
みなさんが働いている職場ではしっかりと休憩を取れていますか?
職場や時期によってはしっかりとし休憩時間を取らせてもらっていなかったり、8時間以内だから休憩は無しなんて言われて休憩を取れていないなんて人もいるのではないでしょうか?
実は労働者の休憩時間にも労働基準法によって明確な定めがあり、しっかりと労働者が保護されています。
しかし、それを知らないばかりに違法な労働時間を強いられることも良くあるそうです。
今回はそんな労働者の休憩時間について労働基準法の解説や実体験から今の日本社会の実態をお話していこうと思います。
ぜひ最後まで読んで皆さんも労働者としての権利を改めて確認してご自分の現状と照らし合わせて下さい。
最低でも労働時間が8時間を超える場合は1時間、6時間を超える場合は45分の休憩を取れるようにする義務がある
労働者の休憩時間は労働基準法で最低ラインが定められていて
- 労働時間が6時間を超え、8時間以下の場合は少なくとも45分の休憩
- 労働時間が8時間を超える場合は、少なくとも1時間の休憩
を与えなくてはいけないという決まりとなっています。
因みに『与えなくてはいけない』という言葉は厚生労働省のホームページの記載を引用したもので、何があっても企業側は最低でも上記のルールに沿った休憩時間を取ってもらわなければいけないというのがこの言葉からわかると思います。
なので仮に

仕事をしろと命令したわけではない。
従業員が勝手に仕事をした訳だから会社側は悪くなく合法だ
というのは通用しないということが良くわかります。
尚、上に記載している労働基準法で定められている45分と1時間の休憩はあくまで最低ラインの休憩時間であってこれを上回ってはいけないというわけではありません。
転職の多かった私の感覚では午前中に10分、午後に10分プラスで休憩がある企業が多かったと思います。
筆者の場合製造業が多かったのですが、基本的にその時間は機械等も完全に止めてしまう会社が多かったのでしっかり休憩を取らせた方が効率が高いと感じている企業が多いのでしょう。
最近はマイクロソフトが週3日休みで労働生産性はどのように変わるかという実験を自ら行い、見事生産性が向上したというのは有名ですが、やはり働き方改革の影響もあり企業独自の休憩なども今後どんどん増えていくのかもしれません。
6時間ぴったり、8時間ぴったりだったとき
労働時間が労働基準法に記載されている時間ぴったりだった場合、休憩時間のルールが下記の様に適応されます。
- 8時間ぴったり=>45分の休憩
- 6時間ぴったり=>休憩なし
これを見ると少し理不尽に感じるかもしれませんが、労働基準法には
→休憩を付与する義務なし
●6時間超え、8時間以内の労働
→少なくとも45分の休憩を付与する
●8時間を超える労働
→少なくとも1時間を超える休憩を付与する
という様になっていて6時間勤務で休憩なしは違法ではないのです。
安全配慮義務でも休憩を積極的に取らなくてはいけない場合もある
労働基準法には安全配慮義務というのがあります。
簡単に言うと
『雇用主は従業員の健康に配慮した職場を作る義務がある』
という法律で場合によってはこの安全配慮義務の範疇で多めに休憩を取っているという会社や職種があります。
例えば、一日中席に座りパソコン画面を見ているデスクワークには1時間以上連続してパソコン作業をしていた場合10分休憩を挟むといったルールを設けている会社があります。
これは私が実際に働いていた会社の就業規則にあったルールなのですが、理由としては1日中席に座ってパソコン作業をしていると様々な病気になるリスクが飛躍的に上がりますしパソコン画面を長時間見ていることが目の病気の直接の原因になり得るので安全配慮義務の観点から休憩を取らせていると言うものでした。
労働者は様々なルールに守られている関係上労働基準法に定められた最低ラインの休憩では足りないという事も起こりうると覚えておくと良いかもしれません。
休憩には3つの原則がある
さて、ここまで労働基準法にある休憩とその範囲外の休憩について少し解説しましたが、この内労働基準法に定められている休憩には3つの原則があります。
それが
- 休憩は労働時間の途中で与えられる
- 休憩中は労働から解放されている必要がある
- 休憩は一斉に付与されなければならない
なので、労働後に休憩を与えたり、休憩中にちょっとした雑用を頼んだり一人づつ休憩を入れてはいけないと言うことです。
ただ、『休憩は一斉に付与されなければならない』には例外があり以下の業務であれば交代にローテーションして休憩を与えることもできるようになっているので確認してみてください。
- 運輸交通業
- 商業
- 金融、広告業
- 映画、演劇業
- 通信業
- 保健衛生業
- 接客娯楽業
- 官公署の事業
会社が休憩を取らせてくれないときは?
会社が労働基準法が定めている最低限の休憩すら与えてくれなかったり、休憩中に仕事を頼むなどここまでに説明してきたようなルールを守らなかったときは
- 会社の然るべき部署へ連絡する
- 派遣社員の場合は派遣元へ連絡する
- 労働基準監督署へ連絡する
様にしましょう。
なお、この際に会社全体で常習的に違法な状態が続いていたり以前相談しているが改善が見られない場合は遠慮なく労働基準監督署へ連絡することをおすすめします。
しかし派遣社員の場合は良からぬトラブルに発展してしまう可能性があるので自分の担当者には一言入れてから連絡をもらって労働基準監督署へ連絡すると無用なトラブルに巻き込まれず派遣元からの印象を崩さずに済むので担当者への連絡はしておくほうが良いです。
まとめ:休憩は悪いことではありません。
勤勉な日本人に有りがちですが、休憩は悪いこと、申し訳のないことと感じている人も少なくありません。
しかし、休憩を取るというのは労働者の権利であると同時に、休憩を与えるのは企業に与えられた義務です。
最低でも法律に定められている休憩はしっかりとっていきましょう。
上でも少し書きましたがしっかりとした休憩や休日を設けることで労働生産性の向上が認められるというデータが様々なところで発表されています。
企業にとっても従業員に適切な休憩や休日を取って貰うことはメリットです。
法律や会社で決められた分の休みは遠慮なくとっていきましょう。