派遣社員として働いている方の家族や親族が亡くなった場合、果たして忌引きで仕事を休んで葬儀に出席することはできるのでしょうか。
派遣社員の忌引き休暇の取得については曖昧な部分が多く、一般的にも広く認識されていないかもしれません。
法律上の忌引き休暇の取り扱いや派遣社員の仕事選びも含めて、派遣社員における忌引き休暇の取り扱いについて記述していきます。
忌引き(きびき)とは
忌引きとは、出勤や出席できる能力や意思があるにもかかわらず、家族や親族が亡くなり、葬儀のためや喪に服すなどという理由で学校や会社を休むことと意味されています。
配偶者が亡くなった場合は10日、両親が亡くなった場合は1週間程度の休暇が与えられるのが一般的な考え方です。
忌引きの由来を説明しますと、元々は家族や親族が亡くなり、喪に服す慣習を忌服といいますが、忌引きの本来の意味もこの喪に服すからきています。
また、慶弔休暇や特別休暇など別の呼び名も存在します。
忌引きについては、必ず設けなければいけないという制度ではないため、会社によって忌引き休暇を取得できないという場合もあります。
特に正社員ではなく、派遣社員の場合は忌引きについて扱い方がよく知られていない部分が多いと考えられます。
続いては、派遣社員が忌引き休暇を取得することができるかどうかについて記述していきます。
忌引きが使えるかは派遣会社次第
派遣社員が忌引き休暇を取得することができるかどうかは派遣会社次第なところがあります。
なぜなら、派遣社員の忌引き休暇については労働法や派遣法に明確な取り決めが存在せず、扱い方も若干曖昧な部分があるからです。
この場合は基本的には各企業の就業規則や労働契約で定められます。
ですが、会社によっては派遣社員の忌引き休暇のことについて特に規定を設けていないところもあります。
忌引き休暇を取得することができるかどうかが不鮮明な場合はどのように対応することが求められるのでしょうか。
万が一、派遣社員の忌引き休暇取得について確認したいという場合には、担当者に電話等で問い合わせるようにしてください。
会社の就業規則で派遣社員の忌引き休暇についての取り扱いを確認するようにしましょう。
忌引き休暇が可能であれば、何日間休暇を取得することができるかということも併せて確認しておくと良いかもしれません。
さらに、会社によっては申請書を提出していかなければいけない場合もあるので、手続きも聞いておくとスムーズに申請することができます。
反対に、担当者に確認した結果、忌引き休暇取得について特段定めていないと判明した場合は葬儀へ参加することはできないのでしょうか。
次にこの疑問を説明していきます。
忌引きが使えないときは有給か欠勤で対応
忌引き休暇を取得できない場合は、葬儀に参加することができないのかというとそういうことはありません。
忌引き休暇を取得することができなくとも、有給を消化したり、欠勤扱いにしてもらったりすることができます。
家族や親族が亡くなって葬儀に参加するということは会社を休む正当な理由になります。
忌引き休暇は認められていないということが分かっても、葬儀の出席を諦めることなく別の方法で休暇を取得するようにしましょう。
ちなみに、休暇を取る場合には、有給休暇を取ることをおすすめします。
有給休暇と欠勤の違いは給料が支払われるか否かです。
きちんと有給休暇を会社に申請しなければ、葬儀に参加する期間は給料が支払われなくなります。
忌引きという制度が社会に存在している以上、葬儀に参加して亡くなった家族や親族の喪に服すことは優先されるべき事情です。
仕事のことが心配になるとは思いますが、もし急ぎでお願いしたい仕事があるのなら、きちんと同僚にその旨を伝えて引き継ぐようにすれば特に問題はありません。
有給休暇を取得する上で、万が一支障が出てしまうという場合であれば欠勤して仕事を休むことも可能です。
そのあたりも担当者と相談してみるのもいいかもしれません。
いずれにせよ、葬儀に出席するために会社を休むという選択は、派遣社員にもしっかりと認められております。
忌引き休暇取得ができなくとも、このようにさまざまな手段で手を打つことは可能なので、心配することなくしっかりと休暇を取得してください。
忌引きの有る無しも重要な会社選びの要素
忌引き休暇の取得に代わって、有給休暇を取得することはできますが、数日の有給日数を消化してしまいます。
本来、別の用事で有給休暇を取得するからといって、欠勤する場合には正当な理由があるのにもかかわらず、給料が支払われないということも起こります。
できることなら、忌引き休暇をきちんと取得できる方が本来はありがたいとほとんどの派遣社員の方は望んでいることでしょう。
そのため、しっかりと忌引き休暇の取得が認められている会社であれば、環境的には優れているということが言えるかもしれません。
派遣登録を行うと、就業規則を受け取ることができるため、各会社の忌引き休暇取得も併せた福利厚生について確認することができます。
単純な案件の単価もありますので、一概に言うことはできませんが、就業規則をしっかりと確認して福利厚生が充実している会社を選ぶということも必要となる1つの方法です。
特に忌引き休暇を取得しなければいけない状況はいつ訪れるかは分かりません。
突然、家族や親族が亡くなってしまうということも考えられます。
その緊急事態にしっかりと応対できるのが、安心して仕事ができる会社の特徴です。
これらの特徴を総合的に捉えていくのが本来望ましい会社選びの方法となります。
派遣社員の忌引き休暇取得といった一見細かい部分に思えるかもしれない部分ですが、そこを細かく調べていくことが会社を選択する際に必要な1つの要素と考えられます。
まず優先されるべき事項は、仕事よりも日常生活です。
特に葬儀が家族や親族にとっても大切な儀式なので、万が一のことを想定して会社選びを行っていくことも視野に入れておくといいかもしれません。
まとめ:まずは担当者に確認しよう
以上のことから、派遣社員が忌引き休暇を取得できるか否かは会社が定める就業規則が大きな鍵となります。
そのため、忌引き休暇を取得したい場合は担当者に確認を行い、万が一忌引き休暇を取得できないことが判明しても有給休暇や欠勤など別の手段で休暇を取得できることは念頭に置いておきましょう。
忌引き休暇の取得も1つの権利なので、会社選びの際には就業規則で忌引き休暇取得について確認することも大切です。