昨今、日本全体で「女性の雇用推進」という言葉を聞くようになりました。

これは、第二次安倍内閣下において最重要施策の1つである「すべての女性が輝く社会づくり」の実現へ向けてた動きを受けたもので、2015年に公布された女性活躍推進法の影響が大きいと言えるでしょう。

更に令和元年5月女性活躍推進法の一部が改正され、今後ますます、「すべての女性が輝く社会づくり」は日本全国に浸透していく事になります。

今回はこの動きを受けて、各事業者様に女性活躍推進法についてと、女性の雇用推進がもたらす企業へのメリットをご説明していきます。

女性活躍推進法とは

まず女性活躍推進法についての紹介です。

厚生労働省の女性活躍推進法特集ページには下記のように定義されています。

女性活躍推進法に基づき、国・地方公共団体、301人以上の大企業は、(1)自社の女性の活躍に関する状況把握・課題分析、(2)その課題を解決するのにふさわしい数値目標と取組を盛り込んだ行動計画の策定・届出・周知・公表、(3)自社の女性の活躍に関する情報の公表を行わなければなりません(300人以下の中小企業は努力義務)。

また、行動計画の届出を行い、女性の活躍推進に関する取組の実施状況が優良な企業については、申請により、厚生労働大臣の認定を受けることができます。認定を受けた企業は、厚生労働大臣が定める認定マークを商品などに付することができます。
引用:女性活躍推進法特集ページ

要約すると

従業員301人以上の大企業は自社の女性活躍に関して課題を分析し、課題の解決に向けた行動計画を立てこの情報を一般公開しなくてはいけないし、従業員300人以下の中小企業にも努力義務を求める

というもので、行動計画の作成・提出を行った企業のうち、実施状況が優良な企業には厚生労働大臣から「えるぼし」認定を受けることができます。

尚、各企業の開示データは女性の活躍推進企業データベースにて求職者も確認することができます。

何故、政府はここまで女性活躍推進に力を入れているのか

今、日本の取り巻く人材不足は世界が経験した事のないほど最悪な状況と言われており、現在の労働市場からの採用では単なるパイの取り合いでしかなく根本的な解決には至る事ができないというのが現実です。

そんな中、「就業を希望しながら働けていない女性は315万人に達する」など働きたいけど働けていない女性が日本の人材不足の助けになるのではないかと注目を浴びるようになり、現在の女性活躍推進へ繋がりました。

自社で女性の雇用を推進する事で得られるメリット

自社で女性の雇用を促進させる取り組みをして、どのようなメリットがあるのか考えたことはありますでしょうか?

いくら日本経済の為とはいえ自社のマイナスにしかならない事はやりたく無いというのが本音だと思いますが、実は女性の活躍を推進する事にはメリットが多くあります。

今回は代表的なメリットを3つあげてみようと思いますが、それが以下です。

  1. 人材不足解消
  2. 優秀な人材の確保
  3. 公共調達の加点対象
  4. 株価や業績へプラスの要素が大きいとされている

1.人材不足の解消

一番のメリットは人材不足の解消が見込める事でしょう。

日本には働きたいと思っていても働けていない潜在的な労働者が多く、その数は女性だけでも300万人以上に登ります。

令和元年9月分の有効求人倍率が1.57倍と労働人材が圧倒的に不足している反面、働きたいと思っている人も多く、人口減少とはいえ現段階であれば、市場に出てきていない潜在的な労働者に目を向ける事で割と現実的な人手不足の解決策となり得ると言うのがわかります。

優秀な人材の確保

女性が働きやすい環境作りとは、育児や介護の支援、休職から復帰した後の復帰支援などの環境整備から始まり、最終的には女性だけではなく、弱者やマイノリティーにも目を向けたダイバーシティ対策へと発展していき、その活動が結果として全ての社員が働きやすい職場作りへと繋がっていきます。

全ての社員が働きやすい会社になると言う事は優秀な人材の流出を抑え、優秀な人材の流入を増やすことに繋がります。

働き方改革が叫ばれ、外資系企業は独自に週休3日制を導入するなど今までの日本には無い働き方の見直しを進めています。

今現在普通の労働環境を提供している企業でも、働きやすい職場作りを疎かにすると今後は相対的に働きにくい職場と労働者から評価されてしまう日が来てしまうかもしれません。

このように、時代の流れに乗り、女性の働きやすい職場を作ると言う行為自体にも、大きなメリットがあるのです。

公共調達の加点対象

厚生労働省にて女性の働きやすい職場になる為一定の努力をしているとして「えるぼし」認定されると公共調達で加点評価をしてもらう事ができます。

これはビジネスにおいて大きなメリットとなる事でしょう。

この事から国がどれだけ女性活躍推進に力を入れているのかが伺える事かと思います。

株価や業績へプラスの要素が大きいとされている

平成24年5月22日に行われた「女性の活躍による経済活性化を推進する関係閣僚会議」の経済産業大臣配付資料には、女性役員の割合が多いと株式市場での評価が高まる傾向にあり、ワークライフバランスの向上に取り組む企業はそうで無い企業に比べて業績が良い傾向にあると結論ずけています。


引用:内閣府男女共同参画局

女性の活躍できる環境を作る事は社員のモチベーション向上にも繋がり、会社の業績にも影響するという事が言えるのでは無いでしょうか。

誰もが働き易い職場を作るのに必要なコスト

では、そんな女性の活躍できる環境を作るとなったとして、気になるのはそのコストだと思います。

具体的な金額は企業によって様々ですので、一概に言えませんが、整備しなくてはいけない事などどういった事にコストがかかってしまうのか紹介していきます。

組織改革に必要なコストとして絶対的にかかってしまうのが以下のようなコストです。

  • 教育費
  • 福利厚生費
  • 人件費

上記のコストは通常の経営でも発生するコストですが、そこに加えてさらに上記のコストが大きく必要になって来ます。

その1教育費

まず教育費です。

いくら経営陣が女性の活躍しやすい環境づくりにやる気を出しても、会社に勤めている従業員の意識改革ができていなければ職場環境を変える事はできません。

ここには外部の講師を入れたり、社内で勉強会を開いたり、働き方改革に関する教育コストが発生します。

その2福利厚生費

さらに福利厚生費です。

今までであれば寿退職していたり、介護で退職していた人達に対してしっかり休業を取れるようにしたり、子供のいる女性社員にベビーシッターの補助を出したり社内に託児所を設けたり働きやすい環境を整える為の今まで以上に手厚い福利厚生費が必要になって来ます。

その3人件費

最後に人件費です。

有給や、産休・育休・介護休暇、時短勤務などをみんなが平等に制度を使いきれるように余剰人材の確保も必要になってくるでしょう。

例えば一人産前・産後休業を取っている職場で、子供が急に熱を出して、保育園に預ける事ができなくなってしまった女性社員が仕事のことを気にせず2、3日お休みを取る事ができるだけの人数は確保しておく必要があるでしょう。

尚、「えるぼし」認定を目指すのであれば法廷時間外労働と法定休日労働時間の合計時間の平均が全ての月で45時間未満である必要があります。

産休・育休・介護休暇で人が足りないから今いる人に残業をしてもらって仕事を回そうとすると「えるぼし」認定を貰えませんし、そういった職場であれば従来通り産休・育休・介護休暇は周りに迷惑がかかるから取りにくいと思う従業員も多くなる為、やはり働きやすい職場にはゆとりのある人員配置が必要になって来ます。

この様にコストについて考えると中々すぐに行動を起こすには難しいと感じてしまうかもしれません。

しかし、今職場の改革をしなければ今後更に激化するであろう人材の争奪戦を勝ち抜く事はできないのでは無いでしょうか?

では、どの様にすれば少しづつでも職場の意識改革や自社の現在の課題の洗い出しを低コストで行う事ができるのでしょうか?

弊社ではマイクロワークという働き方の導入を推奨しています。

弊社では、働く意欲はあるが働くことの出来ない求職者のニーズを捉え、なおかつ企業側も導入コストを抑える事ができる、マイクロワークという働き方の導入を推奨しています。

マイクロワークとは、本来一人でする業務を細分化して複数の人でその業務を担当する事で2〜3時間という短時間の労働を可能にし、求職者の拘束時間という就業ハードルを下げる事で多くの女性に就業していただくというもので、マイクロワークの導入は人手不足の解決と同時にダイバーシティ対策への一歩を踏み出す切っ掛けになると考えています。

例えば保育業務を例に挙げて考えてみましょう。

一口に保育士の業務と言ってもその業務内容は食事や園児のお散歩、から事務作業など複数の業務から成り立っています。

この複数の業務を分解して、2時間などの短時間から働ける様にすることで短時間であれば働けるという人材に働いてもらう事ができるのです。

マイクロワークを導入することにより、多種多様な働き方を受け入れる事ができる為、人手不足の解消だけに留まらずダイバーシティ対策にまで発展しより良い職場環境づくりへ役立つ事でしょう。

弊社ではマイクロワークの導入の支援をしております

現在弊社では、人手不足に悩む事業者様の悩みを解決すべく、マイクロワークの導入支援を行なっております。

業務の分解方法や時短労働者の受け入れ方、求職者のご紹介までワンストップで事業者様のお悩みを解決させて頂いております。

求人を募集しても人が中々集まらない、人材が定着しないなどお悩みの際は是非一度弊社にご相談ください。