派遣会社の乗り換えはできる？メリットやデメリットは？

派遣社員として働いている人の中には、派遣先に不満はないけれども所属する派遣会社に不満があって派遣会社を乗り換えたいと考えているケースもあります。

中には同じ派遣先だけど派遣元の違いで賃金の差が発生しているケースもあるのではないでしょうか？

ただ、派遣会社を乗り換えることができるのか、どうやればいいのかわからないという人がほとんどです。

そこで、今回は派遣会社の乗り換えができるのかどうか、またそのメリットやデメリット、注意点などについても解説します。

乗り換えはリスクはあるができなくもない

まず派遣先を変えずに派遣会社を乗り換えることができるのかというと、不可能ではないもののかなり難しいと言わざるを得ません。

なぜなら、派遣会社や派遣社員は派遣労働法という法律により、派遣先は派遣の労働者の特定をしてはいけないと決められているからです。

つまり、派遣会社から人材を指定して派遣してもらうことができないということになります。

そのため、派遣会社を乗り換える場合は原則として派遣先も変更しなければいけないのです。

特にコンプライアンスを重視している派遣先だと、法律違反になる可能性が少しでもある行為は行わない可能性が高いことから、派遣先が手助けをしてくれることはないので同じ派遣先に居続けることは非常に難しくなります。　

ただ、あくまで法律上特定の労働者を派遣先が指定することができないというだけで、派遣会社を乗り換えても同じ派遣先で働き続けることは不可能ではありません。

実は派遣先の会社に協力してもらうことができれば、決して簡単ではありませんが派遣会社を乗り換えても同じ派遣先で仕事を続けることができる場合があるのです。

しかし、先ほども書きましたが、コンプライアンス意識の高い派遣先は手助けをしてくれることはないので協力して貰えることは稀だということは覚えておいてください

乗り換えるための方法や手順とは？

前提として、派遣先を変えないように派遣会社の乗り換えをするためには、派遣先の会社に協力してもらう必要があります。

そこで、実際に派遣会社を乗り換える手順としてまずやらなければいけないのは、派遣先の会社と信頼関係を築くことです。

派遣先の会社にとってリスクを冒してでも勤め続けて欲しい人材として認識してもらうことができれば、派遣先の協力を得て、派遣会社を変えても同じ派遣先で働ける可能性があります。

そのため、派遣されてすぐに行動を起こすのではなく関係性を構築することに集中することが大切です。

また、相談という形で派遣会社の担当者に乗り換えについて話をしてしまうと乗り換えたことがバレて後からトラブルになってしまう可能性があるので注意が必要です。

派遣先の会社との信頼関係がしっかり築けて乗り換えに協力してもらえることを約束してもらえたら、乗り換えたい派遣会社を検討します。

この時に乗り換えたいと思っている派遣会社と現在の派遣先が取引関係にあるかどうかを確認しておかないと、派遣先を維持することが難しいです。

さらに、派遣先の会社が乗り換えたいと思っている派遣会社のことをよく思っているかどうかという関係性も調べておくと、より協力してもらえる可能性を高めることができます。

こうして事前準備が整ったら、すぐに乗り換えるのではなく所属している派遣会社の契約期間が満了するまで待ちます。

契約期間中に乗り換えてしまうと途中解約することになり、所属していた派遣会社に迷惑が掛かってしまうためです。

したがって、契約期間が満了してから派遣会社に乗り換えることを伝え、必要な手続きを終えてから乗り換えたい派遣会社に登録します。

その時派遣先の会社にも乗り換えが終わったことを伝え、乗り換えた先の派遣会社に派遣先に関することを伝えればスムーズに対応してもらうことができます。

しかし、ここまで信頼を獲得している人材であれば派遣社員として勤め続けるのではなくて正社員としてのオファーがあるのが普通なので何か裏があるのかもしれないとしっかりと考えて行動するようにしてください。

派遣会社を乗り換えるメリット、デメリット

派遣会社の乗り換えにはメリットとデメリットが発生します。

まずはメリットですが、以下のような内容が挙げられています。

今よりも良い条件で働くことができる

派遣社員の給料や待遇は、たとえ同じ環境や派遣先で働いたとしても派遣社員によって異なります。

時給はもちろん有給に関することや交通費に関することなど、派遣会社によって大きく条件が異なっているところも少なくありません。

そのため、派遣の条件が悪い派遣会社で働き続けるよりも、条件の良い派遣会社に乗り換えた方が同じ派遣先であっても良い給料や待遇が期待できるというわけです。

３年以上同じ職場で働ける

本来同じ派遣先で派遣社員と働くことができる上限は３年間と決まっていますが、派遣元を変えることがこれを回避することができます。

しかし、これは非常にグレーなやり方ですし、そこまでして同じ職場で長期間働くことのメリットはないためメリットと言える程、実際の利益はありませんが気持ち的にメリットと感じる人もいるのかもしれません。

しかし、これは本来派遣法が３年ルールを設けている趣旨とはずれているため先ほども書いた通りグレーな考え方であることも覚えておきましょう。

一方、デメリットとしては、以下のような内容が挙げられています。

派遣元が変わると実績がゼロになる

派遣社員の雇用条件は実績によって変動することがあり、実績がしっかりしていれば希望通りかそれ以上の給料または待遇を期待することができます。

しかし、派遣会社を乗り換えてしまうと同じ派遣先であっても実績がゼロになってしまうので、乗り換える前よりも条件が悪くなってしまう可能性もあるのです。

今まで付与されていた有給等も消滅してしまう可能性があります。

希望通りの条件になるという保証はない

ゼロになってしまうのは派遣元での実績だけではなく、派遣会社の担当者との信頼関係も同じです。

派遣先との条件交渉は派遣会社の担当者が行うようになっているので、担当者が上手く交渉してくれないと希望通りの条件が通らないという可能性も出てきます。

信頼関係が築けていなければ担当者との間で条件に関する話し合いや意思疎通がしっかりできず、自分の希望や要望がうまく伝わらないといったことになり兼ねません。

また、派遣法では派遣スタッフを特定することができないのであらかじめ労働者と派遣先で賃金を決めることもできないため実際に契約するまで本当に有利な条件で労働することができるかはわからないのです。

同じ派遣先で派遣社員として勤め続けることに実質的なメリットがない

派遣元を変えて同一の派遣先で働くとこ自体にメリットがあるのかを考える必要がありますが、これは対してメリットはないと言えます。

例えば賃金に不満があるなら現職の派遣元担当者に他の派遣会社のスタッフは時給が高いことを話して賃金交渉をすることが可能です。

と伝えれば恐らく非常に高い確率で派遣元を変える必要性はなくなります。

また単純に案件を変えて時給や労働環境を改善する方法もあり、グレーなことをしてまで派遣元だけを変えることの実質的なメリットはほぼないと考えて良いのではないでしょうか？

リスクを取るなら、好条件の仕事に挑戦してみよう

派遣会社の乗り換えには前述したようにメリットが少ない反面デメリットやリスクがあり、乗り換えに成功したとしても自分の希望した条件で働けなかったり給料が下がってしまったりするなどうまくいかない可能性があります。

その点を踏まえて、派遣会社の乗り換えをするべきかどうか考えていかなければいけません。

単純にもっと好条件で仕事をしたい、と考えているのであれば、派遣会社の乗り換えをするよりも派遣元と単価交渉をしてみたり他の案件へ変えることを検討してみる方法もあります。

そちらの方がリスクが少なく安全です。

その他にも、資格取得やこれまで挑戦したことがない異業種の案件を試してみることで、自分の商品価値が高まり自分の希望した条件に合った仕事や好条件の仕事を見つけやすくなります。

今後のキャリアを広げるチャンスともなるでしょう。

是非現状よりより良い働き方を目指すのであればより積極的な方法で実現してみてはいかがでしょうか？

派遣会社の乗り換えは不可能ではないけれどもリスクが高い

派遣元を維持しながらの派遣会社の乗り換えは難しいものの、派遣元の会社が協力してくれればできる可能性はあります。

ただ、派遣会社を乗り換えたとしても必ずしも希望通りの条件で仕事ができるわけではなく、デメリットも少なくありません。

そのため、派遣会社の乗り換えを検討するのではなく、好条件の仕事や案件に乗り換える方がリスクが少なく安全だと言えます。