働き方の1つに派遣社員というものがあります。

派遣社員は派遣元の会社に所属してクライアント(派遣先企業)から依頼があれば、依頼先の会社に行き仕事をする働き方です。

基本的に1つの職場に固定されず働くことができるので多くの職場を体験可能なのがメリットでしょう。

ここでは派遣社員とは何か詳しいメリットデメリットなども含めて紹介します。

派遣社員とはどんな人たちのことを言うの?


派遣社員の定義ですが下記のように厚生労働省のさまざまな雇用形態のページで定められています。

労働者派遣とは、労働者が人材派遣会社(派遣元)との間で労働契約を結んだ上で、派遣元が労働者派遣契約を結んでいる会社(派遣先)に労働者を派遣し、労働者は派遣先の指揮命令を受けて働くというものであり、労働者に賃金を支払う会社と指揮命令をする会社が異なるという複雑な労働形態となっていることから、労働者派遣法において派遣労働者のための細かいルールを定めています。
引用元:厚生労働省様々な雇用形態

基本的に派遣社員は人材派遣会社との間に労働契約を結んでいる人を指す言葉です。

実際に派遣社員は派遣元の会社で働くのではなく、依頼を受けたときクライアント企業に行きクライアント企業の職場で働きます。

賃金に関しては派遣先企業からもらうのではなく所属する人材派遣会社からもらいます。

派遣社員以外にも正社員や契約社員など色々な働き方がありますが内容はかなり違います。

正社員は無期雇用されている人で基本的に雇用主の会社で働き給料も雇用主の会社からもらう仕組みですし、契約社員も雇用期間はありますが正社員と同じで雇用主の元で働き雇用主が給料を払います。

給料を誰からもらうのかという部分は派遣社員とその他の直接雇用と言われる働き方を判別する要素の1つになるでしょう。

さて、少しお給料の話になりましたが、派遣社員として働くときに気になるのが平均時給ですね。

どれくらいもらうことができるのかというと、どのような仕事をするのかにより大きく変化しますが全体的にアルバイトや契約社員と比較すると高めの傾向にあり、例えば専門性の高い仕事の場合正社員より高い時給をもらう事もあります。

パソコンやインターネット、ソフトウェアなどの知識が求められるIT関係の仕事は非常に時給が高く真ん中ぐらいのスキルを持っている人でも時給3000円以上で仕事をすることが可能です。

また翻訳や通訳など外国語を話すことができるスキルを求められる仕事もかなり時給が高めに設定されています。

派遣は能力や実務経験の歴によって時給を上昇させることも可能です。

例えば働きながら経理関係のスキルを学習すれば、経理の仕事ができるので働ける職場の数も増やす事ができます。

能力アップをすれば能力に見合った報酬を手に入れることができるので、向上心のある方に年功序列の正社員より派遣社員という形態は適しているかもしれません。

一般的な働き方との違いは?


派遣社員と直接雇用の社員の違いについて軽く解説しましたが、もう少しだけ具体的に何が違うのかもう掘り起こして解説していきましょう。

基本的に派遣社員は派遣先の企業に雇用されているわけではないということは先ほど解説したと思いますが、一定期間での契約を行うのでその期間の間働くスタイルとなっていて期間がすぎると契約解消さるというのも派遣社員の特徴と言われています。

現在は派遣社員にも有期雇用と無期雇用がありますが、それはあくまで雇い主である派遣元との契約においてで派遣先と派遣元が行う企業間の契約は解消され複数の職場で働く事ができるのが直接雇用社員との大きな違いです。

また上記の特徴から派遣社員は自分のスキルや要望に応じて自由に職場を選ぶことも可能となっていて働きやすい職場やスキルに応じて更に高度な職場を短期で探すこともできるので人によっては派遣社員の方が合っている場合もあります。

逆に直接雇用は基本的に退職しない限り他の企業で働くことはできません。

正社員の場合人事異動や転勤等もありますが、それ以外の雇用形態の場合はほとんどの直接雇用が職場を固定されているので、同じ職場でずっと働きたい人には適しています。

尚、派遣会社には3年ルールという物が労働者派遣法で定められており同じ職場で3年を超えて働く場合は下記の条件に該当しているかルールに従わなくてはならず、条件に当てはまっていないもしくはこれに従えない場合は派遣先を変える必要があります。

  • 派遣元との契約を無期雇用に切り替える
  • 派遣先と直接契約に切り替える
  • 同じ派遣先企業の部署を変更する
  • 60歳を超えている派遣労働者

ただ基本的に派遣元も派遣先もこの条件に切り替えることは稀なので同じ職場で働き続ける事ができるのはほとんどの場合3年までとなっています。

定期的に職場が変化するので、変化に対応する事ができない人にとって派遣社員は難しい働き方です。

正社員の場合は無期雇用なうえ年功序列な場合が多くそのまま長く勤めればお給料も上がりますし雇用も安定しているというメリットもありますが、若いうちは派遣社員の方が給料が高くなってしまうなどのデメリットもありますので、自分の性格に合う方を選択しましょう。

派遣の求人案件が多い時期はいつ?少ない時期は?

派遣求人は時期により数が変動します。

だいたい4月や10月などの定年退職や新年度正社員が増えるタイミングやボーナスが支給された直後の転職をする人増える時期で増加します。

なので、上記で説明した時期よりも1ヶ月位前に派遣社員の募集が行われます。
希望する派遣先があるのなら早期求人チェックを行いましょう。

逆に派遣求人が少なくなるのは長期休暇が続く時期です。

例えば5月はゴールデンウィークがあるので求人数も少なくなります。
12月も年末年始の長期休暇があるため5月同様に求人数が少なくなることが多いです。

長期連休中は派遣先企業も休みな事も多く職場見学のタイミングも合わないなど転職活動が捗りにくいという側面もあります。

派遣社員のメリットとデメリットは?


さてここまで派遣社員について細かく説明してきましたが、これから派遣社員として働くのならメリットやデメリットについて知っておきたいところです。

ここではメリットとデメリットに分けて派遣社員の特徴や他の働き方との比較をしていきたいと思います。

派遣社員のメリット

派遣社員のメリットは主に下記の5つです。

  1. 非正規の中では明らかに時給が高い
  2. 自分の希望条件で職場を変更する事ができる
  3. ライフスタイルに応じて働き方を変えることができる
  4. 希望に沿った業務を選ぶことができる
  5. 担当者にキャリアプランの相談ができる

例えば派遣社員の平均時給は1500円ほどと言われており特に関東や関西など三大都市圏では平均時給が1600円まで上がるとも言われていてこれは大きなメリットと言えるでしょう。

引用:https://jbrc.recruitjobs.co.jp/data/haken/

自分の希望条件で職場を変更する事ができるというのも派遣特有のメリットと言えます。

派遣元を変えずスキルやライフスタイルに応じて短期的に臨機応変に職場を変えることができますし、職場を変えるに際して派遣元は変えなくて良いので有給など次の職場へ行ってもそのまま引き継ぐことが可能です。

希望に沿った業務を選ぶことができる事も派遣のメリットです。

一般的に直接雇用の場合は行う業務に縛りがありません。

欠員が出て人員不足だから担当業務以外の仕事もしてくれ。

なんて言われる事もありますが、派遣社員の場合は最初に契約した業務以外はすることができませんので、自分のやりたい業務に専念することができます。

例えばIT技術を向上させたいときはIT企業の開発部門で自分が希望するポジションでのみ仕事をするだけで良いのですが、正社員の場合はそう上手くいきません。

移動があったりもして自分の希望とする職務に専念できないというのはよくある事で技術者にとってはそれが致命的だったりしますが、派遣であれば自分の希望としているものに絞って業務を選択できるのでその心配もありません。

また自分のキャリアプランなどについては派遣会社の担当者に相談できるのも派遣社員の強みです。
これからどのような方向性を目指すのかすぐそばに相談できる人がいれば今後のキャリア形成に関してもある程度安心することができるでしょう。

派遣社員のデメリット

次は派遣社員のデメリットです。

当然派遣社員にもデメリットがあります。

派遣社員のデメリットは主に下記の4つです。

  1. 基本的に正社員とは待遇が違っているので注意しておきましょう
  2. 高い給料をもらうにはスキルを磨く必要がある
  3. 正社員と比較すると雇用が安定していない
  4. 年齢を重ねるにつれて相対的に給料が低くなる

派遣社員は非正規なので正社員とは様々な待遇が違います。
その職場の正社員とは雇用主が違うので交通費が支給されないことや、確定拠出年金など正社員にある福利厚生が無いということはよくあります。

雇用期間が定まっていて無期雇用の正社員と比較すると雇用が安定していないというのもデメリットです。

さらに派遣社員は前文で紹介したとおりスキルにより報酬が変化します。

そのため高い報酬を得たいときは多くのスキルを学習する必要があるでしょう。

正社員の場合は年功序列の会社が多いので向上心がなくとも給料が上がるのでそれと比較すると勉強するのが苦手な方や向上心が低い人にとって派遣社員はちょっと厳しい働き方です。

さらに年功序列が故に年齢が上がると給料も上がるので30を過ぎてくるとスキルがあったとしても正社員より給料が低くなってしまう事が多々あります。

派遣社員ってピンハネされているの?マージン率って?

派遣会社は労働者から不当にピンハネしている何の生産性もない不当な会社だ!!!
あんなのは身売りと変わらない!!!

人材派遣会社では派遣社員から給料をピンハネしていると考えている人もいるでしょう。

実際に人材派遣会社では派遣先の会社に派遣した社員が仕事をして報酬を貰いその中から派遣社員に給料を払うという仕組みとなっており派遣先から貰う報酬には派遣会社の取り分も入っています。

人材派遣会社がどのくらい利益を取っているのかというと法律などで決まっておらず派遣会社により異なります。

ちなみに平成24年の10月1日より派遣法が改正されて、派遣会社がどれくらいのマージン率なのかという情報をホームページで公開するように義務付けられました。

 尚、派遣先から得た報酬から差し引かれる手数料などをマージン率という言葉を使って表されていて、全体を100%にしたときどれくらいマージンが差し引かれるのかパーセントを使って表します。

具体的なマージン率の相場ですが一般社団法人日本人材派遣協会のデータによると30%となっています。

マージン率の内訳は営業利益が1.2%で派遣会社諸経費が13.7%、派遣社員有給休暇費用が4.2%で社会保険料が10.9%です。残りの70%は派遣社員の取り分という構成をしています。


引用:一般社団法人日本人材派遣協会

上記のマージン率30%はあくまで相場なので会社や職種などにより異なりますが、大手の派遣会社などはだいたいこの割合であると考えられ派遣会社をピンハネ業者というのはだいぶ無理があると言えるのではないでしょうか?

デメリットもあるが総合的に見ると働きやすい環境が整っている


派遣社員は自由な働き方ができるので好きな職場で働けるのがメリットですが、正社員と比較した時雇用が安定していないなどのデメリットもあります。

しかし、昨今はキャリアコーディネーターなどがしっかりサポートしくれて働きやすい環境が整っている派遣会社が増えてきたり2020年からは同一労働同一賃金が始まり正社員との格差も多少は是正されるようになり安心して働ける方法となっていくと思われます。

現在は人手不足な時代でもありますし、求人に困る事も少ないと思うので今の職場に不満があったり働きたい企業があるけど正社員ではハードルが高いといった場合やフリーターをしているけどもっと時給を上げたい時は派遣社員という働き方を選んでみてはいかがでしょうか?

もしよろしければ弊社でも全力でサポートさせていただきますので是非派遣登録して担当者へ相談してみてください。

あなたに最適な労働環境をご用意いたします。