派遣社員でも、外部の人と打ち合わせが多い部署で働く場合、名刺が必要と感じる機会があります。
しかし、派遣社員は社外の人間なので名刺を持ってもいいのかどうか、疑問に思う人もいるでしょう。
そこで今回は、派遣社員が派遣先の名刺を作れるかどうかということや、名刺交換が必要になった場合の対処方法などを詳しく紹介します。
派遣社員にも名刺が支給されることがある
派遣社員でも名刺をもらえる事があるの?
と想う人もいると思いますが、現在の法律では、派遣社員が派遣先の名刺を持つことに制約は付けられていません。
派遣社員が派遣先の名刺を持っていても、身分詐称などに当たることはないのです。
派遣社員が名刺を持つかどうかは、派遣先の判断に任せられています。
派遣先が「派遣社員にも名刺が必要だ」と思ったならば、支給されることもあるでしょう。
ですから、派遣先や派遣社員が担当しているポジションによっては派遣社員にも名刺が支給される職場はあります。
なお、一般的には、派遣社員が使う名刺に「派遣社員」と記入されていることはありません。
記入する義務もないのです。
ただし、派遣先が
と言われたら、それに従います。
「派遣社員と名刺に明記してはいけない」という法律もありません。
ですから、派遣社員は名刺を作ってもらえるかどうかや、名刺の肩書きをまず派遣先に確かめて、その指示に従ってください。
名刺を支給してもらうには
派遣社員も仕事内容によっては名刺交換が必要になることもあります。
例えば、社外の人と打ち合わせが多かったり、連絡を頻繁に取ったりするような職業の場合は、名刺があった方が便利でしょう。
また、expoなどに出席する場合は名刺があったほうが連絡先の交換などがスムーズにいきます。
このように派遣社員でも名刺の必要性を感じたら、まず派遣先に説明して理解を求めましょう。
派遣先が名刺を作ってくれたら、それを堂々と使ってください。
- 前例がない
- 考えておく
と返答を濁されたら、何度でも訴えていく必要があります。
また、どうしても埒があかない場合は、派遣元に相談してみてもいいでしょう。
派遣社員よりも、派遣元と派遣先で話し合った方が、要求が通る可能性もあります。
しかし、当然ながら派遣社員に名刺を支給して貰うにはそれなりの妥当性が必要で合理的な理由もなく名刺を要求するのは控えましょう。
なお、会社側が名刺を作ってくれないからという理由で、自分で勝手に名刺を作ってはいけません。
派遣社員が勝手に名刺を作りそれを使用した場合、法律に触れる可能性があります。
もし、
などといわれた場合は、派遣元にも相談しつつ派遣先からどのように作っていいかきちんと指示を受けた後、できあがった名刺を派遣先に見せて使用許可を得ましょう。
その場合は勝手に作ったことにはあたりません。
なお、その場合の費用は基本的に派遣先が支払います。
私物扱いにすることはできませんので、経理のことも事前に確認しておきましょう。
名刺がないときの名刺交換
会社が派遣社員が名刺を持つ必要はない、名刺を持つことを許さないという場合、派遣社員は名刺交換の際、
ただいま名刺を切らしておりまして・・・
と対応してください。
「派遣社員は名刺を持つことを禁止されておりまして」などと、正直に言う必要はありません。
また、社外の人と遭う際に、社員が同行している場合は社員の出した名刺に自分の名前を書いて渡すという方法もあります。
どちらがいいかは、あらかじめ上司の指示を仰いでおきましょう。
どちらでもいいという場合は、その場の状況を見て判断します。
なお、正社員が同行している場合は無理に派遣社員が名刺を渡さなくても良い、と言われることもあります。
ただし、社外の人と会う機会が頻繁にあるのに名刺が全くないという場合は、やはり不便です。
どうしても派遣先の会社に名刺を支給してもらいたい場合は、名刺交換の必要性を社員の人にも知ってもらうといいでしょう。
なお、名刺がないことで、社外の方から「不便だ」「名刺くらい用意してほしい」といわれた場合、素直に派遣先の会社にその旨を伝えてください。
名刺を用意してくれるきっかけになるかもしれません。
くれぐれも自分ひとりの判断で動かないようにしてください。
名刺に関する法律について
名刺は会社の信用を背負っています。
たとえば、派遣社員が何かのトラブルを起こし、自分の身分を証明するものとして派遣先の名前が入った名刺を出した場合、派遣先の会社の名誉が傷つくおそれもあるのです。
そのため、派遣社員にあえて名刺を持たせていないという会社もあります。
また、派遣社員が実際の権限以上の権限をもっているかのように見せかけ、取引先などを信用させた場合、相手が善意無過失だと「相手方は損害賠償を請求することができる」と民法にも定められています。
これは、派遣社員に限らず正社員にも当てはまることです。
しかし、たとえば派遣社員が「私はこの会社の正社員です」と名刺を渡して相手がそれを信じてしまった場合、損害賠償が請求されることもあるでしょう。
また、派遣社員が名刺を渡した際、「自分が派遣社員と名乗らなかったため、取引先が正社員だと信じてしまった」という場合も同様のことが起こるかもしれません。
つまり、派遣社員の方が正社員より権限が狭いので相手に誤解を与えやすいとも言えます。
ですから、会社によっては派遣社員の名刺の扱い方に、独自の決まりを設けているところもあります。
たとえば、派遣社員が名刺を使った場合、いつ、どこで誰に何枚の名刺をどのような理由で渡したか記録させるなどです。
ずいぶんと窮屈に感じられるかもしれませんが、会社が余計な誤解を避けるためと説明すれば、それに従わなくてはなりません。
また、派遣先の会社が定めた名刺の扱い方に従わなかった場合、それを理由に契約が打ち切られる可能性もあります。
これは、法律違反ではありません。
ですから、派遣社員が名刺を支給された場合、会社独自の決まりがあるのなら、それをしっかりと確認しておきましょう。
また、名刺の管理は厳重に行います。
会社によっては名刺を紛失しただけで罰則の対象になる可能性もあるでしょう。
派遣社員の名刺は派遣先の指示に従う
派遣社員の名刺の所持については、現在のところ、法律の整備が十分に追いついていないというのが現状です。
ですから、派遣先が名刺を渡してくれない場合は、「名刺を切らしております」と対応してください。
それ以上は何をしなくても大丈夫です。
また、名刺を支給されたら管理をしっかりとしておき、紛失などが起きないように気をつけましょう。
大企業へ派遣社員として派遣され名刺を手に入れたからとプライベートな合コンなどで使用するなどは絶対にしてはいけませんので気をつけてください。