「パートか派遣か」は重視するポイントに合わせて選択する

パートか派遣か、どちらの働き方を選ぶべきか悩んだときには、長く継続して働きたいのか、急な休みに対して自由度が高いほうがいいのかなど、将来的なことも視野に入れて判断するとよいでしょう。

パートは派遣よりも時給が安くなりますが、契約期間が無いので定年、場合によっては嘱託としても働くことができるため、長期的に働くことを考えたときにはメリットが大きい働き方と言えるでしょう。さらに、未経験者での募集を行っていることも多く、新しいことにチャレンジしたい場合にも向いています。

一方、派遣では時給も高く、勤務時間や勤務地、業務内容などから自分に合った条件の会社を紹介してもらえます。そのため、自分のスキルを活かして、効率よく稼ぐのに向いている働き方と言えるでしょう。

ただ、時給が高く労働契約の条件を結ぶゆえに、勤務時間や休日などの条件において、パートよりもシビアな場合が多くなります。例えば、育児中でお子さんの病気などで急に休みを取りたい場合などは、パートのほうがより融通が利きやすい傾向にあります。

パートと派遣の働き方の違いや特徴

パートと派遣、どちらの働き方を選ぶべきかを考えるには、その違いをよく理解しておく必要があるでしょう。以下ではパートと派遣の違いや特徴についてご説明していきます。

雇用契約:パートは勤務先の会社に雇用される 派遣は派遣会社と雇用関係を結ぶ

パートと派遣は、雇用される会社が勤務している会社なのか、別の会社なのかという点で大きく異なっています。

パートは会社に直接雇用されて就労する働き方です。一方、派遣では、派遣会社に登録して仕事を紹介してもらい、勤務が決まれば派遣会社と雇用関係を結びます。給与や勤怠管理、福利厚生などは派遣会社で管理し、実際の業務は派遣先会社が指揮や命令を行うといった働き方となります。

業務内容:パートは勤務先から指示される 派遣は契約以外の業務は行わない

業務内容についても違いがあります。

パートで働くときの業務は、全て勤務している会社からの指示で行うことになります。一方、派遣では、派遣先会社と派遣会社の間で細かい内容まで定めた契約書を取り交わしているため、契約以外の業務を担う必要がありません。

雇用期間:パートには限度がない 派遣は同じ組織で働くのは3年が限度

パートは雇用期間に限度がありません。しかし、派遣社員では勤務できる期間が決められています。

派遣会社は、派遣先会社と労働条件や業務内容、派遣期間などの契約を結んで派遣社員を派遣します。派遣期間は3ヵ月や6ヵ月、1年などとなり、派遣社員と派遣先会社の双方で問題がなければ、更新することも可能です。

ただし、同じ派遣社員を同じ会社の同じ課に派遣できる期間は3年が限度となります。3年を超えて働くためには、同じ会社の別の課に異動するか、派遣先へ直接雇用してもらうか、派遣会社で無期雇用になるかのいずれかを選択する必要があります。

2018年までは有期雇用として、派遣社員と派遣会社が雇用関係となるのは、就労している期間のみでした。しかし、法改正によって派遣会社との間で無期雇用という雇用関係を結ぶことができるようになりました。この雇用関係では、勤務していない期間があった場合でも、派遣会社から研修やフォローアップを受講しながら給与を受け取ることができます。

時給:パートよりも派遣のほうが高い傾向にある

パートと派遣では時給にも差がありますが、これには求人の求人募集や雇用の違いが大きく影響しています。パートの場合は、広告費や面接など全て自社で行わなければいけません。 対して、派遣の場合はその全てを派遣会社が行います。さらに、必要な期間だけ雇い、契約期間満了時に打ち切ることも可能で、企業からすれば都合よく利用することができるのです。そうした経緯から、派遣社員の時給は高くなる傾向があります。