バイトの掛け持ちをしている方の不安要素として「本当に大丈夫なのか」「法律で罰せられないか」という気持ちがあります。実際に掛け持ちでバイトをしていると、どのような問題があるのか?こちらでは、Wワークの注意点について詳しくご説明します。
バイトを掛け持ちすると「年間所得」に注意が必要!
バイトを掛け持ちしている方は、それなりに収入も増えてしまいます。ただ、1年間の所得が「103万円」を超えた場合には、所得税の支払い義務が生じてしまいますので、「確定申告」をしなければいけないのです。ちなみに、学生・主婦など「家族の扶養」に入っている方が「年収103万円」を超えた場合、世帯主の税金が増えてしまいますので、扶養から抜けるか103万円以下の年間所得に抑えるのがお得です。
Wワークでは「労働時間」に注意する
バイトの掛け持ち、いわゆるWワークをしている方が注意しなければいけない点は「労働時間」です。法律では1日8時間・週40時間という「法定労働時間」を超えて働いてはいけないという決まりがあります。(労働基準法第38条により定められている)
もし、法定労働時間を超えて働いた場合には「割増賃金」つまり残業代が生じることになります。この残業代を支払う義務があるのは、法定労働時間を超えて労働をさせた「会社」にあります。具体的に法定労働時間を超えているケースについてご紹介します。
Wワークの場合
A店で4時間バイトをして、次にB店で5時間バイトをしました。最初のA店では4時間勤務なので、何も問題はありません。しかしB店でバイトをしている最中に「法定労働時間」を超えてしまいます。合計すると9時間の労働時間になるので、「1時間」法定労働時間を超えています。この時、B店から1時間分の「割増賃金」を貰う事ができます。
しかし、B店が「36協定」(※1)を締結していない場合、法定労働時間を超えて仕事をさせることはできないので、B店では4時間しか働かせることができないのです。法定労働時間を超えて仕事をしないためには、A店で4時間・B店で4時間のバイトをするしかありません。
このようにバイトを掛け持ちするのであれば、まずは「雇用主」に申告をしてから、どのくらいの時間働くことができるのか確認をしなければならないのです。
※1、「36協定」とは「時間外労働協定」というもので、時間外・休日労働について労働者の過半数で組織された労働組合が労総者の過半数を代表する者と労使協定において定め、行政官庁に届け出ると法定労働時間を超えた労働・法定休日の休日労働が認められること。
Wワークを禁止している職場もある
バイトの掛け持ちを禁止している職場もあるので、就業規則によってWワークができないこともあります。その職場に所属をした時点で職場のルールを守らなければならないので、Wワークが知られてしまうと解雇される可能性もありますので、自分が働いている職場の就業ルールを見直して、バイトの掛け持ちができるかどうかを確認する必要があります。
年齢によってWワークができないケースもある
労働基準法第62条では、18歳未満を有害な業務に就業させてはいけないという決まりがあります。有害な業務とは、「毒劇物の取り扱い」「クレーン作業」「足場の組み立て」など危険を伴うような仕事です。また、労働基準法第61条では、18歳未満の22時~5時までの就労が禁止されています。このようなケースがあるので、バイトで掛け持ちをしようと考えている18歳未満の方は注意してください。
心配だったバイトの掛け持ちはルールを守れば問題なし
バイトを掛け持ちすることで、法律により罰せられるのではないか?と心配になっていた方も安心して大丈夫です。もちろん上記で紹介したように、様々なルールがありますが、それらを守ってWワークをするのであれば問題はありません。
ただ、家族の扶養に入っている方は「103万円の壁」がありますので、「たくさん稼ぎたい」と思ってWワークをしても、扶養を抜けるか103万円までに抑えるかという選択を迫られます。考えるべきことはありますが、バイトを掛け持ちしても法的に問題はないという事が分かったので、意欲的にバイトを探せます。