健康保険料ってどうやって決められるの?

社会保険料は、国民の義務ですがこの中身には詳しくないという人が多いですね。健康保険、厚生年金(民間企業の場合)、介護保険、別々にみると国民生活になくてならないものへの支払いだとわかります。

それぞれがとても膨大な内容で複雑なため、中々内容を理解するのが難しいです。そこで、今回は社会保険の中でも一番身近な健康保険についてご紹介します。

全体の内容は前述のように膨大ですから健康保険料の決定の方式に絞って話をします。当然ですが、社会保険料はなんだかわからない計算によっていつのまにか決められるものではありません。下記のようなきちんとした根拠があります。

  • ①被保険者が事業主から受ける毎月の給料などの報酬の月額を
  • ②区切りのよい幅で区分した標準報酬月額と
  • ③三月を超える期間の賞与から千円未満を切り捨てた標準賞与額を設定し、
  • ④保険料の額や保険給付の額を計算します。

*全国健康保険協会のHPの文章より

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3160/sbb3165/1962-231

健康保険料の計算、内容のまとめ

内容理解のために簡単にまとめますと、4月から6月の3ヶ月間の給与等(通勤手当を含む)の平均を、等級表に照合して額を出します。年に4回以上(3.5ヵ月等も考えられますが)の賞与がある場合はそれも給与の平均額に加味します。そして賞与についてはこれと別途徴収します。ということです。

主旨としてはその人の受け取る報酬の平均値を出して、それに見合う額を徴収しますということ。もちろん収入が多いほど支払う額も多くなります。また賞与は別途引かれます。

次に、賞与から支払う健康保険料について書きます。賞与の場合は「標準賞与額」を使って計算することになります。これに社会保険の料率を掛けて計算をするわけです。

健康保険の上限

健康保険の場合は上限があり年度の累計で573万円」となっています。すごい額ですが、たとえば上期ボーナスの標準賞与額が500万円だったら、下期はいくら賞与をもらっても73万円が標準賞与額になるということです。

以前は賞与からは社会保険料の対象ではありませんでした。正式に賞与から社会保険料が引かれるようになったのは平成15年4月からです。

平成15年3月までは月収に対してのみでした。しかし、収入としての考え方は“月給であろうが賞与・ボーナスであろうが同じ”という考えから、賞与にも社会保険料がかかるようになりました。これを“総報酬制”と言います。

この措置が取られた背景の一つに、月給に対してのみ社会保険料をかけると、月給を安くして賞与を多めに支給する会社が出てきたからです。こうすると従業員も事業主も社会保険料を節約する事ができるわけですね。「社会保険逃れ」と呼ばれていました。総合報酬制になるとこの方法は使えないというわけです。

以上が健康保険料の徴収額算出の考え方です。一生懸命働いて得たお給与の中の控除、有効に使って貰いたいと強く願います。