アルバイトの人にも当然ながら「給与明細」と呼ばれる書類が渡されます。ひと昔前ならば給与分の現金と一緒に手渡しされるケースが多かったのですが、今は給与明細だけが直接、本人に渡されます。
そして、アルバイトの人が給与明細を渡された時、必ずチェックしておかなければならないのが「勤怠」「支給額」「控除」の3項目です。
勤怠は「出勤日数」「労働時間」「残業時間」の3つから成る
アルバイトの給与明細の見方で大切なポイントの1つ目、「勤怠」とは実際に働いた1か月間における「出勤日数」「労働時間」「残業時間」のデータをしっかりと記録に残す作業のことをいいます。
アルバイトの方がもらうバイト代。その原資となるのが「勤怠」です。始業前と退勤時にタイムカードなどを機械に通し記録として残します。この作業が勤怠を形成する大切な作業となります。この作業を忘れたりすると、あなたの勤怠が正確に計算できなくなるのです。
バイト代の算出方法は「出勤日数×労働時間」
アルバイトの労働に対する対価として支給されるバイト代の計算は「出勤日数×労働時間」によって計算されます。
勿論、そこには「時給」の存在も忘れてはなりません。例えば時給1,000円、1日に6時間働いてそれを20日間行えば、1,000×6×20=120,000 となります。
つまり12万円という金額が、あなたがその1か月間で働いた対価、という事になります。
当然ながら働く時間が長くなったり時給額が上がったりすれば、あなたが受け取る「バイト代」の金額は上昇するわけです。
残業時間は会社規定による
勤怠においてもう一つ、重要なのが「残業時間」です。
これは、労働時間が休憩の1時間を含めて9時間を超えた時または、深夜の勤務(22時以降)になった時に支払われる賃金です。
勤怠チェックにおいては正規の労働時間プラス、この残業時間も加味して給与明細表を確認しましょう。そうすればあなたの正しい収入額が把握できます。
支給額は正確な勤怠があるうえで成り立つ
この支給額を最も多くの人が見ています。1か月間、頑張った成果がここに表示されています。あとはこの支給額がどうして出来上がったのか、これを冷静にチェックすることです。
支給額は正真正銘のバイト代です。しかし、そのからくりを正しく認識していないとあとでトラブルが発生することもあります。
だから先に触れました「勤怠」と見合わせてください。自分の1か月間の総労働時間に時給をかけた金額になっているか。あるいは残業した分もきちんと計上されているか。自分の計算と狂いがないかどうか、しっかりとチェックしてください。
もし、自分の計算と支給額に狂いが生じている場合は、勤怠を調べ直す必要があります。そのために自身の出勤日数、労働時間を把握しておかなければならないのです。
もし、タイムカードの打刻を忘れてしまったら、その日の給与計算が行われないので、勤怠のチェックは会社任せにせず、自身の目でしっかりと確認してください。給与明細を正しく見る事によって、間違いのない支給額を確認できる事になるのです。
控除は「所得税」と「住民税」の2つ
アルバイトで働いた場合、控除されるのは「所得税」と「住民税」です。よってバイト代の支給額は正規の労働時間分×時給×日数から控除分を差し引いた額になる、という事を頭に入れておくことです。
年収が103万円より下ならば控除は発生しない
雇用されている事業所がしっかりと年末調整処理を行ってくれるなら、年度末(12月)に支払った税金の再計算を行って払い過ぎた分、あるいは支払いが不足していた分を計算してくれて計上されます。これによってアルバイトの学生が税務署に自ら赴く「確定申告」の手間は省けるのです。
但し、2か所かけもちで働いて、その合計至急額が「103万円」を超えてしまった場合は確定申告の対象です。そのためにも給与明細を正しく見て自分の総収入額をしっかり把握しておく事が大切になるのです。
アルバイトの給与明細は「勤怠」「支給額」「控除」の3つを要チェック!
アルバイトの給与明細の見方のポイントは「勤怠」「支給額」「控除」の3つです。
自分が何時間働いて、差し引き支給欄に表示されている支給額がいくらか。その際、控除された金額はいくらか。これらを把握しましょう。
給与明細票は厳正なものですが、自分の記録と乖離があったのなら早急に働いている事業所の担当者に連絡を入れて事態の把握・修正を行うことが重要となります。それが給与明細の役割なのです。