皆さんは「派遣社員」にどのような印象を持っていますか?

おそらく、ネガティブなワードが少なからず出てくることが予想されます。

これは、比較する対象が「正社員」だからではないでしょうか。

単純に考えれば、契約を繰り返して働く「派遣」よりも、無期雇用の「正社員」として安定した収入で退職まで働く方が安定的で安心できますよね。

この正社員に対しての派遣のレッテルは昔からのものであり、ただそういう固定概念が受け継がれてきたもので、決して「派遣」として働くことが悪いのではありません。

この働き方を良くも悪くも思うのは個人によりますが、派遣社員として働くことにもメリットがあり、加えて派遣で働いたほうがその人にあっている場合もあります。

今回は、そういった「派遣」に対しての不安感や実際に不安定なのかについて考えていきましょう。

派遣は不安定だと思いがち。将来への不安感は自分の思い込みかも?

就職しようと思った時に、まず選択肢として思い浮かべるのは「正社員」ではないでしょうか?

働く選択肢として、まず正社員が挙がるのは最もだと思います。

その背景には「派遣」に対する不安感があったり、その先入観によって派遣として働くことに踏み出せない人がいるかもしれません。

では、本当のところ、派遣として働くことは不安定なのでしょうか?

派遣で働くことに対しての不安感はどんなもの?

派遣として働いてみたいけれど、不安で踏み出せない方もいると思いますが、その不安とはどういったものなのでしょうか。

いくつか挙げてみましょう。

  • 未経験でも働けるのか
  • 年齢制限はあるのか
  • 社会保険や有給休暇などの福利厚生はあるのか
  • トラブルがあったら派遣社員は守ってもらえるのか
  • 正社員との温度差はあるのか
  • 派遣として継続して働いていけるのか

全体的に正社員と比較しての不安が多く挙げられます。

派遣社員だから条件が正社員より劣っていて、働きにくいというイメージが定着しているのかもしれませんが、決してそんなことはありません。

派遣社員も正社員と同様に社会保険に加入できますし、長期で契約を更新していけば、有給も取得できます。

年齢制限もありませんし、一度スキルを身につけてしまえば、契約の継続などの不安も取り除かれると思います。

ただ、派遣社員が働きにくい会社は実際にはあるようで、正社員との温度差を感じたり、職場の雰囲気にストレスを感じてしまう可能性がないとは言い切れません。

その場合には、派遣社員の見方である派遣元に連絡をして相談してみましょう。

万が一、派遣先で問題が発生した際には派遣先に相談するのではなく、まず派遣元に事情を伝えることが大切です。

派遣社員を守ってくれるのは派遣元なので、遠慮せずに連絡したほうが良いでしょう。

本当に派遣で働くことは不安定なのか?

派遣社員だと契約が取れなくて仕事がなくなってしまうかもしれない...

このような不安を感じる人は多くいるのだと思います。

なぜなら、派遣の契約は短期であり、基本的に2~3ヶ月というサイクルで契約を取っていかなければならないからです。

その都度、契約を更新してもらうか、他の会社と契約を結ぶかになります。

最悪の場合には、契約が取れずに無収入の期間が出てしまう可能性もありえるのです。

このような「仕事がなくなるかもしれない不安」というものは、はっきり言ってしまえば、本人の気持ち次第で変わります。

ただ漠然とその不安を抱えたままではなく、自ら行動し、その不安を解消していけば良いのです。

その改善策によっては、正社員よりも安定した働き方を手に入れることだってできるでしょう。

派遣社員の人でも、実務経験を積むことができますし、正社員よりもさまざまなスキルを身に着けるチャンスがあります。

努力次第で企業が求める人材になれるのです。

今の時代、コスト削減に必死ですから、企業に求められる派遣社員になることが一番の安心に繋がるのかもしれません。

派遣で働く人のメンタルヘルスや不安障害について考えよう!

働く人にとって大なり小なり「ストレス」はあるものだと思います。

各々の職場環境にもよりますが、仕事内容や人間関係などに不満や不安があることはごく普通なことでしょう。

そういった労働者の「メンタルヘルス」は派遣社員にも必要であり、条件によっては会社側がそういった措置を取らなければなりません。

労働者のメンタルはどのように管理されているのか見ていこうと思います。

また、働く人にとって大きな壁となる「不安障害」という精神疾患はご存じでしょうか?

その障害の対象はさまざまですが、「働くこと」に対しても起こりうるのです。

派遣」は、その不安障害を抱える方にとって一歩踏み出しやすい働き方であると思いますので、それについても説明していきましょう。

派遣社員のメンタルヘルスは会社が管理している?

派遣社員は派遣会社と雇用契約を結んでいますので、雇用元である派遣会社が派遣社員のメンタルヘルスを管理しなければなりません。

ですが、これには条件があります。

  • 派遣会社との契約期間が1年以上、もしくは契約更新により1年以上の期間が予定されている。
  • 週労働時間が、その派遣会社で働く労働者の1週間の所定労働時間の4分の3以上であること。

この条件を満たした場合にはメンタルヘルスを行う義務が発生します。

ですが、派遣先の企業の規模によっては、そこで働く全ての労働者にこれを行わなければなりません。

その規模については、「常時50人以上の労働者がいる事業所」であり、全ての労働者には「派遣社員」も含まれます。

その場合には、必然的に派遣先と派遣元の連携が必要となるのです。

肝心のメンタルヘルスの内容ですが、厚生労働省で推奨されている「ストレスチェック」というもので行います。

厚生労働省が発行する参考マニュアルに基づき、産業保健スタッフが労働者に質問表にてストレスの調査を行い、分析し、その結果を通知する方法です。

その結果によって、労働者より医師による面接指導の申し出があった場合には、会社は措置を取らなければなりません。

ストレスチェックにより、自分が思っている以上に高いストレスを感じている可能性も十分にあります。

精神的な病にかからない為にも、そのような機会で自分自身を見つめ直すことが大切です。

不安障害を持っていても派遣から仕事にチャレンジしていこう!

不安障害」という精神疾患はご存じでしょうか?

これは、ある対象や状況に対して過剰に恐れたり、不安に感じてしまう病気のことです。

人間には自己防衛反応が備わっていますが、それが状況に不釣り合いなほど過剰に反応してしまいます。

そのような状態になってしまうと、自然とその状況を回避するようになりますので、日常生活や仕事などにも影響してしまうのです。

もし、治療によって不安障害が治癒され、仕事復帰などを望む場合には「派遣」という働き方は有効だと思います。

短期間の契約に加えて、自分の挑戦しやすい職種を選択することも可能です。

万が一、辞めたいと思ったのなら、派遣元に相談してすぐに辞めることもできますので、無理せずにできるところまでやってみることもできます。

また、障害者の就業や生活の支援センターなどもありますので、そちらの施設を利用することも一つの手段になります。

女性は派遣で働くことも有効?シングルマザーでも大丈夫?

派遣社員の需要が高まっている現在では、中には女性の方も多くいるのではないでしょうか?

正社員として働いていたけれど、ある理由で派遣社員になったという話も聞いたことがあります。

その理由としては、「結婚」や「子供」にあることが大半でしょう。

家事や子育てには拘束時間が発生しますし、やはり正社員では融通が効かないケースもあると思います。

また、シングルマザーの方の場合であっても同じことが言え、さらに仕事と家庭との両立が大変になってきます。

そんな女性にとって「派遣社員」は、有効な働き方なのかについて追っていきましょう。

女性が派遣で働くメリットとデメリットとは?

女性にとって「派遣社員」という働き方にどんなメリットデメリットがあるのでしょうか?

いくつか挙げてみましょう。

○メリット
  • さまざまな企業で働くことができ、その分新しい出会いも増える。
  • 大手企業で働くことができる。
  • 短期の契約なので、臨機応変に辞めることができる。
  • 働きたい時に働き出しやすい。
  • 結婚や子育てなどの生活に合わせて働くことができる。
  • 自分なりの働き方が可能で時給も比較的高い
  • 何かあったら派遣元に相談できる。
●デメリット
  • 産休には条件があり、それを満たしていないと要望通りにいかない場合がある。
  • 庶務仕事を任されやすい。
  • 休みの日数に収入が影響してしまう。
  • ボーナスや交通費などは出ないところがほとんど。

この他にも挙げられますが、メリットが多く挙げられる一方で、デメリットが少ないとは言い切れません。

メリットの多くを占めているのは、自由度の高い働き方にあります。

正社員では融通の効かないところを派遣ではうまく調整できたりと、会社に縛られずに働くことに一番のメリットがあると言えるでしょう。

デメリットについては、正社員の待遇と比較して劣ってしまう点が挙げられます。

派遣は働いた分だけ、残業した分だけしっかりとお金を貰うことができますが、休みが多くなってしまった場合には逆に少なくなってしまうことがあります。

その他にボーナスや交通費の支給などについては、貰えることはないと思った方が良いでしょう。

その分時給が高めに設定されていると納得するしかありません。

産休については、派遣会社ごとに条件が異なりますが、一般的には1年以上の連続した雇用契約が必要とされています。

もし、いずれ出産を考えているのならば、派遣会社を選ぶ際に事前に確認しておくことが大切です。

シングルマザーでも派遣で働いていける?

やむを得ない理由により、シングルマザーとして生活しなければならない状況になってしまったら、あなたならどうしますか?

仕事と家庭の両立することは簡単なことではありませんよね。

仕事は大小なりとも拘束されてしまう可能性がありますし、子供の突発的な対応に当たらなければならないこともあります。

そういった状況でうまく生活していくにはどうしたら良いのでしょうか?

そのひとつの手段として、「派遣社員」が挙げられます。

派遣社員は短期的な契約ですが、ライフスタイルに合わせた働き方が可能であり、労働時間調整やシフト調整など、家庭的な事情に合わせられるというメリットがあります。

派遣会社によっては、保育園の保育料割引など、子育てを手助けする福利厚生を備えているところもあるのです。

収入面に関しては、時給が高めに設定されやすいので、正社員よりも月給が多くなることも稀ではありません。

ですが、2~3ヶ月の短期契約を繰り返すことや、仕事が見つからずに収入がなくなってしまうことに不安を感じてしまう方は多くいると思います。

ですが、資格やスキルを身に着けることで仕事は見つけやすくなりますし、派遣として働いた経験は実績として認められますので、派遣だからといって不安に思うことは決してありません。

正社員や派遣社員など、それぞれの働き方にはメリットがあり、デメリットもあります。

自分に適した働き方を見つけ、切り開いていくことが大切であると言えるでしょう。

まとめ:派遣を不安に思うかどうかは自分次第です!

派遣社員として働くことは決して悪いことではありません。

今は正社員や派遣社員と、その他さまざまな働き方がありますが、それぞれにメリットやデメリットがあり、優劣があります。

その選択の正解は、本人が働きやすいかどうか、本人のライフプランに合っているかどうか
ではないでしょうか?

派遣で働くことにとてもメリットを感じている人にとって不安はほとんどないかもしれません。

結局のところ、どう思うかはその人に委ねられていますので、先入観だけで決めつけてしまうのは勿体ないと思います。

派遣社員に興味がある方は世間の噂だけにとらわれずに、勇気を持って挑戦してみてはいかがでしょうか。