必要な人材を確保できないことで経営が行き詰まり倒産すること、それが人手不足倒産です。でも、倒産するほど人手が足りないことってどうして起こるのでしょうか。倒産する前になぜ採用して人材確保しないのでしょうか?

帝国データバンクの2017年7月に公表したデータによると「人手不足が原因の倒産件数」は4年前の2.9倍に増えたとのことです。有効求人倍率が1を超えて求人市場が活性化する中、人材確保が滞り倒産までしているわけですね。件数でみると2017年の上半期(1~6月)の人手不足による倒産件数は49件。同じ時期の全体の倒産件数は4247件であり全国で49件というと少ない感じもします。

事業はうまくいっているのに、事業運営のための人が確保できず倒産するというのは、経営者からみたら断腸の思いでしょう。人手不足倒産のケースで見えてくる傾向の一つです。(あくまで一つの見方です。実際にはさらにいろんな要因があると思います)総じて言えるのは、過重労働と長時間労働の仕事に人が集まりにくい、集まってもすぐにやめてしまうということです。

  • ①ただでさえ集まりにくい仕事内容
  • ②やっと人が入った
  • ③でもすぐにやめてしまった
  • ④ますます集まりにくくなった
  • ⑤人手不足による倒産

人を出すことに経費がかかる場合もあるため、人材確保が負のスパイラルになっていくのです。

人手の足りない職もあるが、改善されている会社も確かにある

過重労働の職業であるというイメージが定着していて、敬遠される職種もありますが、実際にはそういったイメージ払しょくのために現場では様々な手が打たれており、一般のイメージよりだいぶ先を進んでいるところもあります。

慢性的に人手が足りない職種もありますが、改善も進んでいる会社も確実にあります。仕事を探すときに、過重労働、長時間労働のイメージがある職種を避ける人が多いのも事実ですが、意外と時給が高かったり、社員思いだったりもするので、その点、最初から除外するのはもったいないかもしれません。たとえばこんな工夫をしているところもあります。

1.人材を集めるために賃上げ

当たり前ですが給料や時給が高いと人は集まりやすいです 多少大変でも頑張りがいもあります。稼ぎたい人にはねらい目かもしれません。

2.その会社に明確なビジョンがあること。

社会的にも人間的にも共感できるビジョンがあることですね。そういう職場ではやりがいや充実感を感じるものです。

3.人間関係

入社後に研修がきちんと行われているか、仕事しながらのトレーニングを先輩がサポート する体制が取られているか、に注目してみる。その点がしっかりしていると、人を大事にする会社であることが多いです。そういう会社では先輩や同僚との関係もおおむね良好のケースが多数。人間関係が良いのは何よりですね。

人手不足倒産と働き甲斐。こういう会社を見極めるためにも派遣会社や人材紹介会社を活用するのも良いでしょう。