
大きい買い物をするときお世話になるローンですが、派遣社員の場合、審査を通過できるのか気になってしまうものです。
結論からいうと、派遣社員であってもローンを組むことは可能です。
しかし正社員よりも審査に落ちやすいことは確かなので、いくつかのポイントを押さえて挑む必要があります。
この記事では、数あるローンのなかでもマイカーローンと住宅ローンを中心に、派遣社員がローンを組む際のポイントを解説します。
マイカーローン・住宅ローンとは
ローンとは、住宅や車など高額なものを購入する際に、購入価格の一部を金融機関から借り入れる仕組みのことです。
ローンは事実上お金を借りていることになるので、当然利息が発生します。
ローンを利用すると利息分が購入価格に上乗せされるため、実際に支払うお金の合計は多くなってしまいます。
しかしローンを活用することで、住宅など蓄えてきたお金だけでは購入できない商品が手に入ることに加え、万が一のために使えるまとまったお金を手元に残しながら大きな買い物が可能です。
このようなメリットから、多くのひとが住宅や自動車など金額の大きい物を買うときはローンを利用しています。
ローンには、住宅ローンやマイカーローンなどの用途が決められているものと、カードローンなど用途が決められていないものの2種類があります。
住宅ローンやマイカーローンは銀行や保険会社などが提供し、カードローンは銀行や信販会社、消費者金融業者などが提供しています。
今回はマイカーローンと住宅ローンについて詳しく解説していきます。
マイカーローンとは
マイカーローンとは、その名の通り自動車を購入する際に利用できるローンのことです。
マイカーローンを使えば、手元にまとまったお金がなくてもお気に入りの車を購入できます。
マイカーローンには銀行系ローンや自社ローンなどいくつかの種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
そのなかでももっとも特徴的なのがディーラーローンです。
ディーラーローンとは、自動車を購入するときにその場で契約できるローンのことを指します。
ディーラーローンは、他のマイカーローンよりも金利が高い傾向がありますが、自動車購入と同時に契約できるため、余分な手続きがいらないのが特徴です。
またディーラーローンの場合、ローンを完済するまでの間、車の所有権はディーラー側にあります。
そのためディーラーローンは、他のマイカーローンより審査が通りやすいとされています。
派遣社員がマイカーローンを利用するには、このディーラーローンを選択したり後述する審査のコツを駆使したりすると良いでしょう。
住宅ローンとは
住宅ローンとは、住むための物件購入の際に利用できるローンのことです。
住宅ローンは、住むためのものであれば新築でも中古でも、また戸建てでもマンションでも利用できます。
しかし本人が住むためでなく、他人に貸すためやセカンドハウスに対しては利用できません。
住宅ローンは、主に公的ローンと民間ローンに分けることが可能です。
公的ローンとは公的機関が行う融資のことで、サラリーマンを対象とする財形融資と、地方自治体が行う自治体融資があります。
一方の民間ローンは銀行や生命保険会社などが行う融資で、金融機関と不動産会社などが提携して行う提携ローンと、そうでない非提携ローンに分けることが可能です。
住宅ローンには、公的ローンと民間ローンの中間に位置するものもあります。
それがフラット35です。
フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して行っている住宅ローンで、最長35年の固定金利でローンが組めるのが特徴です。
金利が長期間変わらないことに加え、保証人や保証料が必要ないこと審査時に雇用形態を見ないのがフラット35の特徴で派遣社員が住宅ローンを組むならフラット35を利用することをお勧めします。
派遣社員でもローンは組める!
一般的にローンは、安定した職種に従事していたり正社員であったりと、社会的なステータスがないと組めないイメージがあります。
しかしこれは必ずしも正しいイメージではありません。
たとえ派遣社員であっても、住宅ローンやマイカーローンを組むことは可能なのです。
なぜなら、ローンが組めるかどうかを判断する基準は借り主のステータスではなく、返済能力があるかどうかにかかっているからです。
したがって派遣社員であっても、十分な返済能力を有していることが証明できれば、ローン審査を通過することが可能なのです。
しかし、正社員よりも派遣社員のほうがローン審査に落ちやすいのは事実であるため、ローン審査のコツをふまえたうえで審査に臨むことで、ローンが組める可能性を引き上げることができます。
またローン選びを工夫することで、派遣社員でも審査に通りやすくなることがあります。
マイカーローンに関しては、先ほど紹介したディーラーローンならもともと審査が甘めなため、派遣社員でも利用しやすいといえます。
また住宅ローンに関しては、先ほど紹介したフラット35を選ぶと良いでしょう。
フラット35には雇用形態による制限がないため、派遣社員でも申し込みが可能です。
ローンの審査を通すためのコツ
派遣社員がローン審査を通過するためには、返済能力があることを証明できるかどうかがポイントです。
審査のコツを解説する前に理解しておかなくてはならないのが、ローン審査における信用情報の重要性です。
信用情報とは、個人のクレジットやローンに関する情報が記録されているものです。
新たにクレジットカードを作成したりローンを組んだりする際には、この信用情報をもとに個人の信用力を判断します。
したがって、この信用情報に返済能力を疑われるような情報が登録されていると、新たにローンを組むのが難しくなるのです。
信用情報をクリーンに保つには
信用力を下げてしまう事柄として代表的なのは、クレジットカードの延滞です。
延滞はいうなれば「借りたお金を期日までに返済しなかった」ことを表すため、信用力を大きく下げてしまいます。
またキャッシングの利用も信用力を下げてしまう可能性があります。
頻繁にキャッシングを利用している場合には特に注意が必要です。
将来住宅ローンやマイカーローンの利用を考えている方は、クレジットの返済やキャッシングの利用には細心の注意をはらい、信用力を低下させないようにしましょう。
万が一すでに信用力を下げる行為をしてしまった方は、登録された情報が抹消されるまで待つと良いでしょう。
信用情報は一定の保有期間を過ぎると自動で抹消されるので、待つことで信用力を回復させることができます。
信用情報の保有期間は、一般的にブラックリスト以外は半年ほどと言われていますが信用情報機関や情報の種類によって異なるので、気になる方は信用情報機関に開示請求を行い、自分の信用情報を確認すると良いでしょう。
現在の借り入れも要注意
信用情報には過去の借り入れに関する情報だけでなく、現在のクレジットやローンの利用状況も登録されています。
他にもローンが組まれていたり、リボ払いの残債があったりすると、返済能力を疑われ審査に落ちてしまう可能性が高まります。
すでに借り入れをしている方は、それをしっかり返済してから新たにローンを組むようにしましょう。
他にもある!審査のコツ
ローン審査を通過しやすくするためには、頭金を増やすことも有効です。
頭金とは、ローンを利用する際に最初に支払うまとまったお金のことです。
この頭金を増やすことで、ローンで借り入れる金額を減らすことができるため、審査に通りやすくなるのです。
さらにフラット35などは頭金を1割以上用意すると金利が下がるなどの特典もあるため総返済額も下がり可能な限りそういった特典を受けられる程度には頭金を用意しておきたいですね。
将来ローンを活用して住宅や自家用車の購入を考えている方は、頭金となるお金を事前に貯めておくと良いでしょう。
パート・アルバイトでのローンは厳しい
これまで派遣社員を対象にローンを組むための審査のコツを紹介しましたが、同じ非正規雇用であっても、アルバイトやパートの方がローンを組むのは難しいといえます。
なぜならアルバイトやパートは、正社員や派遣社員とくらべ雇用が不安定で元々がフルタイムで働くことを想定している雇用形態ではないため、安定した収入があったとしても返済能力を証明するのが難しいからです。
比較的低額な中古車のローンならまだしも、住宅ローンはまず無理と考えたほうが良いでしょう。
住宅ローンのなかで唯一利用できる可能性があるとすれば、雇用形態による申し込み制限がないフラット35です。
しかしたとえフラット35であっても、アルバイトやパートの場合、正社員や派遣社員よりも厳しい審査が行われるため、先ほど紹介した審査のコツを駆使したとしても、ローンを組むまでにいたる可能性は低くなります。
アルバイトやパートの方で、住宅ローンやマイカーローンの利用を考えているなら、思い切って正社員になるか、
派遣社員に転職すると良いでしょう。派遣社員での勤務経験を数年積めば、正社員と同程度にローンが組めるようになります。
しっかりと準備を重ねて審査に挑もう
派遣社員でも住宅ローンやマイカーローンを組むことは可能です。
しかし正社員よりも審査に落ちる可能性が高いことは事実なため、派遣社員がローンを組む際には、審査に通りやすくするための工夫が必要になります。
この記事で紹介した審査のコツを参考に、しっかりと準備したうえで審査に臨めば、きっと期待通りの結果が得られるはずです。
派遣社員だからとローンを組むことを諦めずしっかりとした準備をして審査に臨みましょう。