塾講師と家庭教師と言えば、どちらも生徒に勉強を教える仕事ですが、両者には様々な違いがあります。
もし実際に働くとなった場合、果たしてどちらを選べば良いのでしょうか?
この記事では塾講師と家庭教師の仕事内容や給料の比較、それぞれのメリットやデメリット、そしてどちらの働き方が挑戦しやすいか等について紹介していきます。
塾講師と家庭教師の仕事内容を比較してみた
まず塾講師の仕事内容は、学校の授業のサポートや中間テスト・期末テスト対策、さらに受験生に対しては受験指導も行います。
塾によって指導の雰囲気も異なり、例えば学力テストを作成し、生徒達に受けさせて採点し、採点結果を張り出して個々の闘争心を駆り立てるような指導を行う所もあります。
集団指導の場合はある程度学力によってクラス分けをしているケースが多いですが、授業に遅れ気味の生徒に対してのフォローも必要です。
一方で、個別指導の塾はマンツーマンか生徒2~3人程度の少人数が教える対象となるため、より生徒の学力にあったきめ細かい指導をする事になります。
また、集団、個別関係なく塾では保護者を含めた三者面談もよく行われるため、保護者との信頼関係を築いていくのも塾講師の仕事の一つと言えます。
次に、家庭教師の仕事内容は生徒の自宅を訪問し、学校の授業の復習や予習、中間テストや期末テスト対策、受験指導を行うのが主な仕事内容です。
完全にマンツーマンの指導になるため、生徒のレベルに合わせた丁寧な指導が求められます。
志望校合格のため、学校の成績を上げるため、さらに勉強が嫌いな子供に勉強をする習慣をつけるためなど家庭教師を利用する目的は色々で、それぞれの家庭の要望に応える指導が必要となります。
そして、生徒から信頼されるためには積極的にコミュニケーションをとり、特性や足りないものを分析して、勉強の教え方も工夫していかなければいけません。
さらに、保護者から相談を受ける機会も多く、生徒とともに両親とも良い関係を築いていくことが大切です。
塾講師と家庭教師の給料を比較してみた
塾講師と家庭教師、それぞれどのぐらいの給料があるのでしょうか?
- 塾講師は収入の管理がしやすい
- 実力で収入アップも期待出来る家庭教師
塾講師は収入の管理がしやすい
塾講師の時給は一般的に1,200~1,500円程度が相場となっています。
ただ、給与の支払い対象を授業の指導時間としている塾が多く、指導準備や保護者宛てのレポートを書く時間などは勤務時間とみなされないため、授業以外の雑務も含めると、当初予想していた時給より下がる可能性もあります。
一方で、家庭教師は働く時間が1日2時間程度と定められているのに対し、塾講師は自分の好きなだけ調整して働けるため、たくさん授業を入れると、その分収入もアップします。
また、塾のスケジュールに合わせて自分が働くコマ数も事前に決めておくことができるので、1ヵ月の収入の予測が立てやすいのも塾講師のメリットと言えます。
実力で収入アップも期待出来る家庭教師
家庭教師として働く場合は、派遣会社に登録して派遣されるか、個人的に契約するかのどちらかになります。
時給は派遣会社を通す場合は1,000~2,000円、個人契約や高級志向な家庭教師では時給2,000~3,600円程度となっています。
家庭教師の良い所は、自分のスキルさえ上がれば収入アップも望めるという点で、例えば数々の難関校を合格させたといったわかりやすい実績があれば、保護者からは引く手あまたとなり、自分が仕事を選べる立場になります。
時給の交渉も個人的に行えるため、3,000円を超える時給も夢ではありません。
もちろん収入アップを目指すには努力も必要で、特に実績が得られなければ時給が上がることはなく、仕事を探すのにも苦労する可能性があります。
塾講師と家庭教師のメリット・デメリットは?
塾講師のメリットは、まず研修制度が充実していることです。
初めて講師の仕事を始める人も、研修を受けると授業の進め方や教え方のコツなども掴めるようになります。
さらに、周りの同僚の存在は大きく、困った時に相談できる相手がいるのは心強く感じられます。
また、塾講師は大勢の生徒を相手に授業を行うため、伝える力やコミュニケーション能力も必須となります。
最初は上手くいかずとも、授業をしていく中で、何とか生徒達に理解して貰いたいという思いも強くなっていくため、自然とわかりやすく説明できるスキルも身に付けられるのです。
片や、塾講師のデメリットと言えば、授業以外の作業時間が多いという点です。
理解度をチェックするために小テストを作る、保護者への報告書を作成するなどの作業は授業後や授業の合間を縫って行わなければいけません。
つまり遅い時間帯まで残業しなければならない可能性も出てきます。
尚、この時間にお給料が発生しない会社もありこの辺は注意する必要があります。
その他にも、塾は講師の服装や髪型に厳しい所が多く、スーツやネクタイも必須です。
比較的自由なスタイルで仕事ができる家庭教師に比べると、窮屈さは否めません。
そして、家庭教師のメリットは生徒1人に丁寧な指導が行えるという点です。
時には雑談もしながら、ゆっくりと信頼関係を構築していけるので、生徒の成績が上がった時や志望校に合格した時は喜びもひとしおです。
保護者からのサポートも受けやすい環境であり、授業が終わった後にお菓子が出てくるなど、アットホームな雰囲気で仕事ができるのも家庭教師の特権と言えます。
逆に、家庭教師のデメリットとなる部分は、結果がダイレクトに求められることです。
塾のように他の講師が入り混じって指導している訳ではなく、もし結果が伴わなければ全て自分の責任となってしまうのです。
もちろん生徒のやる気も関係しますが、保護者は高い授業料を支払っている分、家庭教師の指導に過度な期待を寄せているケースもあります。
保護者からのプレシャーも含め、成果が得られなかった場合を想定すると精神的な負担も重くのしかかります。
どっちの方が挑戦しやすい?
塾講師と家庭教師、どちらの方がおすすめなのかは人によって違います。
例えば、塾講師は授業以外の作業が多く、残業があるのもデメリットになりますが、仕事量が多いことを苦にしない人には何の問題もありません。
そもそも塾講師はカリキュラムや授業内容が個人に任されており、自分がやりたい方法で授業を進められるので、仕事へのやりがいを感じたい人にとっては理想的な職場です。
また、きちんとスケジュール管理ができて、安定した収入を得たいと考えている人は、家庭教師より塾講師の方が向いています。
一方、家庭教師が向いているタイプは責任感があって忍耐強い人です。自分の指導の力量によって生徒の運命も変わってくるため責任重大ですが
- 何とか成績を上げてあげたい
- 志望校に合格させてあげたい
という思いが強ければ、生徒にもその熱意は伝わります。
少しずつでも成果が実感できるようになれば、さらに仕事が楽しくなり、生徒や保護者とも良好な関係が築けます。
大勢の生徒を対象とするより、1人の生徒とじっくり向き合って勉強を教えたいという人は、塾講師より家庭教師の方がやりがいを感じられるかもしれません。
自分に合った働き方を選ぼう
塾講師も家庭教師もそれぞれにメリットやデメリットがあり、一概にどちらが魅力的か判断できません。
ただ自分がどんな働き方をしたいのか、どのような夢を持っているかによって選ぶべき方向性も定まってきます。
いずれにしても伝える力とコミュニケーション能力は必要であり、スキルを身に付けるには経験を積んでいくことが何より大切です。