高度情報化社会が進み情報通信技術(IT)が発展し急速に普及するなかで、企業内で働くITエンジニアの専門性も細分化されています。
SEと呼ばれるシステムエンジニアやWebエンジニア、セールスエンジニアなどです。
あまり知られていないセールスエンジニアですが、この記事ではセールスエンジニアについて解説するとともに、平均年収や必要なスキルなどについて紹介していきます。
セールスエンジニアについて興味がある人は是非参考にしてみてください。
セールスエンジニアとは?
セールスエンジニアは企業の商品やサービスを販売する営業(セールス)と、ITに関する技術(エンジニア)の要素を兼ね備えた職種をいいます。
仕事内容は大まかにいうと、主にクライアントに対して営業担当者とともに自社製品やサービスの導入の提案や紹介をしたり、導入後にアドバイスやサポートをおこなったりします。
セールスエンジニアにはセールスとエンジニアが伴っていることから、ITに関する専門的な知識や技術とコミュニケーション能力や高いプレゼンテーション能力などの技術的なスキルと営業的なスキルの両方が必要です。
セールスエンジニアの給与は、平均年収にすると男女合わせて660万円のやや高めな数字となっています。
男女別にすると、男性が670万円で女性が545万円です。
さらに、年齢別にみていくと20代が380万円から430万円で30代が550万円から600万円、40代が590万円から640万円と続きます。
エンジニア不足の影響も受けセールスエンジニアの年収は総合的に高くなっているのが現状です。
雇用形態が派遣社員の場合の平均時給2,000円で中には時給3,000円以上の求人もあるぐらいと高めに設定している企業が多くなっています。
セールスエンジニアは新卒でなる人はほとんどおらず、数年間の技術職のバックグラウンドを持つ人が多いです。
そのため、セールスエンジニアからのキャリアパスは、1つのパターンではなく人それぞれ異なります。
たとえば、そのままセールスエンジニアの責任者(マネージャー)となる場合もあれば、専門性を高めるために他の技術や製品、サービスを担当することもあります。
また、製品やサービスの販売やサポートだけではなく、契約に従ったプロジェクトの遂行に責任をもつコンサルタントとなる場合もあるでしょう。
セールスエンジニアは、将来さまざまな道がある職業ともいえるのです。
セールスエンジニアの仕事内容
前述したようにセールスエンジニアは営業と技術者を伴う職種ですが、実際の仕事内容をイメージできる人は少なことでしょう。
具体的には以下のような仕事をするのがセールスエンジニアです。
- 営業担当者とともにクライアントとの商談交渉に臨む
- 商談が成立した場合の営業・技術部門の橋渡し
- 商品の納品やサービス導入後のクライアントへのフォロー
ここからは、以上の項目について、さらに解説していきます。
営業担当者とともにクライアントとの商談交渉に臨む
セールスエンジニアのメインともなる仕事が、このクライアントとの商談交渉への同行となります。
IT関係の製品やサービスの場合、営業担当者の専門的な知識不足から製品やサービスの利点などを上手く説明できないケースが多々あります。
また、質問をされてもその場では答えられずに1度持ち帰るケースがあり、営業活動がスムーズに進まないケースもありました。
セールスエンジニアが同行すれば、営業担当者が商品やサービスの概要を説明してセールスエンジニアが技術者としての専門的な視点からメリット・デメリットを説明できるのです。
クライアントからの質問や要望があった場合にも、技術者としての知識をもとに適切な回答と対応が可能となります。
商談が成立した場合の営業・技術部門の橋渡し
無事に商談が成立したのち商品やサービスの納品や導入までの間に、クライアント側からさまざまな要望があるケースもあります。
その場合に営業担当者が自社の技術部門に可能かどうか相談し、逆に自社の技術部門からの質問や要望があがることも多いです。
そうしたときに技術と営業力を兼ね備えたセールスエンジニアが間に入って、スムーズな進行を助けます。
商品の納品やサービス導入後のクライアントへのフォロー
商品の納品やサービスの導入後、クライアントに使用方法や設定方法などの説明をするのもセールスエンジニアの仕事となります。
また、万が一商品やサービスに不具合があった場合に専門的な知識や技術をもって迅速に対応するのも、セールスエンジニアの仕事です。
セールスエンジニアにはクライアントとの信頼関係を築きながら、適切にサポートすることが求められます。
セールスエンジニアに必要なスキルや知識
セールスエンジニアにはセールスに関するコミュニケーションスキルと、エンジニアに関する知識・技術の両方が必要です。
コミュニケーションスキルとは具体的にいうと、IT技術に詳しくない人にもわかりやすく商品やサービスを説明する能力と、クライアントの話を聞くヒアリング力です。
説明だけが上手くなっても相手の要望や問いを聞く力がないと契約にはつながらず、セールスに関するコミュニケーションスキルとはいいません。
また、エンジニアに関してはIT技術や知識をもって解決することが多いので、自社製品やサービスについてと、IT技術の活用法などについて学んでおく必要があります。
セールスエンジニアに役立つ資格は「基本情報処理技術者」や「応用情報処理技術者」などです。
また、ビジネス面での知識を得るための「ITストラテジスト試験」も役に立ちます。
未経験からなら派遣でセールスエンジニアという道も
セールスエンジニアは自社のエンジニアなど段階を得てからなる人が多く、エンジニアも営業も全くの未経験からなる人は少ないです。
求人でもセールスエンジニア未経験からの正社員募集はほとんどなく難易度が非常に高くなります。
未経験からセールスエンジニアとして働く場合は、アルバイトや社会人インターンからのスタートが多いです。
しかし、一般的にイメージされるソフトウェア系のエンジニアから連想される、ブラックな環境で働かされる可能性もあります。
もし未経験からセールスエンジニアとして働きたい場合は、派遣求人も多いですので派遣からスタートすることをお勧めします。
派遣であればあいだに派遣会社が入ってくれますので、ブラックな環境に当たりにくく、正社員より採用ハードルは低い上に時給も高くつくケースが多いです。
セールスエンジニアはやりがいがあって伸びる仕事
営業スキルとエンジニアとしての知識と技術を兼ね備えたセールスエンジニアは、日々努力を続ける必要があるため大変な仕事といえます。
しかし、高度情報化社会といわれITが進化していくなかで、自社にもクライアントからも必要とされるやりがいのある仕事です。
年収も比較的高く派遣として働いても時給が高くなりますので、これからも伸びる職種だといえるでしょう。
もしあなたが今の仕事に不安や不満を抱えているのであれば、需要の高いセールスエンジニアへのスキルチェンジも検討してみてはいかがでしょうか?