読者の皆さんは自律訓練法ってご存知でしょうか。
100年ほど前にドイツで開発された医療用のリラクゼーション技法で、通常は病院で心身症の治療などに利用されています。
ところが特に心身に治療が必要でない人でも、この技法を行うとまるで温泉にでもつかっているかのようなポカポカした、そしてふわふわした気分になるのです。
自律神経や脳幹部のストレスを丸ごと取り除く技法とも言えます。
全部マスターするのは難しい自律訓練法
日本でも一般の方に向けて佐々木雄二先生という医師の方が本をいくつも出版されています。
そんなに素晴らしいのなら一般に流行っているはずだと思われるかもしれませんが、あまり知られていない理由があるんです。
全部マスターするにはとても退屈なトレーニングを毎日のように行い、しかもそれが半年から1年もかかってしまうのです。
そんなものを職場で気軽にどうやってできるのかと思われるかもしれません。確かにフルバージョンは無理!でも一部でもかなり利くんです。
その一部だけなら職場でちょっと空き時間があればできますので試してみてください。
もしフルバージョンに興味がある人は本もありますし、医師等専門家に相談してみてください。
我流でやるのは問題もあるようです。
職場用簡易トレーニング
さて職場でできる自律訓練法のエッセンス中のエッセンスとして、「手足が重く感じると温かく感じる」を取り上げます。
一回3分ほどで結構です。
もしお昼にカップ麺を食べるときは、待っている間にできます。
手足が重くて温かい、というのは感じるだけではなくて、手足の筋肉が弛緩して血行がよくなることから、暗示ではなくて本当に重く感じるし、手足の末端は現実に体温も1度くらい上がっています。
よく肩の力を抜く、と言いますがまさにあれです。
でもいきなり両手両足はできませんので利き腕だけで、しかも手のひらだけでやります。
こんな手順になります。
①目を閉じて呼吸を整える
②両手の手のひらをふとももの上に置く
③利き腕の手のひらに意識を集中する
④利き腕の手のひらでももの体温を感じるようにする
そして右手が利き手ならば
「右手が温かい」とその間ずっと唱える
⑤その間静かに呼吸をする
これだけです。
これを3分やるととても集中してすっきりします。
これをやってると、3回目くらいで実際に手のひらが温かく感じてきて体の緊張が少し取れます。やがて利き手でない方の手のひらも温かく感じてきます。
正式な訓練でも一回あたり3分が目安なので、3分間こんな状態を保つだけで一定の効果はあります。慣れてくると立ったままでもできます。(時間はかかりますが)
仕事で疲れた頭とからだを、飲み物も食べ物もなしで、場所も特に選ばずにリフレッシュすることができます。
便利だと思いませんか。
ご関心があればエッセンス中のエッセンスの部分だけでもぜひ試してみてください。
この部分だけなら独自に行っても特に問題ありませんし、この部分だけならすぐに効果を実感できると思います。