製造業や工場勤務と聞くと、重労働で男性中心の職場をイメージする人も多いのではないでしょうか。
ただし、ひとえに製造業と言っても業界は広く、女性が多く活躍している現場もたくさんあります。
この記事では製造業において女性従業者が多い業界や具体的な仕事内容、女性が製造業で働くメリット、そして理想的な働き方について紹介します。
実は女性が多い製造業
経済産業省のデータによると、製造企業において女性従業者の比率は大企業が22.9％であるのに対し、中小企業が42.5％と倍近くの数字になっています。
ただ、中小企業の中でも女性従業者が多い業種もあれば、比較的少なめの業種もあります。
最も多いのが衣服やその他の繊維製品製造業で、女性従業者比率が73.6％を占めます。
次に多いのが食料品製造業の61.1％、さらに皮革製品の52.3％、電気機械器具の51.1％、繊維工業の51.0％と続きます。
逆に女性従業者比率が小さいのが、石油製品･石炭製品製造業の17.8％、鉄鋼業の18.6％となっています。
多岐にわたる製造業の中でも、細かい手作業が必要となる労働集約型の業種に女性が多く、労働力より資本設備への依存度が高い資本集約型の業種は女性従業員の割合が小さいという事がわかります。
実は女性にとってもメリットがある
女性が製造業で働く場合、以下のようなメリットがあります。
- シフト制が多く家事や子育てと両立しやすい
- 残業が少ない
- 人間関係に悩まされない
それぞれのメリットについて詳しく解説していきましょう。
シフト制が多く家事や子育てと両立しやすい
製造業の場合、工場を24時間稼働させている事も少なくありません。
シフト制を導入している場合も多いので、自分のライフスタイルに合わせて働くことができ、例えば子育て中の人であれば、保育園や習い事の送り迎えに合わせて勤務時間を調整出来ます。
基本的に前月に翌月のシフトを決めていくので、参観日や運動会など予定がわかっている行事に関しては休みや半休を取っておけるので、子供との時間も大切に出来るのです。
残業が少ない
シフト制を導入している製造業は残業が少ない所が多いです。
大抵は決められた定時に退社出来るので、帰宅してから家事に費やす時間、習い事や趣味に充てる時間も十分に確保できます。
仕事ばかりの毎日ではなく、自分のプライベートな時間も大切に出来るのは大きな魅力と言えます。
人間関係に悩まされない
仕事の続けやすさは職場の人間関係が大きなウエイトを占めます。
どれだけ賃金が高くても、人間関係が上手くいかなければ長く働けません。
特に女性は派閥やグループなどが出来やすいので、同僚との関係に悩んで仕事を辞めてしまう人も多いのです。
製造業の場合、例えば検品やライン作業は女性従業員が任される事が多く、1人で黙々と仕事をこなしていきます。
会話をすると間違う可能性もあるため、人に気を使って話をする必要もありません。
煩わしい人間関係に悩まされたくない、目の前の仕事だけに没頭したい人にとっては働きやすい職場です。
製造業ってどんなことをするの？
ここまで製造業の女性比率やメリットについて解説してきました。
しかし、一番大切なのは仕事内容ですよね。
製造業は自動車工場から食品工場まで多岐に渡りますが、業種によって仕事の内容は違ってきます。
ここでは大まかな括りにはなりますが、作る製品毎に仕事内容を簡単に紹介していきます。
組立て･加工
例えば、自動車工場では、電動ドライバーやレンチを用いての組み立て作業、ハンダやプレス加工といった加工業務を行く、業務中に顔や服が汚れる事も少なくありません。
技術力とともに体力も必要なので、力の弱い女性には不向きと言えます。
検査･検品
工場内で作られた製品の中に不良品が無いか、異物が購入していないかをチェックしていく作業です。
家電や車の製造会社でも必ず検品作業は行われます。
一つ一つ小さな欠陥でも見落とさないよう注意しなければならず、集中力が求められますが、細かい部分に気付きやすい女性には向いている仕事です。
機械操作
機械に材料を投入して操作を行っていきます。
金属線を加工する機械、封筒のセット作業など機械によって目的も様々です。
大型の機械を稼働させなくてはいけませんが、マニュアルに沿って作業していくので、特に難しくはありません。人の手なら重労働でも、機械が全て作業をするため、女性でも慣れると難なくこなせます。
運搬･梱包
運搬はフォークリフトや台車を使って製品を移動させます。
フォークリフトの免許を持っていると有利ですが、重い物を運ぶ機会が多いため重労働になります。
一方、梱包とは出来上がった商品を箱詰め、袋詰めしていく作業です。
作業の工程はマニュアル化されており、決められた通りにきっちり詰めていくだけです。
梱包した商品はお客さんの手に渡るものなので、丁寧さや見た目の綺麗さも求められ、手先が器用でテキパキと仕事がこなせる人は重宝されます。
食品加工
食品工場は求人数も多く、女性もたくさん活躍している現場です。
お弁当やお惣菜、パン、冷凍食品などを生産していく工場で、食品の調理から味付け、パック詰め、トッピングなどが主な業務になります。
製造ラインによって食材を決められた通りにカットする、お弁当の容器に盛り付けていくなど、作業内容が違ってきます。
いかに手際よく作業が進められるか、また食べ物の質や安全が守られるよう細かい気配りが出来るかが重要で、特に料理の得意不得意は関係ありません。
中小企業で働くなら派遣社員で
製造業は中小企業で女性従業者率が高くなっています。
早く仕事を見つけたい人にとって、女性を積極的に受け入れている会社はありがたい存在ですが、会社選びは慎重に行わなければいけません。
基本的に中小企業は大手企業の下請けの仕事をしているため、中には長時間労働の状態化や過大な業務量、残業代未払いなどで社員を苦しめている会社もあるのです。
後になって後悔するリスクを減らすためにも、派遣社員という働き方を選んでみても良いかもしれません。
派遣社員の場合は、登録している派遣会社の社員になるため、働いている職場と雇用主が異なります。
契約の際は、あらかじめ仕事内容や勤務時間も決められており、もし残業するとなった場合はきっちり残業代が支払われます。
また、契約内容に違反する事になるため、無茶な仕事をさせられる心配もありません。
その他、派遣社員の良い所は、契約期間が決められているため、合わないと感じた仕事や会社に長くしがみつく必要が無い事です。
製造業の中で自分がどんな仕事が向いているのかわからない人も、まずは派遣社員として働いて様子を見るという方法もあります。
自分に合った職場を見つけよう
製造業は女性が働きやすい業種で、特に子育てや家事と両立させたい人から人気があります。
積極的に女性を採用している中小企業も多いですが、職場によって仕事の内容も違うため、まずは具体的な業務内容を把握して、慎重に職場選びをする事が大切です。
また、正社員やパート、アルバイトといった働き方もありますが、入社後に後悔するリスクを減らすためには派遣社員として働くのも方法の一つです。
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