*はじめに。
本格的な屈伸は腰への負担がかかりますのでくれぐれもやりすぎないようにして下さい。また自分には合わないと感じたらただちに中止してください。詳細についてはトレーナー等専門家にご相談ください。

屈伸というと体育の授業やスポーツ・ジョギング前の準備運動のイメージが強いと思います。惰性で行われている最たるもの、そんな気さえします。実はこれがとんでもなく、もったいないことだったのです。ということで今日は侮れない屈伸の効用とより手軽にできる変則バージョンをいくつかご紹介します。最初に正しい屈伸のやり方を見ていきます。


まずは肩幅に合わせて足をそろえ、そのままかがんで弾みをつけます。背筋は基本伸ばしておく。このときかかとを上げないようにすると足首の柔軟性が増します。

しかしその場合はゆっくり調整しながらでないと逆に体重がかかり過ぎてひねったりするのでご注意ください。伸ばすときは下を向かず頭をできるだけ上げておく。

この繰り返しが屈伸というわけですが、実は足の筋肉をまんべんなく使っていくので、かなり優れものの運動なのです。職場でやるにはやや大げさな動作かもしれませんので変則バージョンのご紹介です。

屈伸運動にはかがむことと伸ばすことの二つの動作があります。職場ではこの伸ばす動作に絞って行うといいと思います。

屈伸運動のバリエーション

バリエーション1

膝に手をあてて弾みをつける。10回ほど。

このときふくらはぎに圧がかかります。ふくらはぎは第二の心臓といわれ、足先に行った血をふくらはぎというポンプで心臓に戻しているので、ふくらはぎマッサージをするような感じになります。血行がよくなり足が軽くなります。

バリエーション2

ふとももの中ほどに手をあてて弾みをつける。10回ほど。

これはまさに手を当てている箇所のちょうど裏側に圧がかかります。ふくらはぎから上の足の筋肉マッサージによって血のめぐりがよくなります。

バリエーション3

ふとももの付け根に手をあてて弾みをつける。10回ほど。

これはお尻の筋肉に圧がかかるのがわかります。上記同様、お尻の筋肉マッサージとなり血のめぐりがよくなります。

いずれの場合も負荷のかかる筋肉の場所を十分に意識しながらやるのがコツです。3種類の伸ばし運動でふくらはぎからお尻まで、下半身の筋肉がまんべんなくマッサージされますので血の巡りがよくなりポカポカしてきます。

またこのあたりの筋肉がしっかりしてくることで、歩くときに足が軽く感じる人もいます。そしてこの下半身の筋肉マッサージにより上半身の筋肉のはりなどが多少なりともほぐれたりします。つまり肩こりなどにも効果が出ることがあります。

物足りない人のためのバリエーション4

屈伸の伸ばし体制のまま片足を前に出す。出した足と同じ方の手で足の付け根を抑えてもう片方の手でももの中ほどを押さえて弾みをつける。

こうするとお尻の筋肉とももの内側の上の方の筋肉に相当圧がかかります。10回ほどやって別の足でまた10回やる。

1~4を10回づつ、3回も繰り返すと想像以上の運動になります。かがむ姿勢を避ければ腰への負担も減ります。

ご自宅などでかがみの動作も含んでこの手順でいわゆる屈伸をすると5分もやればもう立派な運動です。筋肉へのマッサージ効果という点では非常に優れていると言えます。本格的に屈伸でやる場合は終了後の腰へのストレッチを忘れずに。

毎日屈伸を5分~15分継続していくと1週間から10日ほどでお尻から太もも、ふくらはぎの筋肉の質が向上してきて常時肩こりが減少して足の疲れがなくなるケースもあるようです。

最後に

屈伸運動だけを健康法にして90代でまだ元気、という方もいらっしゃるくらいです。職場で気軽にできる屈伸の変則バージョン=伸ばし運動。寒い季節ぜひ試してみてください。息抜きになることうけ合いです!