建築設備管理業務の中でも、需要が高いものとしては、電気や給排水、空調など、施設全体に必要不可欠となる設備を維持管理する仕事の需要が比較的高いといえます。

これらがなくては施設全体が使えなくなってしまうからです。そしてビルを管理する総合的な技能士となるビル設備管理技能士の資格を取得することにより、ビル設備であればすべての管理が行えるようになります。これに加えて電気工事士や、消防設備士などの資格を取得することにより、様々なことに生かせるようになるでしょう。

設備管理という言葉を聞くと、定年退職をした人が再就職する場所というイメージを持つ人も多いかもしれませんが、近年の設備管理の仕事は多くの専門知識を持ったプロでなければ務まらないというものも多く見られます。

設備管理の仕事の年収

設備管理の仕事の年収としては難しい資格を取得していれば600万円から700万円ほどを稼ぐ人も見られます。しかし平均的には400万円前後と言えるでしょう。

設備管理の仕事が必要とされる場所としては、ビルをはじめとした商業施設、病院、学校など多くの場所が存在します。設備管理の専任者を置かなければならないという法律はありませんが、それなりの大きさの施設であれば、設備管理の専任者がいなければ、設備を維持していくことは難しくなるでしょう。

また設備管理の仕事は、24時間体制の場所が多く見られます。メンテナンスの方法によっては、施設の内部に人がいなくてはできないこともあるので、交代制で業務にあたったり、残業になることも珍しくありません。夜勤となると体力的に厳しい場合もありますが、その分給料も高くなるのでしょう。

建築設備管理の業務

建築設備管理業務には、それぞれ必要な資格も存在します。まず最初にビル設備管理で、ビルに備え付けられている電気や空調、給排水や消火設備などの設備を維持管理していく仕事です。ビルメンテナンスともよばれることもあります。

この場合、ビル設備管理技能士、建物環境衛生管理技術者の資格が有名です。

法律で専任義務が定められているものが、建物環境衛生管理技術者で、反対にビル設備管理技能士の資格は専任義務はありません。

難易度で表すと、ビル設備管理技能士の方が難易度は低いので、総合的なビル管理を行いたいという場合には、取得しておくとよい資格と言えるでしょう。

電気設備の管理に携わるには

もしも電気設備の管理に携わりたいのであれば、電気主任技術者や電気工事士の資格を取得しておくとよいでしょう。これらの資格を持つことにより、事業用の電気設備の保守点検や、簡単な電気工事であれば行うことが可能です。これらの資格は電気関係の仕事に就くためにも必要ですが、ビルのメンテナンスを行う際にも非常に役に立つものです。

空調設備の管理のために必要な資格としては、冷凍機械責任者の資格を取得しておくと有利に働きます。この名前を聞くと、冷凍庫や冷蔵庫をイメージする人も多いですが、業務用の空調も冷凍機械に属します。さらに消防設備の管理のためには、乙種消防設備士、もしくは消防設備点検資格者の資格を取得しておくとよいでしょう。

これらの中で受験資格があるものとしては、ビル設備管理費技能士、建物環境衛生管理技術者の二つです。必要となる条件はどちらも実務経験です。

またその年数は学歴により異なります。ビル設備管理技能士には一級と二級の資格が存在します。それぞれに必要な実務経験年数が異なるため注意が必要です。また難易度の高い資格としては、電気主任技術者が挙げられます。電気数学の知識が必要となり、テキストを丸暗記すればよいという安易な考えでは通るはずもないでしょう。