このコラムでご紹介している給与から引かれるものシリーズ、これまで所得税、健康保険料と来て今回は住民税です。

同じ税金でも所得税なら収入に応じて税率が掛けられ、消費税はご承知のように一律8%と決められていますが、住民税のしくみはどうなっているでしょうか。

内容を見ていきましょう。

住民税について国税庁のホームページには次のように記載されています。

住民税(道府県民税・市町村民税)

◎住んでいる(会社がある)都道府県、市区町村に納める税金です。
◎道府県民税も市町村民税も一括して市区町村に納めます。

道府県民税と市町村民税は合わせて「住民税」と呼ばれており、住民がそれぞれ住んでいる(会社がある)都道府県や市区町村に納める税金です。

「住民税」は住民(や会社)が平等に負担する金額(均等割)と、前年の所得の額に応じて負担する金額(所得割)から成り立っています。住民税というのは道府県民税と市町村民税の統一名称として使われるものというわけですね。

また、住民税の支払い期間は『6月~翌年5月』を1年間として数えます。

ややこしいのですが住民税は、「1月~12月」の収入に対して翌年の「6月」から納付します。そのため5月ぐらいまでに金額が決定され通知されるようになっています。

もう少し詳しく見てみます。

(1)所得割:前年の所得金額に応じて課税される

所得割は住民税の大部分を占めます。

前年の1月から12月までの1年間の所得が計算の基準となります。

そして課税所得金額に道府県民税、市町村民税のそれぞれの税率を掛けて算出されます。

税率は標準税率として
●所得割 市町村民税6%+道府県民税4%=合計10%
となっています。

全体の計算式にすると少し複雑ですがこうなります。
所得割額=(前年の総所得金額等-所得控除額)×税率-税額控除額

会社勤めの場合、年末調整の時期に発行される源泉徴収票の内容が勤務先から各住所地の市区町村に送られます。

そのデータをもとに、住民税の課税額が決定されるというわけです。

(2)均等割:所得金額にかかわらず定額で課税される

均等割とは、所得が多いか少ないかにかかわらず負担する均等の税額のことです。標準税率は市区町村税が3500円、都道府県税が1500円。

●市町村民税3500円+道府県民税1500円=合計5000円

となっており、これを基準にして自治体ごとで多かったり少なかったりしますが、概ね市区町村税は3500円から4400円、都道府県税は1500円から2500円まで負担額に幅があります。

なお、前年の所得が一定金額以下の人(専業主婦や学生、生活保護を受けている人など)は住民税が非課税となるケースもあります。

支払う時と支払わない時とで大変な差がありますので、該当の可能性があればしっかり確認することをお勧めします。

最後に住民税は、1月1日現在の住所地で課税されます。

そのため、1月2日以降に他の市町村に転居した場合でも、1月1日現在で居住していた市町村に全て納付しなければいけません。

会社勤めの場合は、この部分は会社で処理されますが、ちょうど引っ越した人は支払う先が前の住所になっているのはこういう事情によるものです。

私たちの報酬から当たり前のよう引かれる住民税ですが、そのお金で市町村や都道府県は住民サービスが行われます。

ぜひ有効に使ってもらいたいものですね。