス事件

裁判側は平均的な水準に達していないと言うだけでは不十分であり(Aさんは考課位10%未満の考課順位であるが)人事考課は相対評価であって絶対評価ではない。

直ちに労働能力が著しく劣り、向上の見込みがないと言うことではできない。

さらに、教育・指導を実施することによって、向上を図る余地もある。

つまり「労働能率が劣り、向上の見込みがない」に当てはまらないと判決が出されました。
( 裁判の詳細 )

優秀な人材が欲しいと思うのは経営者にとって本望でしょうが、裁判所は簡単には従業員を追い出すことを認めません。

このように、ただ能力不足では会社側は解雇することが難しく、ハードルが高いのです。

能力不足を理由に解雇が認められる条件

前述では能力不足で解雇するにはハードルが高いことを説明しています。

では、実際に解雇される理由はどういったものなのでしょうか?

そもそも解雇とは「客観的に合理的な理由」が必要であり、さらに「社会通念上相当」も認められる必要があります。

能力不足を理由に解雇される場合、
厚生労働省がモデル就業規則として解雇の規定をこのように書いています。

第51条 労働者が次のいずれかに該当するときは、解雇することがある。
勤務状況が著しく不良で、改善の見込みがなく、労働者としての職責を果たし得ないとき。
勤務成績又は業務能率が著しく不良で、向上の見込みがなく、他の職務にも転換できない等就業に適さないとき。
引用元:https://www.mhlw.go.jp/content/000496428.pdf

では、この2つについて次に例えを出しながら分かりやすく説明していきましょう。

実際に解雇される理由にはどういったものがあるのでしょうか?

解雇について記載されている労働契約法第16条にはこのように書かれています。

(解雇)
第16条
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
引用元:労働契約法

なかなか抽象的な書き方をされていますが、厚生労働省がモデル就業規則として解雇の規定例も紹介しています。

例えばこのようなものです

第51条 労働者が次のいずれかに該当するときは、解雇することがある。
勤務状況が著しく不良で、改善の見込みがなく、労働者としての職責を果たし得ないとき。
勤務成績又は業務能率が著しく不良で、向上の見込みがなく、他の職務にも転換できない等就業に適さないとき。
引用元:https://www.mhlw.go.jp/content/000496428.pdf

少し分かりづらい言葉も使われているので、それぞれ詳しく解説していきます。

勤務状況が著しく不良で、改善の見込みがなく、労働者としての職責を果たし得ないとき。

具体的に「勤務状況が著しく不良で、改善の見込みがなく、労働者としての職責を果たし得ないとき」とはどのようなときでしょうか?

例えば、Aさんは事前の申し立てもなく遅刻無断欠勤の常習犯。重大な取引先との会議に出席せず周りの人に迷惑をかけています。そのため、業務の運営に重大な影響を及ぼし、取引先との支障も出てしまいました。

会社側Aさんに改善するように注意を行い、なるべくAさんの希望を聞くように努めました。

しかし、遅刻無断欠勤は良くならず業務に支障が出てしまい、会社に不利益をもたらしている状態です。

解雇理由の客観的合理性は、解雇理由の程度や反復(繰り返し何度もあったか)のほか、Aさんに改善や是正の余地があるか、総合的に判断して雇用契約の継続が困難か否かが決まります。

この場合、会社は現状を改善するために動きましたが変化が見られません。Aさんに仕事に対する積極性、改善しようとする意欲が見られないと下されます。

解雇の社会的相当性は、客観的に合理的な解雇理由があることを前提として、本人の情状や会社の対応等に照らして解雇が過酷に失するか否かという見地から判断されるのです。

つまり
このケースは解雇に相当すると言えるでしょう。

勤務成績又は業務能率が著しく不良で、向上の見込みがなく、他の職務にも転換できない等就業に適さないとき。

次に「勤務成績又は業務能率が著しく不良で、向上の見込みがなく、他の職務にも転換できない等就業に適さないとき」について例えを出していきましょう。

Bさんは派遣の美容師で会社に雇われましたが、会社の定める施術時間をオーバーしてしまう。カットやカラーの施術の基礎が身に付いていなくて自己流。おまけにお客様からのクレームが多いことから客数が減少してしまいました。

会社はこれらに対する改善指導を行いましたが
Bさんに改善の意欲がなく見込みも認められません。

また、専門職なので他の職務が無いため他に異動することはできない状態です。

客観的合理的な理由がありさらに社会通念上相当も認められる為解雇になりえます。

特定の能力を有することが労働契約の条件とされて高給で採用された社員(翻訳家、エンジニアなど)や、地位を特定して高給で採用された社員(幹部職、管理職など)に労働契約で予定された能力がなかった場合には,解雇が認められやすい傾向にあります。

派遣といえど基本的には仕事の遅さなどを理由に解雇できない

契約期間内の派遣社員が仕事が遅い、ミスが多い、などの理由で急に解雇されることは、本来ならば不当に当たります。

一生懸命働いて仕事が出来るように努力しているのに解雇されたら困りますよね。会社は働く意欲のある労働者を解雇することはできません。

具体的に指導や教育を受けることで、派遣社員がスムーズに執行できるように、職場に適応するように、派遣先の会社が動かなければなりません。

つまり、「あらゆる手を尽くしてもやっぱり解雇しか考えられない」という状況になって、初めて認められるのが解雇です。

ですが、実際には仕事が遅い、ミスが多いなどの理由で解雇された言う話はよくみみにします。

申し訳にくいですが
派遣だから解雇を言い渡される場合」 があるのです。

派遣の認知として
派遣=即戦力で仕事ができる
ではないでしょうか?

派遣を要する会社というのは、それだけ人を早く雇って何とかしたいほど人材に困っている状態な場合が多いです。

なので、引継ぎをしている時間がないことやマニュアルがないこともあります。

なかには親切にゆっくり教えてもらえる会社もありますがそれが全てとは限りません。

そして、業務内容が分からなく自分の力を発揮する機会も無く、精神的な部分でミスを起こしてしまい、解雇と判断されたのだとしたら一方的で辛いですよね。

技術職などの派遣社員として派遣先に行くには、会社によってそれなりの覚悟が必要なのかもしれません。

しかし、人手不足の昨今派遣社員だから全て即戦力とうわけではなく、誰にでもできることを派遣に任せようという動きがあるのも事実なので派遣だからといって、身構える必要はないでしょう。

納得できないなら派遣元担当者への相談も必要だが意地になる必要もないかも?

今日からクビです。

と言われることは自分に問題があったのではないかと大変ショックですが、時に会社側はとにかく解雇したいからあれこれ適当な理由をつけてるだけの場合もあります。

解雇された理由をよく聞いて納得いかない場合は、派遣会社と相談して解雇の撤回をと改善を求めるべきです。

また、派遣先都合で辞めさせられる場合は

①派遣先企業、派遣元企業、双方の協力を得て関連会社への紹介を受けたり、別の派遣先の仕事の紹介を求めることができます。

②新たな派遣先企業をすぐに紹介されず、自宅待機期間が生じる場合は、会社都合での休業という扱いになるため、派遣元企業には休業手当の支払い義務が生じます。派遣元企業に対して、休業手当の金額を確認しましょう。

  1. 派遣先企業、派遣元企業、双方の協力を得て関連会社への紹介を受けたり、別の派遣先の仕事の紹介を求めることができます。
  2. 新たな派遣先企業をすぐに紹介されず、自宅待機期間が生じる場合は、会社都合での休業という扱いになるため、派遣元企業には休業手当の支払い義務が生じます。派遣元企業に対して、休業手当の金額を確認しましょう。

しかし、自分が能力不足にあたると感じる点があるなら、派遣会社に他の派遣先を探してもらうことをオススメします。

派遣先や派遣会社に忖度することなく、自分の意思を尊重することが大切です。

今の時代、残念ながら派遣先の会社の方が合わないと感じただけで解雇もありえます。

簡単に解雇できるか?というと(先述のように)NGだと思います。

ただ、今の派遣はなんでもありです。

あなたに不都合な点がなく契約期間前の解雇で不満なら大ごとにしても良いでしょう。

それが面倒なら派遣先はたくさんあります。

あきらめて次の仕事を見つけることに専念してみてはいかがでしょうか??

能力不足を感じて、自分から派遣先を変えたいと感じた時

スキル不足で悩んでいると言う事は、
「このままだとまずい」「不安だ。」
と言う気持ちでいることでしょう。

もちろん今の職場を続けてスキルを磨くことで解決すればベストですが、能力不足だと双方に迷惑がかかってしまいます。

不安な場合は派遣元の担当者に相談しましょう。

それでも解決しない場合は
思い切って自分のスキルが生かせる職場環境を考えるのも良いのではないでしょうか?

派遣のお仕事は幸いにもたくさんあります。

まずは、派遣会社に派遣先を変更したいというお願いをします。

もし、派遣会社が機能しない場合は最悪派遣先にも伝えましょう。

自分から派遣先を変える場合は

  • 派遣先から派遣会社にクレームが来る前に派遣会社に相談する。
  • 遅刻、無断欠勤をしない。

ことを気をつけることをお勧めします。

派遣もれっきとしたお仕事です。

派遣先、派遣会社にも迷惑がかかることを忘れないでください。

社会人としての責任感がないと判断されたらお仕事の紹介ができなくなるのは当然です。

できるだけ迷惑をかけないようにことを運びましょう。

まとめ:無理をせず自分にあった職場で自分を認めてくれる人達と働こう

派遣社員がより良い職場を望み、会社を変えてしまうということはよくあります。

無理に今の職場を継続する必要や解雇になったからといって大ごとにする必要はなく、自分に合った職場を選び直すのも派遣社員の良いところではないでしょうか?

せっかくならストレスなく
楽しく働けたらいいですよね。