最近の天候についてはよく異常気象と言われます。

地球温暖化が原因とする声も大きいものがあります。

ちょっと前まではなかった集中豪雨にゲリラ豪雨、大きな台風、季節外れの台風など日本でもその被害は大変なものがあります。

日常生活にも影響が出て、たとえば通勤の際、電車の運行状況や道路状況から目を離せなくなる時がありますね。仕事に影響が出ないよう天気予報から目を離せない時が以前より増えたような気がします。

さて今回は日本の異常気象の原因の一つとされるエルニーニョ現象とラニーニャ現象について、簡単にご紹介してみます。

ちなみに「エルニーニョ」と言う言葉は、スペイン語で「神の子(キリスト)」や「男の子」という意味です。

ペルーの漁師達が毎年クリスマスころに海水温度が高くなることに気がつき、エルニーニョと名付けたとのこと。逆に温度が下がることをラニーニャというわけですがこれはスペイン語で「女の子」という意味です。

やがてその現象はペルー沖に限たらず南太平洋全域に渡る広範囲な現象ということが解ってきました。

気象庁の解説

気象庁のホームページにはわかりやすい解説があります。

エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象です。

逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれ、それぞれ数年おきに発生します。

   エルニーニョ現象図         ラニーニャ現象図

※気象庁ホームページより

ひとたびエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられています。

いつもより海面の温度が高い時が赤色、低い時が青色、とてもわかりやすいですね。

あの南米からオーストラリアの近くの海岸の温度の高低が世界中の気候に影響を与えるのですね。

どうしてそうなるのか?エルニーニョのシステムを見ていきます。ラニーニャは要はその逆と思ってください。

ペルー沖の暖かな海水が日本の夏になる

南太平洋の海面温度と日本の夏の関係です。 

通常のペルー沖の温められた海水は貿易風によって西に流される

なので暖められた海水がペルー沖からオーストラリア・インドネシア沖の西太平洋沖にやってきてその界隈の海面はより暑くなる

西に海水表面が流されたペルー沖では、水の補充の形で深海の冷たい水が表面にやってくる。

そうするとペルー沖は当然冷える。温かい海水がやって来た西太平洋沖が少し上がる、

こんな循環を繰り広げているわけです。

さらに

西太平洋沖では暑くなりすぎて海水の蒸発に拍車がかかりその結果積乱雲が発生する。さらには台風も発生する。

積乱雲発生とともに温かい海面温度が上昇気流となって、北半球の上空へ舞い上がる。そしてそこを流れている偏西風をその流れごと北に押し上げる。それが日本に吹いて暑さをもたらす太平洋高気圧となり日本の夏となるわけです。

壮大な地球規模の風が吹けば桶屋が儲かる的なシステムですね。

ちゃんとペルー沖の暖かな海水が西太平洋にやってこないと日本の夏が暑くならないとは筆者も知りませんでした。

バランスが崩れると大型台風や豪雨に

さてエルニーニョ現象はこの循環を根本から止めるわけです。

なぜなら①から⑥までの流れで温かい水がペルー沖から西太平洋にやってくることが重要なのですが、それがそうならないのがエルニーニョです。

つまりペルー沖に温かい水が戻っていくのです。

そうすると①と②がなくなるので③④⑤⑥はみな起こりません。

そうしたら日本には赤道あたりを吹く風が押し出されてやってこない!冷夏となるわけです。そして日本の夏が温度が上がらないだけではないですね。

その大気循環のバランスの崩壊は季節外れの大型台風や豪雨などを引き起こすことになっていきます。

エルニーニョとは神の子という意味ですが、実際起こってしまうとこれはまるで逆の意味、悪魔のような台風などがやってくることになるわけです。

原因を究明して何か問題解決ができるようならありがたいことだと思います。仕事を持つ身として、天気予報をチェックするのは以前にもまして大事になってきました。

その中でエルニーニョやラニーニャの名前を耳にしたら、その年は全般的に注意が必要ということになると思います。

月並みですが天気に負けずにがんばりたいものです。