雇用保険被保険者証とはどんなものなのか、いつどうやって受け取れるのか、もし紛失してしまったら、どんな対処をすればいいのか、それらをこの機会に知っておきましょう。

雇用保険被保険者証とは何?知っておきたいポイント2つ

雇用保険被保険者証とは、雇用保険に加入していることを証明するための書類です。さらに知っておくべき主なポイントとしては、

  • 普段は会社が保管している
  • 離職票とはまた違う書類である

の2つが挙げられます。

雇用保険被保険者証は会社側が保管するのが基本

雇用保険被保険者証は、雇用保険の加入証明書という意味合いを持つ書類ですが、これは基本的には雇用保険加入者本人に手渡されるのではなく、勤め先の会社が保管するというのが一般的です。

なぜなら、雇用保険に加入し、雇用保険被保険者証の発行手続きをするのは従業員側ではなく、その従業員が最初に就職した会社だからです。発行が済んでからも紛失防止などのためにそのまま会社が預かる、という形になります。

そして雇用保険被保険者証の被保険者番号は、原則として転職しても変わることなく、そのままの番号が転職先でも引き継がれます。そのため転職した際には、転職先に雇用保険被保険者証を提出し、その会社で保管してもらうことになります。

ただし退職から7年以上が経過した場合は、雇用保険被保険者証の番号がハローワークのデータから抹消されてしまうため、再就職先に以前の番号を引き継げなくなります。

こうしたケースでは、再就職先の会社が新たに雇用保険被保険者証の発行手続きをするという形になります。

雇用保険被保険者証と離職票との違い

雇用保険被保険者証と混同されやすい書類として、離職票が挙げられます。

離職票の正式名称は「雇用保険被保険者離職票」で、雇用保険被保険者証と非常に似た名称のため、同じ書類であると誤解されることも多いのですが、両者には以下のような違いがあります。

○雇用保険被保険者証が「雇用保険に加入していることを証明するための書類」であるのに対して、離職票とは「離職したこと、失業中であることを証明するための書類」であること

○失業手当を受けるために離職票はハローワークに提出しなければいけないが、雇用保険被保険者証を提出する必要はないこと

○雇用保険被保険者証は転職先の会社に提出する必要があるが、離職票にはその必要がないこと

ごく簡単にまとめると、雇用保険被保険者証が「就業中、再就職時など、雇用保険加入期間中に必要となる書類」であるのに対して、離職票とは「失業期間中に必要となる書類」である、といった違いがあるということです。

雇用保険被保険者証はいつもらえるのか

雇用保険被保険者証は、就業中は会社が保管していますが、退職して失業状態となった際には、この雇用保険被保険者証が会社から本人に渡されるという形になります。

雇用保険被保険者証は「会社がそれまで預かっていた」という実績があっても、それはあくまで紛失防止などのために行っていた便宜的な扱いであり、本来は従業員本人のものですので、退職した場合は本人に手渡しや郵送などですみやかに返さなくてはいけません。

雇用保険被保険者証を紛失したらどうする?気になる対処方法

雇用保険被保険者証を紛失してしまった場合や、「退職した会社からいつまでたっても雇用保険被保険者証を送ってもらえない」などという事態が発生した場合は、ハローワークを通じて再発行の手続きをとれます。

ハローワークに出向けば即日で再発行が可能ですし、ほかにも郵送や電子申請といった手段でも再発行の手続きが可能です。

雇用保険被保険者証は大切な書類だがいざとなれば再発行もできる

雇用保険被保険者証は、就業中は「雇用保険に加入している」という証明になり、さらにその被保険者番号は転職先でもそのまま引き継がれるという性質があることから、転職において不可欠となる重要書類である、というのは間違いありません。

しかし、万が一紛失したとしても再発行の手続きは簡単にできますので、無くしてしまったとしても、慌てる必要はありません。