もし、派遣社員で働いている会社から正社員登用の話しがでたら、あなたはどうしますか?もちろん、引き抜き行為なオファーは派遣会社との契約違反となるのでNGです。しかし、派遣社員でも正社員になることができるタイミングがあります。比較的自由に仕事をしていた派遣と正社員ではどのような面で違いがあるのでしょうか?正社員になる場合のメリットやデメリットを確認しておきましょう。

派遣から正社員になるためには

派遣社員から正社員を目指すことが可能かどうか気になるところだと思います。実は、派遣には、派遣会社に登録して企業に派遣してもらう「登録型」、派遣会社の社員(無期雇用)として企業に派遣される「常用型」、社員登用を前提として紹介してもらう「紹介予定」の3種類があります。

初めから社員を希望して紹介してもらうなら、紹介予定派遣に登録するのが早道です。最大で6カ月間は派遣社員として勤務しますが、その後企業とあなたの双方の合意で直接雇用されることができます。ただし、必ず正社員になれるというわけではありません。直接雇用というだけで、アルバイトや契約社員である可能性もあります。

登録型派遣でも正社員になれることもあります。法律で派遣社員は同じ企業の同じ部署や課に3年を超えて勤務することができません。3年を超える頃になると、別の仕事を紹介してもらうか、派遣先に直接雇用してもらうか、派遣会社に常用型として登録するかを選ばなければいけません。この時に、派遣先の合意があれば直接雇用してもらうことができます。狭き門ではありますが、正社員になれる可能性があります。

派遣と違う正社員のメリットとは

大きく違う点と言えば、雇用期間でしょう。派遣では、3カ月や1年など契約期間を定めて働くことになります。派遣先とあなたの双方で合意があれば、更新して勤務することができます。しかし、派遣は企業にとっては、一時的や臨時の人材確保でしかありません。一方、正社員は、余程のことが無い限り解雇されることはありません。自分で退職を志願しない限り、同じ会社で働き続けることができます。

また、派遣にはボーナスや退職金という制度がありませんが、正社員では受け取ることができます。毎月の給与も保証されているので、収入面・雇用面で安定していると言えます。さらに、仕事をこなしていくことで昇給や昇進というチャンスもあります。収入が安定しているという点で、住宅ローンなどの融資を受ける際にも信用があり、審査に通りやすくなります。つまりは、社会的信用もあるということです。

その他にも、社会保険や休暇制度、キャリアアップのための研修制度など、福利厚生が充実していることも多いでしょう。正社員では、派遣と比べて優位な面が多くあります。

正社員になったときのデメリットとは

正社員として働くことでのデメリットの1つとして、責任や仕事の成果を求められやすくなります。そのため、仕事が忙しい時期や任された仕事が終わらないなどで、残業や休日出勤が必要となる場合もあるでしょう。こうしたことをやりがいだと見いだせるなら良いのですが、ノルマやプレッシャーに感じてしまう人もいます。

また、大きな企業になれば転勤や異動がある場合もあるでしょう。全然知らない土地で仕事をしなければいけなくなったり、自分のやりたかった仕事とは違う部署に配属になる可能性もあります。多くの会社では、就業規則などの定めにより、辞令が出れば従わざるを得ません。

他にも、企業という組織の一員として働くため、長く勤務していれば昇進して部下の教育を任されることもあるでしょう。上司と部下の板挟みなんてことも考えられます。チームとして仕事をこなしていかなくてはならないので、さらなるプレッシャーを感じることになるかもしれません。派遣と違って、責任を感じる部分が多くなるのは間違いありません。

自分の目指す働き方を考えよう

派遣と正社員では、仕事に対しての姿勢が大きく異なります。将来、自分はどのように生活していきたいのかライフプランを明確にすることで変わってきます。世間的な評価や雇用・給与の安定を重要視することも大切ですが、自分のライフプランと大きく相違していては働き続けることが困難となるでしょう。

今よりも責任感のある仕事をこなしてキャリアアップを図っていきたい、趣味に充てる時間が大切なので必要最低限の収入があれば良いなど、人によってさまざまです。また、結婚する予定ができたので、安定的に働きたいなど環境も変わるかもしれません。

派遣から正社員になれるということは、とても狭き門です。社員登用の話しがあるということは、あなたにその仕事のスキルや才能があると認識して良いでしょう。社員登用はあなたにとってチャンスかもしれません。もし、派遣で勤務しているときに社員登用の話しがあったときは、少し先の将来を見据えて考えてみるとよいでしょう。